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リフォーム補助金の種類と内容 一般的なリフォーム費用も解説

目次

建物の老朽化やライフスタイルの変化などから、自宅のリフォームを検討する人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、リフォームの内容によっては多くの費用がかかり、自己資金だけでは足りないこともあります。この記事では、リフォームのために活用できる代表的な補助金やリフォームローン、リフォーム減税について国や自治体の例の紹介とともに解説します。

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リフォームにはまとまった資金が必要

リフォームにはまとまった資金が必要


リフォームには、まとまった資金が必要となります。リフォームする内容や施工業者によって費用は千差万別ですが、ここでは一例として、パナソニック株式会社が紹介しているリフォーム費用の調査結果をお伝えします。実際にリフォームをしたお客さまの費用を調べた結果、中心価格帯は次の通りです。

リフォームする場所

中心価格帯

キッチン

151万~300万円

浴室・お風呂

101万~150万円

トイレ

21万~40万円

洗面所

21万~40万円

リビング・ダイニング

151万~450万円

寝室

51万~150万円

子ども部屋

51万~100万円

個室・和室

51万~100万円

玄関・廊下・階段

~100万円

外装・屋根・エクステリア

51万~150万円

出典:パナソニック株式会社「リフォーム費用の相場・資金について」を元に筆者作成

リフォーム費用は、住宅の状態やリフォームの規模によって大きく異なります。大がかりな工事や複数箇所にまたがるリフォームを行う場合には、数百万円から一千万円を超える費用がかかることもあります。また、リフォーム後に、新たに家具やカーテンを購入することもあるでしょう。

すべての費用を貯蓄から捻出するのは難しい場合があるかもしれません。そんなときは、希望に沿ったリフォームを実現するため、補助金やリフォームローンを活用するのも選択肢の一つです。

国のリフォーム補助金

国のリフォーム補助金


2050年カーボンニュートラルの実現に向けて家庭の省エネを推進するため、政府は住宅省エネ2023キャンペーンを2023年3月に開始しました。本キャンペーンで、3つの補助事業がワンストップで申請できるようになりました。

また、3つの補助金に関しては、上限の範囲内であれば複数回の申請も可能であり、対象部分が重複しなければ併用もできます。

なお、補助金の交付申請などすべての手続きは、本キャンペーンに登録されている住宅省エネ支援事業者が申請し、消費者自身ではできません。

それでは、3つの事業について見ていきましょう。

こどもエコすまい支援事業

住宅の省エネ化・子育て対応化リフォームや、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)の新築住宅の取得に対して補助金を給付する制度です。対象となる工事は以下のとおりです。Aの工事は原則として必須で、Bの工事はAの工事を行う場合のみ対象となります。また、原則として申請する補助額の合計が5万円未満の工事は、補助の対象になりません。

 

対象となるリフォーム工事

条件

A

①開口部の断熱改修
②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置

いずれか必須

B

④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

Aと同時に行う場合のみ補助対象

(出典:国土交通省「こどもエコすまい支援事業の内容について」)

たとえば「子育て対応改修」の場合、ビルトイン食器洗機や浴室乾燥機の設置、生活騒音に配慮した二重窓化などのリフォームに補助金が出ます。

なお、この事業での「子育て世帯」とは、申請時点で2004年4月2日以降に出生した子どもがいる世帯を指します。「若者夫婦世帯」とは、申請時点で夫婦であり、いずれかが1982年4月2日以降に生まれた世帯を指します。

条件は次の通りで、最大60万円の補助金を受け取ることができます。

世帯の属性

既存住宅(※1)購入の有無

1戸あたりの
補助金上限額

子育て世帯
または
若者夫婦世帯

既存住宅を購入しリフォームを行う場合

60万円

上記以外のリフォームを行う場合

45万円

その他の世帯

安心R住宅(※2)を購入しリフォームを行う場合

45万円

上記以外のリフォームを行う場合

30万円

出典:国土交通省「こどもエコすまい支援事業の内容について」より筆者作成

(※1)「既存住宅」には以下の条件をすべて満たした場合、対象となります。

  • 不動産売買契約の締結時に完成から1年以上経過している住宅である(不動産登記で確認します)
  • 不動産売買契約の締結が、2022年11月8日(令和4年度補正予算(第2号)閣議決定日)以降である
  • 売買代金が100万円(税込)以上である
  • リフォーム工事の工事請負契約の締結が、不動産売買契約の締結から3か月以内である

(※2)「安心R住宅」とは、耐震性があり、建物状況調査等が行われた住宅で、リフォーム実施済みあるいはリフォーム提案が行われる既存住宅のことです。

なお、子育て世帯・若者夫婦世帯が新築住宅を取得する場合、この事業での補助金額は100万円です。

申請期間は2023年3月31日からで、予算上限である1,500億円に到達したら終了となります。

先進的窓リノベ事業

中古住宅の窓の断熱性能を高めることで、冷暖房費の軽減や家庭からのCO2排出量の削減に貢献し、カーボンニュートラルを実現するための支援事業です。既存の窓ガラスの交換や内窓の設置などの窓の断熱改修に補助金が支給されます。上限は1戸あたり200万円です。

申請期間は2023年3月31日からで、予算上限である1,000億円に到達したら終了となります。

給湯省エネ事業

家庭のエネルギー消費量を減らすために、高効率給湯器の導入を促すための事業です。一定の高効率給湯器を導入すると補助金の給付を受けられます。新築住宅だけでなく、既存住宅のリフォームも補助の対象になり、1台につき最大15万円が補助されます。

設置する給湯機

補助額

補助上限

家庭用燃料電池
(エネファーム)

15万円/台

戸建住宅:いずれか2台まで
共同住宅など:いずれか1台まで

電気ヒートポンプ・
ガス瞬間式併用型給湯機
(ハイブリッド給湯機)

5万円/台

ヒートポンプ給湯機
(エコキュート)

出典:経済産業省「給湯省エネ事業 事業概要」より筆者作成

申請期間は2023年3月31日からで、予算上限である300億円に到達したら終了となります。

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【自治体の補助金と事例】東京都渋谷区の住宅簡易改修支援事業

【自治体の補助金と事例】東京都渋谷区の住宅簡易改修支援事業


国の補助金とは別に、独自にリフォームへの補助をしている自治体もあります。たとえば、東京都渋谷区では、キッチンや浴室などの設備器具の取り替え工事、窓・扉などの改修・取り換え工事、屋根・外壁などの改修・模様替えを行う外装工事などの住宅の簡易改修工事に対して助成があります。助成金額は工事費用の20%で、限度額は10万円です。

2024年1月末までに申請し、その後に着工、2024年3月15日までに工事を完了する必要があります。

リフォームローンには何がある?

リフォームローンには何がある?


リフォームローンは多くの金融機関で取り扱われています。ここでは代表的なリフォームローンを3つご紹介します。 

住宅金融支援機構のリフォーム融資(耐震改修工事)

住宅金融支援機構のリフォーム融資で、一定の基準を満たす耐震改修工事、耐震補強工事が融資の対象となります。

借入申込日の時点で満79歳未満の人が利用可能です。融資限度額は1,500万円(住宅部分の工事費が上限)で、返済期間は最長20年、金利は全期間固定です。機構の団体信用生命保険に加入し返済期間が10年以下であれば、金利は1%台です(2023年8月融資)。

住宅金融支援機構のグリーンリフォームローン

住宅金融支援機構のリフォーム融資で、省エネ基準を満たす断熱改修工事または省エネ設備設置工事を含むリフォームが対象となります。借入申込日の時点で満79歳未満の人が利用可能です。融資限度額は、次の1から3のいずれか低い額です(10万円以上1万円単位)。

  1. 500万円
  2. 省エネリフォーム工事費の2倍
  3. リフォーム工事費(補助金の交付を受けた場合はリフォーム工事費全体から差し引きます。)

返済期間は最長10年、金利は全期間固定です。機構の団体信用生命保険に加入する場合、金利は1%台です(2023年8月融資)。

三菱UFJ銀行のリフォームローン

三菱UFJ銀行のネットDEリフォームローンは、住宅の増改築工事や免震・耐震工事、車庫や門扉などの住宅に付随する設備の工事などに利用できます。本ローンは、借入申込時に18歳以上であり、ローン完済時に満70歳であることが必要です。融資限度額は1,000万円で、返済期間は最長15年です。金利は変動金利で年2.875%ですが、条件を満たすと優遇金利が適用されます。

条件

金利(年)

①三菱UFJ銀行の住宅ローンを利用中の場合

2.375%

②バリアフリー化のリフォームの場合

2.49%

①・②両方に該当する場合

1.99%

また、ローンの利用には勤続年数が1年以上であること、前年度の年収が200万円以上であることなどの条件があります。担保や保証人は原則不要です。

みずほ銀行のリフォームローン

みずほ銀行のリフォームローンは住宅のリフォーム、オール電化や太陽光発電設備の設置など幅広く利用が可能です。本ローンは、借入申込時に満18歳以上満66歳未満で、ローン完済時に満71歳未満である必要があります。金利は変動金利と固定金利どちらかを選択でき、条件を満たすと金利が引き下げられます。

条件

金利引き下げ幅

環境配慮型またはバリアフリーのためのリフォームの場合

年▲0.1%

みずほ銀行で現在証書貸付ローンを利用中
または過去に利用していた場合

年▲0.1%

※上記2つの金利特典は併用できません。

また、ローンの利用には勤続年数(自営の方は営業年数)が2年以上であること、前年度の年収が200万円以上であり、安定かつ継続した収入が見込めることなどの条件があります。

担保や保証人は原則不要です。

活用できる減税制度はある?

活用できる減税制度はある?


リフォームを行った場合に利用できる減税制度を紹介します。

所得税の控除

一定の要件を満たすリフォームを行った場合、確定申告すると所得税の控除を受けられます。リフォーム促進税制と住宅ローン減税の2つがあり、対象となる工事は次の表の通りです。

 

耐震

バリアフリー

省エネ

同居対応

長期優良住宅化

その他
リフォーム工事

リフォーム
促進税制

住宅ローン減税


※工事内容による


※工事内容による

出典:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームの支援制度」より筆者作成

リフォーム促進税制

改修工事を完了した年に、1年間だけ控除を受けられます。リフォームの内容に応じて最大控除額が決まっており、組み合わせ次第で最大105万円が控除されます。ただし、制度を併用できない工事内容もあり、複数の工事を行う場合は注意が必要です。

リフォーム促進税制は、リフォームローンの利用の有無に関わらず利用できます。

住宅ローン減税

住宅ローン減税はマイホームの購入時だけでなく、実はリフォームのときにも活用できます。

返済期間10年以上のリフォームローンを利用して増改築などの工事をした場合、対象の改修工事費用相当分の年末ローン残高に応じて、一定割合が所得税から控除されますが、所得税から控除しきれない分は、翌年の個人住民税から控除されます。原則10年間控除を受けられ、所得税からの最大控除額は10年間で140万円になります。

1年間の控除額=(改修工事費用相当分の年末ローン残高-補助金等)×控除率0.7%

控除対象
借入限度額

控除率

控除期間

所得税からの
最大控除額

住民税からの
最大控除額

2,000万円

0.7%

10年

140万円

9万7,500円
(前年課税所得×5%)

住宅ローン減税の適用を受けるには、改修工事完了後6か月以内に入居すること、改修工事後の床面積が50㎡以上であることなどの条件があります。

また、住宅ローン減税と併用できるリフォーム促進税制は耐震リフォームのみで、他のリフォーム促進税制とは併用できないため注意が必要です。

固定資産税の減額

所有している土地や建物等の評価額に応じて課される固定資産税も、一定の要件を満たすリフォームを行った場合、減額があります。減税対象となるリフォームは耐震、バリアフリー、省エネ、長期優良住宅化リフォームです。

リフォームの種類

耐震

バリアフリー

省エネ

長期優良住宅化

固定資産税の
軽減額

1/2

1/3

1/3

2/3

家屋面積の上限

120㎡相当分

100㎡相当分

120㎡相当分

120㎡相当分

出典:一般社団法人「住宅リフォーム推進協議会 住宅リフォームの支援制度」より筆者作成

減税期間は工事完了年の翌年度1年分ですが、固定資産税が1/3~2/3も軽減されるのはうれしいですね。リフォーム工事完了後、3か月以内の申請が必要です。忘れずに申告しましょう。

補助金やリフォームローンを活用して理想のリフォームに近づけよう!

補助金やリフォームローンを活用して理想のリフォームに近づけよう!


本記事では、リフォーム費用の相場と、リフォームの際に利用できる補助金やローン、税制上の優遇について解説しました。リフォームは生活の質の向上につながります。補助金やローンを上手に利用してリフォームを行い、快適で安心な生活をおくりましょう。

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▼参考

  • 戸建のリフォーム(リノベーション)費用の相場・目安 | Panasonic
  • 元利均等返済と元金均等返済 | はじめての住宅ローン | NEOBANK 住信SBIネット銀行 (netbk.co.jp)
  • リフォームローン | 三菱UFJ銀行 (mufg.jp)
  • sprl_setsumei_03.pdf (mufg.jp)
  • リフォームローン 商品詳細 | みずほ銀行 (mizuhobank.co.jp)
  • 住宅省エネ2023キャンペーン【公式】 (mlit.go.jp)
  • キャンペーンについて|住宅省エネ2023キャンペーン【公式】 (mlit.go.jp)
  • キャンペーンスキーム|リフォームの場合|住宅省エネ2023キャンペーン【公式】 (mlit.go.jp)
  • 事業概要|こどもエコすまい支援事業【公式】 (mlit.go.jp)
  • kodomo-ecosumai_detail.pdf (mlit.go.jp)
  • https://www.mlit.go.jp/common/001215761.pdf
  • 事業概要|先進的窓リノベ事業【公式】 (env.go.jp)
  • 対象工事の詳細【ガラス交換】|先進的窓リノベ事業【公式】 (env.go.jp)
  • 住宅簡易改修支援事業 | 融資・助成 | 渋谷区ポータル (city.shibuya.tokyo.jp)
  • r4-P35-45.pdf (j-reform.com)
  • 住宅:住宅ローン減税 - 国土交通省 (mlit.go.jp)
  • 監修者
    中山 弘恵さん

    生活に関わるお金や制度をテーマにした講師業務、執筆業務、相談業務に従事。「わかりやすく丁寧なセミナー」「ストレスなく読み進められるわかりやすい文章」「安心して気軽に話せる相談相手」として定評がある。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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