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長期投資をするときに覚えておきたい「ドルコスト平均法」とは?

目次

「ドルコスト平均法」は初心者でも取り組みやすい投資手法の一つです。ドルコスト平均法の仕組みを理解することで、効率的な資産運用ができるようになるでしょう。

ドルコスト平均法とは?

グラフ


投資におけるリスクを減らす有効な方法として「分散投資」と呼ばれる手法があります。分散投資には、特性の異なる複数の資産・銘柄に対して投資をする「資産・銘柄の分散」や異なる地域の資産や銘柄に投資をする「地域の分散」などの考え方があります。

ドルコスト平均法(定額購入法)は、分散投資の中でも「時間分散」と呼ばれる考え方に基づいた投資方法です。株式や投資信託など、価格が変動する金融商品を、一定金額で定期的に購入する手法を指します。一度に投資するのではなく、たとえば毎月など、購入するタイミング(時間)を分散して投資していくのが特徴です。

ドルコスト平均法の仕組み

商品が下がったときのイラスト


商品が上がったときのイラスト


ドルコスト平均法を用いて投資をした場合、価格が高い時には購入量は少なくなり、安い時には多く購入することになるため、購入価格は平準化されていきます。

たとえば、ある投資信託を毎月50,000円ずつ購入するケースを考えてみましょう。投資信託の価格が次のように変動すると仮定した場合、購入量も変動します。

 

1か月目

2か月目

3か月目

4か月目

5か月目

6か月目

合計

投資信託の価格

10,000円

5,000円

2,000円

25,000円

50,000円

10,000円

-

購入量(口数)

5

10

25

2

1

5

48

購入金額

50,000円

50,000円

50,000円

50,000円

50,000円

50,000円

300,000円

平均購入単価は300,000円÷48口=6,250円です。ドルコスト平均法を利用することで高値掴みを避けることができます。

6か月経過した時点で全部売却すると、売却額は48口×10,000円=480,000円です。投資合計額は300,000円のため、このケースにおいては480,000円ー300,000円=180,000円の利益となりました(単純化のため税金は無視しています)。

ドルコスト平均法と同様に、購入タイミングを分散して投資する方法として「定量購入法」と呼ばれるものもあります。定量購入法は、定期的に一定量を購入するのが特徴です。この方法を用いた場合はどうなるでしょうか。

 

1か月目

2か月目

3か月目

4か月目

5か月目

6か月目

合計

投資信託の価格

10,000円

5,000円

2,000円

25,000円

50,000円

10,000円

-

購入量(口数)

5

5

5

5

5

5

30

購入金額

50,000円

25,000円

10,000円

12,500円

250,000円

50,000円

397,500円

平均購入単価は397,500円÷30口=13,250円です。

6か月経過した時点で全部売却すると、売却額は30口×10,000円=300,000円です。投資合計額は397,500円のため、このケースにおいては397,500円ー300,000円=97,500円の損失が発生しました。

一括投資をした場合はどうでしょうか。

 

1か月目

2か月目

3か月目

4か月目

5か月目

6か月目

合計

投資信託の価格

10,000円

5,000円

2,000円

25,000円

50,000円

10,000円

-

購入量(口数)

30

0

0

0

0

0

30

購入金額

300,000円

0円

0円

0円

0円

0円

300,000円

平均購入単価は300,000円÷30口=10,000円です。

6か月経過した時点で全部売却すると、売却額は30口×10,000円=300,000円です。投資合計額も300,000円となるため、このケースにおいては利益も損失も発生しませんでした。

初心者にぴったり!ドルコスト平均法4つのメリット

キーボード、ノートと初心者マーク


ドルコスト平均法を活用すると、高値掴みを避けられるだけではなく、次のようなメリットも得られます。

  • 自由なタイミングで投資をスタートできる
  • 相場を細かくチェックしながら購入する必要がない
  • 少額の投資から始められる
  • 購入時に感情が入り込まない

ドルコスト平均法は、投資の初心者にも向いている手法といえるでしょう。

自由なタイミングで投資をスタートできる

ドルコスト平均法を活用する場合、投資を始めるタイミングについて深く悩む必要はありません。結果的に高値となったタイミングで投資を始めたとしても、購入時期を分散することにより、購入価格が徐々に平準化されていくためです。一方、一括投資では投資するタイミングによって大きな損失を出すリスクがあります。自由なタイミングで投資を始められる点もドルコスト平均法のメリットです。

相場を細かくチェックしながら購入する必要がない

短期的な投資においては、安いタイミングで買うことが求められます。そのためには、相場を注視し続けなければなりません。ドルコスト平均法を活用すれば、値下がりのタイミングを見極めて購入する必要はありません。

少額の投資から始められる

ドルコスト平均法は、一度に投資するのではなく、定期的に積み立てていく手法です。投資を始めるためには、まとまった自己資金が必要と考えている人も多いかもしれませんが、ドルコスト平均法は家計に無理がない範囲で取り組めます。

購入時に感情が入り込まない

投資に失敗しないためには、感情をコントロールすることが欠かせません。売買の判断が感情に左右されてしまうと、思わぬ損失を被ることがあります。

感情をコントロールすることは容易ではありませんが、ドルコスト平均法は定期的に一定金額を機械的に投資する手法ですので、購入時に感情が入り込む余地を排除できます。

リスクゼロではない?ドルコスト平均法の注意点

電卓とグラフ


価格が変動する金融商品への投資にはリスクが必ず伴います。ドルコスト平均法も、確実に利益を得られる手法ではありません。次のような注意点があります。

  • 短期投資には向かない
  • 売却のタイミング次第で損失を被ることがある

短期投資には向かない

ドルコスト平均法は長期投資を前提とした手法であるため、短期的には目に見える効果が出にくいこともあります。リスクを抑えられる反面、得られる利益も抑えられます。短期間で大きく資産をふやしたいと考えている人には向かない手法です。

売却のタイミング次第で損失を被ることがある

ドルコスト平均法を活用しても、最終的に損失となることもありえます。たとえば、売却の直前まで好調だったにも関わらず、売却時に価格が急落するケースです。

売却するまでの長期間にわたって価格が下落する場合も、利益は得られません。

ドルコスト平均法をより活用するためには?

ドルコスト平均法をより活用するためには?


ドルコスト平均法をより活用するために、押さえておきたいポイントについて解説します。

投資先を分散させよう

ドルコスト平均法で「時間分散」は実現できますが、「資産の分散」「地域の分散」なども大切です。たとえば、国内株式を投資対象とする投資信託、外国株式を投資対象とする投資信託、国内債券を投資対象とする投資信託、外国債券を投資対象とする投資信託など、投資先を分散させることも考えましょう。

自動積立機能を利用しよう

ドルコスト平均法は、価格が変動する金融商品を定期的に定額で購入して効果を発揮する手法です。購入を忘れてしまったり、誤った金額で購入したりすると、効果が減ってしまいます。

このようなミスを防ぐためには、証券会社の「自動積立機能(積立買付、積立注文)」を利用するのがおすすめです。購入する銘柄、積立金額、支払方法などの設定をしておけば、あとは自動的に積立が始まります。

ドルコスト平均法は初心者が投資を始めるのに最適な手法の一つ

話し合う夫婦


ドルコスト平均法は、投資におけるリスクを抑えるという点で効果的な手法の一つです。定期的に同額を購入し続けることによって、購入単価を平準化でき、高値掴みを避けられます。

価格が変動する金融商品に投資する以上、リスクはありますが、初心者にとっては多くのメリットが期待できるため、実践しやすい手法といえるでしょう。これから投資を始めようとしている人は、ドルコスト平均法を意識してみると良いかもしれません。

▼参考資料

  • 監修者
    福嶋 淳裕さん

    リタイアメントプランニングや老後資金形成などを得意分野として活動中の独立系FPです。証券アナリスト(CMA)・CFP・1級FP・1級DCプランナーの資格を持ち、企業年金基金や投資教育の実務経験もあります。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号