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ETF(上場投資信託)とは?株式・投資信託との違いやメリット・デメリットを解説

目次

投資を始めたいけれど、どのような商品から始めたらよいかわからず悩んでいませんか?投資初心者におすすめの投資商品の一つにETF(上場投資信託)があります。この記事では、投資初心者の方にむけて、ETFの基本的な知識や、一般的な投資信託との違い、ETFのメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。

 ETFとは?

ETFとは?


ETFとは、Exchange Traded Fundsの頭文字をとったもので、日本語では「上場投資信託」と言います。ニュースなどで、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。これらは株価指数(取引所全体や特定の銘柄群の株価の動きを表す指標)と呼ばれ、ETFはこの株価指数に連動してお金をふやすことを目指す、投資信託の一種です。

 ETFの仕組み

 ETFの仕組み


ETFは、さまざまな金融商品を組み合わせたパッケージ商品のようなものです。たとえば、日経平均株価に連動した運用成果を目指すETFの場合、日経平均株価は日経新聞社が選んだ代表的な225銘柄の平均株価なので、そのETFを1つ保有するだけで225社に分散投資をしたのに近い効果が得られます。

こういった市場に連動したETFのほか、企業規模別・業種別の株や外国株、いろいろな国の債券に投資するETFがあります。また、オフィスビルや商業施設などの不動産で運用し、賃料収入や売買益で得た利益を投資家に分配する不動産(REIT)のETFもあります。ここ最近耳にするテーマでいうと、SDGsに積極的に取り組む企業の株式を集めたETFなどもあります。

ETFと投資信託との違い

ETFと投資信託との違い


ETFは投資信託の一種ですが、最も大きな違いは証券取引所に上場しているか、していないかという点です。ETFは上場しているので、証券会社を通じてのみ購入が可能です。また、リアルタイムで値動きがあるため、同じ日に購入する場合でもタイミングによって取得価格が異なります。

一方、投資信託は証券会社のほか、郵便局や銀行などでも購入が可能であり、その日の終値をもとに計算するため、価格更新は1日に1回です。また投資信託は注文した時点では正確な取得価格はわかりません。

ETFと株式投資の違い

ETFと株式投資の違い


ETFと株式はともに証券取引所に上場しているという共通点がありますが、株式が個別の銘柄に投資をするのに対し、先に述べたようにETFはさまざまな株式銘柄や債券などを詰め込んだパッケージ商品というイメージです。

投資はまとまった金額を1つの商品で運用するより、値動きの特徴が異なる銘柄を組み合わせた商品を使った方がリスクを抑えられる傾向があります。この考え方を「分散投資」といい、金融庁も「投資の基本」として紹介しています。

株式投資で、自分で個別銘柄を複数購入して分散投資をしようとすると、各銘柄の企業動向に関する知識が必要なうえ、買付費用もかかってしまうでしょう。しかし、ETFであれば、1つ商品を保有するだけで銘柄や地域の分散投資が可能です。

【株式投資・ETF・投資信託の違い】

 株式ETF投資信託
販売会社証券会社証券会社・銀行・郵便局など
上場か非上場か上場非上場
取引可能な時間帯証券取引所の取引時間(東京証券取引所の場合は9時~11時30分と、12時30分~15時)原則15時までに申し込み
取引価格リアルタイムで変動する市場価格1日1回更新される基準価格
費用購入時売買手数料(証券会社によって異なる)購入時手数料(販売会社によって異なる)
売却時信託財産留保額がかかる場合がある
保有期間中なし信託報酬

 ETFのメリット

 ETFのメリット


ETFにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ETFのメリットを5つ紹介します。

手数料(信託報酬)が安い

ETFは、一般的な投資信託よりも信託報酬が安い傾向があります。投資信託の場合は、投資信託の運用指図を行う運用会社や資産管理会社(信託銀行など)、販売会社(証券会社など)にそれぞれ信託報酬を支払うのに対し、ETFの場合は販売会社に信託報酬を支払わなくてよいためです。

長期投資を前提とする場合、わずかな信託報酬の差が大きな差になり得るため、信託報酬が安いのは大きなメリットと言えるでしょう。

分散投資による投資リスク軽減効果がある

ETFの投資対象となっている指数は、さまざまな銘柄で構成されているため、ETFを1つ保有するだけで、商品の分散投資の効果をもたらします。

さらにETFはハイテク企業に特化して分散投資するもの、高配当企業に特化して分散投資しているものなど、バリエーションが豊富です。

また、ETFのように値動きのある金融商品は、毎月1万円、2万円など一定額を購入し続けると、平均購入単価を平準化できます。ただし、ETFの自動積立設定ができずに毎回自分で買付をしなければならない証券会社もあるため、毎月購入する場合は事前に確認しましょう。

どの証券会社でも購入できる

投資信託は証券会社や銀行、郵便局などで扱っていますが、販売先によっては扱っていない投資信託もあります。一方、ETFは上場しているため、日本株を取り引きできる証券会社であれば、国内ETFならどこでも購入できます。(海外ETFは証券会社によって取扱いが異なります)

少額で取引ができる

ETFは少額から取引が可能です。一般的に株式投資は100株単位での取引となるため、株価が1,000円の銘柄があったとしたら10万円の自己資金が必要です。しかし、ETFの中には数千円から取引ができる商品もあるため、比較的投資初心者でも始めやすい商品と言えます。

リアルタイムに売買できる

ETFは、証券取引所を通じてリアルタイムに売買ができます。そのため市場価格を見て、下がったタイミングで購入して、上昇したら売却するなど柔軟な取引が可能です。このように、値段を指定せずにそのときの市場価格で購入する注文方法を「成行注文」と言います。また、ETFは「何円になったら売りたい」「何円になったら買いたい」のように、価格を指定して注文する「指値注文」も可能です。

ETFのデメリット

ETFのデメリット


ETFのデメリットについても見ていきましょう。主なデメリットを4つ紹介します。

分配金は再投資されない

投資信託のなかには、運用成果に応じて投資家に「分配金」という利益を還元する商品もあります。分配金は現金として受け取ることもできますが、再投資に回すこともできます。

このように運用で得た利益を元本に上乗せして再投資することで、利益が利益を生み、さらに資産が膨らみます。これを複利効果と言います。

しかしETFの分配金は自動的には再投資されず、いったん分配金を受け取って手動で再投資をしなければなりません。そのため一般的な投資信託に比べると、複利効果を出すためには少し手間がかかります。

複数資産への分散投資はできない

ETFは、市場連動のものや株式、不動産、債券、コモディティ(金・原油など)など、種類(資産クラス)によって分かれていますが、これらを包括的に含んだETFはありません。より分散投資の効果を得たいのであれば、さまざまな資産クラスの商品をバランス良く保有していることが望ましいと言えます。

株主優待などは受けられない

ETFは、指数への投資を通じて、株式の個別銘柄に投資をしている場合があります。しかし、株式の現物取引とは異なり、直接、個別銘柄に投資をしているわけではないため、株主優待は受け取れません。

上場廃止になることがある

めったにないケースですが、ETFも上場しているため、純資産総額が小さかったり、減り続けたりすると上場廃止となり、運用がストップしてしまうことがあります。投資初心者がETFを始めるときは、純資産総額が大きい商品を選ぶようにしましょう。

ETFは初心者におすすめの商品

ETFは初心者におすすめの商品


ETFは上場投資信託のことであり、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった指数に連動した運用成果を目指す投資信託の一種です。指数はさまざまな銘柄から構成されているため、ETFを1つ保有するだけで、投資リスクを抑える分散投資の効果が働きます。

また、ETFは投資信託の一種ですが、一般的な投資信託よりも信託報酬が安い点もメリットと言えるでしょう。

ただし、ETFには様々な資産クラスを投資対象とした商品がありますが、株式や不動産、債券、コモディティなど多くの資産クラスを包括的に含んだ商品がない点はデメリットです。

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  • 著者
    金子 賢司さん

    東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、金融に興味を持ち、資産運用やローンなどの勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号