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医療保険の見直しで節約につながる!入院日数の低下から考える見直しのタイミングとポイント

目次

皆さんは医療保険には加入していますか?
家計の節約を考えるとき、保険に関して見直しを検討する方が多いようです。
その中には、医療保険の見直しも対象となることがあります。

そもそも医療保険は本当に必要なのでしょうか。
必要だとしたらどのような内容が今の時代に求められているのでしょうか。 

2021年の生命保険文化センターの調査によると、民間の医療保険の世帯加入率は93.6%と高いですが、手頃な保険料で加入できるため、保障内容をよく確認せずに加入している人が少なくありません。
また、従来の医療保険の保障内容では、現代のニーズに十分対応できない場合もあります。

医療保険の見直しを通じて、家計の節約につながり、より適切な医療保険の加入する機会となるかもしれません。
メリットのある医療保険の見直しタイミングとポイントを考えていきます。

現代のニーズにあった医療保険とは?

病院の個室

今の時代の医療保険のニーズを捉えていくために、まずは平均入院日数について考えていく必要があります。

平均入院日数を気にする理由

平均入院日数を気にするのは、入院した際にかかる様々な費用を試算するために必要な数字だからです。
入院日数が長引くと、まず治療費が大きくなり、患者と家族に経済的な負担が重くのしかかります。さらに入院にかかる費用だけでなく、入院期間中の家族の生活費も必要になります。

その上、治療が長引いて、通院を余儀なくされれば、残業が難しくなって収入が減少することもあります。疾患の種類によってはその後のリハビリが必要となるケースもあるでしょう。

十分な貯蓄がない場合、こういった費用を医療保険で備えたいという思いが出てくるものです。入院日数は、この必要な治療費を試算する上で、キーとなる部分です。

医療保険は入院日数に連動しているタイプがある

一般的に、保険は保障内容が手厚くなるにつれて、加入者が支払う保険料も高くなるしくみです。
ですから医療保険も、入院した際に受け取れる入院給付金の支払限度日数が30日、60日、90日、120日などと日数が増えるにつれて、保険料が高くなっていきます。

入院日数が長期化するケースが多かった時代は、支払限度日数の長い保険が選ばれていました。つまり従来の医療保険は長期入院することを前提に考えられていたわけです。

では現在、入院日数がどのくらいになっているのかをみていきましょう。

日本の平均入院日数の推移

平均入院日数の推移

政府統計『病院報告』によると、平均入院日数は年々減少傾向にあります。1990年の平均入院日数は50.5日でしたが、2020年の平均入院日数は28.3日です。30年間で22.2日も短縮されているのです。

時代と共に平均入院日数が短期化しているのは、医療技術の進化に伴って長期間の入院を必要としないなど、医療を取り巻く状況が大きく変化したことを表しています。

グラフより得られる考察

平均入院日数が50.5日であった30年前は、入院給付金の支払限度日数の長い医療保険の方が経済的な安心感を持つことができました。また逆にこの頃は、長期入院が一般的で短期入院が少なかったことから、入院保障が受けられない免責期間のある医療保険の方が、保険料負担と保障内容のバランス面で効率的という考え方もありました。

免責期間とは、入院当初から一定期間は支払対象とならない期間のことです。例えば、7日間の入院の場合「免責期間4日」だと、入院7日−免責期間4日=3日分が入院給付金の支払い対象となります。

ところが現在では、入院しても「2泊3日」や「日帰り入院」というケースも少なくありません。入院保障が受けられない免責期間が設定されているタイプの医療保険に加入したままだと、短期入院では入院給付金の支払対象外になってしまうケースもあります。

この注意点を理解して以前の保障内容のまま加入しているのであれば、全く問題はありません。しかし、詳しい保障内容がよくわかっておらず、この点が現在の医療事情にマッチしていないとするならば、支払対象外のリスクもあり、医療保険を見直しする良い機会です。

ところで、なぜ入院日数は短期化しているのでしょうか。

入院日数が短くなった2つの理由

入院日数が短くなった2つの理由

入院日数が短くなったのは、主に次の2つの理由からです。

  • 医療の進化
  • DPC制度の導入

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

医療の進化

医療の進化を身近に感じる要素の一つとして、外科的手術が減り、より体への負担が少ない内視鏡等の手術が増えたことが挙げられます。
外科的な手術の場合、体に負担がかかりますから、術後の回復のための時間も必要になります。現在は、治療の選択肢が増え、より体への負担が少ない治療を選べるようになり、このことが入院日数の短期化につながっていると言えるでしょう。

また、高度な画像診断技術やロボティック手術が増えたため、迅速で的確な診断と治療が行われることになり、これも入院日数の短縮に貢献しています。更に在宅医療の発展により、入院期間を短縮して、治療やリハビリを自宅で行うケースも増えています。

DPC制度の導入

2003年に導入されたDPC制度も入院期間の短縮に大きく影響しました。DPC制度とは、傷病名・病状・手術・処置・検査等により、入院の治療内容を分類して、医療費を計算する制度のことです。

DPC制度では、傷病名ごとにおおよその入院期間が定められており、その期間を超えて入院をさせると病院の診療報酬が小さくなってしまうしくみです。このしくみの導入により、できるだけ患者を早く退院させて、別の患者を入院させる方が健全な病院経営につながるような枠組みにしています。

その結果、早期退院を目指して病院側は様々な取り組みをしています。
こちらは一例です。

  • 予防や早期治療に努め、外来診療や日帰り手術などの処置を推進し、重症化を防止することで入院日数を短縮
  • データ分析による効率化を図り、迅速に効果的な治療法を見つけ出すことで入院日数を短縮

長くゆっくりした治療を望む患者もいますが、今の健康保険制度の財政負担を考えると、適切な制度設計になっていると考えられます。

医療保険の保険証券を確かめよう

女性のための医療保険

では、入院日数が短くなってきたことを受けて、保険証券のどの部分を確認すると見直しすべきポイントが見えてくるのでしょうか。

保険証券に記載されている項目

保険証券には、

  • 契約者の氏名
  • 被保険者の氏名
  • 保険の種類
  • 保険期間
  • 給付金
  • 特約内容
  • 保険料
  • 保険料の払込方法と払込期間
  • 支払要件
  • 保険会社の情報

などが記載されています。

医療保障に特化して考えた場合、主契約で医療保険に加入しているのか。死亡保障の保険に特約として付加しているのかを確認しておきましょう。
主契約か特約かで、解約や減額する際に選べる選択肢も変わってきます。詳しくは保険会社の営業担当者やカスタマーサービスセンター等へ確認してみましょう。

新しい治療に対応しているか

数十年も前に加入した医療保険の場合は、最新の治療を受けた際にしっかりとした手術給付金が得られるのかも気になるところです。

そもそも治療には健康保険制度の対象となる保険診療と、自己負担となる保険外診療があります。最近では保険診療と保険外診療を組み合わせた混合診療も一部可能になりました。その制度が保険外併用療養費制度です。

保険外併用療養費のイメージ

基本的な治療は保険診療で行い、先進医療は自費で受けることができるようになっています。先進医療は、「厚生労働大臣が認めた高度な医療技術を用いた療養その他の療養のうち、保険給付の対象とすべきかどうか検討中の療養」のことを指します。

医療保険に「先進医療特約」を付加すると、月々数百円の特約保険料で、数百万円の高額な費用を医療保険で賄えるのです。先進医療が効果を発揮する疾病は限定されますが、数百円の負担で、そのときの選択肢を広げられるとするならば一考の余地はあると考えられます。

一般的な入院費用は貯蓄でも賄えるので、先進医療保険にだけ加入したいと思う人もいるでしょう。残念ながら、医療保険に加入せず、先進医療だけを保障する保険はありません。この場合は、先進医療特約を付加できる医療保険を探し、できるだけ安いプランで保険に加入して先進医療特約を付加するのも一つの手です。

ご自身の状況や希望に合わせて、医療保険の加入方法にも工夫ができるということになります。

医療保険を見直すタイミングとポイント

退院する女性

医療の進化やDPC制度の導入により、入院日数は大幅に減少しました。厚生労働省は超高齢社会において国民に安全で安心な医療を届ける努力をしています。

その一つが在宅医療・介護連携推進事業の取り組みです。今後も入院日数は減少傾向にあるでしょう。
ですから、入院を前提とした医療保険の加入では、ご自身が必要だと考えている保障を得られなくなるかもしれません。

加入している医療保険が今の自分に必要な保障内容であるかを今一度確認してみましょう。
確認する上では、ご自身の想いも整理しておくと良いと思います。例えば、「がん家系なのでがんの保障を手厚くしたい」、「女性特有の病気の保障を手厚くしたい」、「生活習慣病が心配」など、様々な心配事をまとめておくと相談しやすいでしょう。

一方で、想いとは関係なく、経済状況や年代・性別よっても必要な保障は異なります。
定期的に見直し、今のニーズにマッチした保障へ切り替えていくことを考えましょう。特に結婚・妊娠・出産など、ライフステージが変わった時、経済状況が変わった時、定期保険の更新時などは保険を見直す良いタイミングでもあります。

健康保険制度をまず理解しよう

日本には、国民皆保険制度と呼ばれる健康保険制度があります。
健康保険制度は、すべての国民が加入し、医療費の一部を自己負担することで、広範な医療サービスを受けられるように設計されています。財源は保険料と国の補助(税金)です。

高額な費用がかかる際には「高額療養費制度」が利用でき、医療費負担を軽減できます。また75歳以上は「後期高齢者医療制度」に加入します。
経済的な理由などで保険料を納めることが困難な場合は、保険料の免除や軽減措置があるので安心です。

ただし傷病で入院した場合、すべての費用に健康保険が適用されるわけではありません。前述した、先進医療以外にも

  • 差額ベッド代
  • 入院中の食事代
  • 交通費などの雑費

は自己負担ですので、それぞれいくらぐらいかかるのかを把握し、医療保険を有効活用しましょう。

ソナミラのオンライン相談のご紹介

保険料の節約目的だけの安易な保険の見直しはオススメしません。本当に安心できる保険は個人個人のご家庭の状況や考え方で異なります。また、保険の見直し手順もとても大事です。

既に加入していた医療保険を先に解約してしまうと、健康状態によっては次の保険に加入できないこともあります。保険の見直しをしようとして無保険状態になってしまっては何の意味もありません。適切な保険の見直しは、プロに相談することをオススメします。

ソナミラは複数の保険会社の商品を取り扱う保険代理店です。
現状やご希望をヒアリングのうえ、多くの商品の中から最適な保険をご提案しています。オンラインで相談することも出来るので、是非一度相談してみてください。

▼参考資料
生命保険文化センター『2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)』
sokuhoubanR3.pdf (jili.or.jp)
e-Stat 政府統計『病院報告』全国編 平均在院日数,病床-病院の種類・年次別
政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

  • 監修者
    水野 崇さん

    水野総合FP事務所代表。個別相談、執筆・記事監修、講師、取材協力などマルチに活躍する独立系ファイナンシャルプランナー。学校法人専門学校非常勤講師。 【メディア掲載】毎日新聞|朝日新聞|中日新聞|東京新聞|朝日中高生新聞|物流産業新聞社|Yahoo!ニュース|女性自身|プレジデントオンライン|日本FP協会 他多数

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    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号