キャリアアップにつながる仕事の特徴とは?
転職をするとしたら、あなたが企業に求めるものは何でしょうか。
最近は、企業を選ぶ際に「給与があがるか」だけでなく、「今後のキャリアにつながるか」が重視されていると言われます。
その理由は、人生100年時代と言われる中で、仕事をする期間も長くなっているからです。終身雇用ではなくなり、雇用が流動化していく中で、長く第一線で仕事を続けていくためには「世の中で求められているキャリアに、どうやって身を置き続けるのか」という問題が大きくなっているのです。
この問題の答えは、「一つの企業に依存せず、市場で勝ち残れるスキルを磨く」ことではないでしょうか。目先の給料よりも、今後のキャリアにつながるかが大事なのです。
そこで、今回はキャリアアップを前提とした転職活動をする上で、押さえておきたいポイントについて解説していきます。
キャリアアップの目的とは
キャリアアップの目的を改めて明確にすると、「世の中で求められるスキルを身につけた貴重な人材になること」です。
社会から必要とされる人間であれば、長い社会人生活の中で職に困ることはないはずです。
ですからキャリアアップとは、貴重な人材に近づく経歴を、どうやって築くのかということになります。
このように自分のキャリアを俯瞰すると、今後のキャリア形成につながらない職場に長くいることは、もはや「時間の浪費につながる危険な時間」という考え方になるかもしれません。
シビアな考え方かもしれませんが、変化の激しい現代において、キャリアアップは生き残り戦略として大切なものです。無駄な時間を使っている場合ではありません。
世の中に必要とされるキャリアを築ければ、生涯年収を増やすことができます。また、スキルを身につける事で選択肢が広がれば、ストレスを減らして仕事と向き合えます。そして、仕事を通じた人格形成ができれば、それが生きがいにもつながっていくのです。
「私はこの会社でしか働けない」という追い詰められた環境は、収入や夢、成長の機会などすべてにおいて、自分に良い影響を与えません。
キャリアアップは、生き残り戦略であると同時に、人生を自由に楽しむための戦略でもあるのです。
キャリアアップにつながる仕事の特徴
では、キャリアアップにつながる仕事には、どのような特徴があるのでしょうか?
表層的に言えば、転職時に記入する履歴書において、見栄えがある経歴になるかということです。
採用者が注目するポイントは2つあります。それが、管理職スキルと業務スキルです。
管理職スキルとは
管理職スキルとは、従業員との関係の質を向上させ、モチベートして生産性を高めるマネジメントスキルです。どの業種においても企業の“要(かなめ)”となる人材です。
業務を拡大し、管理職を採用したいと考えている企業はどうするでしょうか。採用の場面では、管理職経験のある人を採用したいと考えます。他社から管理職経験のない人を、管理職として迎え入れることはまずありません。昇格させたい人材は社内にもいるのです。ですから、管理職として他社で成功した人を採用したいと考えるわけです。
更に、比較的名前の通った企業での管理職経験があるならば、自社の変革にも寄与してくれるだろうとも考えます。
また管理職経験を持っているということは、少なくとも他社で管理職試験や面接によって昇格したという第三者評価が担保されます。
最終的にどこかの企業の上位職に収まりたいと考えているならば、自分を成長させてくれる会社で、身を粉にして働き、そこで管理職に就けるよう頑張っておきましょう。
業務スキルとは
業務スキルとは、特定の分野での業務遂行能力です。
例えば、自社でWebマーケティングを始めたいと考えている企業であれば、当然この分野に長けた人を採用したいと考えるはずです。
この場合は、管理職に就いていなくても、第一線で活躍をしてきた実績が大きな評価につながることでしょう。
新しい会社でWebマーケティングのプロジェクトを任されることで実績を積み上げ、また別の会社で同じようなプロジェクトに声をかけてもらう。常に即戦力として重用されるのです。
キャリアアップにつながる仕事の探し方
企業は、転職サイトや転職コンサルタント、ハローワークなど、さまざまな媒体を通じて求人をかけています。ですから、求職者はWEBを活用すれば、かなりの求人情報を集められると思います。
長野県と新潟県と富山県で転職をお考えの方は以下の転職エージェントも参考にしてみてください。
長野県と新潟県と富山県の求人なら正社員の転職や派遣が探せるジョブズゴー
一方で、数ある求人の中から自分自身のスペックにあった、キャリアアップにつながる仕事を見つけるのは簡単なことではありません。
キャリアアップにつながる仕事に出会うためには、これからご紹介する3つのヒントをぜひ参考にしてみてください。
ヒント1.業界未経験でも挑戦が可能な仕事
業界未経験でも挑戦できる仕事は、「未経験者歓迎」という記載があります。それでいて、将来的に自分の目指すキャリアに近づける職種や業務がターゲットになります。
「未経験者でも応募できる」という、開かれた門戸である一方、仕事の対価としての金銭的な報酬は低くなってしまう傾向があります。
その仕事で、どこまで経験を積み、どこまで達成出来たら卒業となるのかを自分の中で描き、中途キャリアとして選ぶことが良いのではないでしょうか。
採用面談では、仕事に対する興味や姿勢をアピールすることが重要です。
実務経験が無くても採用するということは、その人の今後の将来性に期待しています。自ら成長できる、仕事へのモチベーションの高い人に来てもらいたいはずです。
その想いが伝わるように、関連する資格などについて自ら取得しておくようにしましょう。
ヒント2.創業や立ち上げに関する仕事
創業したばかりの会社や店舗に関する仕事は、想定外の様々な業務が発生します。必要な業務をすべて洗い上げて、適した人材が採用されているわけではないので、一人の人が様々な業務を担うことになります。
したがって、幅広い業務を経験できる魅力があります。それに、創業期はどの会社にも1回しかないわけですから、その貴重な場面に立ち会った経験は次の転職時にも貴重な人材として評価をされるのではないでしょうか。
ただ、企業風土や文化などのインフラが整備されていないため、働く上では安定感がないこともあります。また、創業してすぐに会社がつぶれてしまうこともありえます。そのように考えると、自分が本当にやりたい仕事なのか、経営者の理念に共感できるのかといった面で慎重に選ぶ必要も出てくるでしょう。
ヒント3.将来性が高いと感じる仕事
たとえば、今ならAI関連の企業やIT関連の企業は急成長している注目の業界です。
他にも、インフラや衣食住など人々の生活に欠かせない業種は成長がストップすることはない安定した仕事だといえるでしょう。
次に、具体的にキャリアアップにつながる4つの仕事と、その仕事をおすすめする理由について説明します。
キャリアアップにつながる職種1:コンサルティング職
コンサルティング職は、人気職種の一つです。
コンサルティングを行う人をコンサルタントといい、経営陣にアドバイスや支援を行います。アドバイスを行うために、情報収集から課題の細分化、改善策の提案、具体的な計画を立てて実行するまで、一貫して支援していきます。
コンサルティングの仕事が人気である理由は次の2点です。
自己成長でき、業務知識の幅が広がる
コンサルタントは、さまざまな業種や企業規模の異なる経営者と話す機会が多くあります。
経営者は、会社員と比較すると、大きな責任を担っているため、仕事へ向き合う姿勢も勉強になることが多いと言われます。
また、経営者のすぐ近くで、お金を生み出すしくみづくりを学べます。一企業の社員として働いていると、経営陣の考え方に触れる機会は少ないと思いますが、コンサルタントならば、経営者の意思決定を間近で見ることができます。
支援する企業を分析し研究することで仕事の幅も広がり、市場動向を見た上で、どのようなマーケティング施策を打つのかなど、経営に関する実践的な知識も身につきます。
将来、経営者になることも視野に入れて動ける
コンサルタントは、経営者が抱える課題に、解決策を出していくことになります。その後、提案した施策が、本当に課題を解決しているのか、非常にシビアな場面を体験できることになります。
テキストで学ぶ経営学と異なり、活きた教材で身につける知識やスキルは、経営の疑似体験と同じです。今後、自分が経営者になる未来も視野に入れた学びを得ることができるでしょう。そのため、コンサルティング業界で仕事をしていくというキャリアだけでなく、いずれは経営者になりたいという方にもおすすめできます。
キャリアアップにつながる職種2:士業職
士業職は、難易度の高い試験に合格し、実務経験を積むことでやっと一人前の仕事ができるようになります。
資格がなければできない仕事であるため、「手に職をつける」という言葉にぴったりです。希少性のある仕事は、高収入を目指せ、最終的には独立も可能になります。
士業職が人気である理由は次の2点です。
国の制度を円滑に進める重要な役割を担える
士業職の多くは、国の制度を円滑に進めるための役割を担っています。
非常に重要な仕事であるとともに資格がなければ業務を担えないため、給与水準も高く重要な仕事を任されます。
資格取得のハードルはかなり高いですが、資格を取得することが出来ればキャリアアップにつながることは間違いありません。
複数資格でパワーアップできる
最近は、資格を持ち実務経験があるだけでは仕事が難しくなったという話もあります。
複数の資格を取得することで、より希少性を高め、士業の中での更なる専門性を謳ってビジネスを構築していくことが求められています。
たとえば、税理士であれば中小企業診断士を合わせて取得し、事業承継に強い専門性を出せます。ファイナンシャルプランナーと社労士を組み合わせて、企業向けの講師活動をするという道もあります。
複数の資格を取得することによって、特色を出すことができるのです。
キャリアアップにつながる職種3:営業職
営業職は実力次第で高収入が目指せる仕事です。
AIやRPAの普及で事務職は効率化が求められ、削減方向にあります。そして、削減された人員は営業職にあてられる傾向があります。つまり、営業職の分野はまだまだ人が中心の業務なのです。
営業は、商品やサービスをお客さまに説明をすることだけが仕事だと思われがちです。しかし、好業績を生み出す営業は、お客さまの心をつかむ、非常に高いヒューマンスキルを持っています。
法人営業の際、決定権のある人を見抜いたり、利害関係者に事前に根回ししたり、お客さまの価値観や嗜好をリサーチして、お客さまに合ったセールストークを用意したりすることは、高いヒューマンスキルがないとできません。AIだけでは不可能なのです。
このように営業職はコミュニケーション力が磨かれていきます。キャリアアップの為に他業種に転職する上で、コミュニケーション力は、どの業種にも通じる必須能力ですので、その後のキャリア構築にも有利に働くと思われます。
また、営業職を極めれば、どの業界でも仕事ができます。たとえば、食品業界の営業職から、金融業界の営業職に転職することも不可能ではありません。
それは、営業の基本はコミュニケ―ションだからです。たとえ取り扱う商品が違ったとしても、根本的なスキルは同じになります。
営業職が人気である理由は次の点です。
営業職で磨かれる対人影響力は今後も廃れない
コロナ禍をきっかけとして、オンラインで商談が行われることが当たり前となった現在でも、取引をするのに直接相手の会社の担当者の顔を見なければ、安心できないという企業も多いでしょう。
「この営業から買いたい」という対人影響力が武器になる部分がまだまだあり、今後もなくならない仕事の一つだといえます。たとえある程度AIで効率化されたとしても、根幹部分は人が行うことに変わりはありません。
キャリアアップにつながる職種4:IT職
IT分野はどんどん進化していて、最も勢いのある業種の一つとなっています。
IT職にもさまざまな仕事があり、開発エンジニアやSE、プログラマーなどの職種が挙げられます。どの職種も専門的なスキルが必要であり、その技術があれば他の会社に転職しても通用するため、キャリアアップができる人気の仕事です。
ただし、最近はITの発展するスピードが早いため、それについていくのは非常に大変です。第一線で活躍し続けることが難しい業種でもあります。
したがって、変化についていくのが得意で、次から次に新しいことに挑戦したいという方に適した職種です。
IT職が人気である理由は次の点です。
AIを駆使する人が多くの仕事を獲得する
AIの進歩によって「IT職の仕事もいずれなくなるのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、その心配は今のところなさそうです。
未だAIで可能なことは業務の7割までで、最後のブラッシュアップや差別化などは人が行っています。例えばAIで目的にマッチする合成写真や絵を描くことはできても、そのイメージを指示するのは人です。
また複数のアイデアの候補はAIで出せますが、そこから最後の選択肢に絞り込み、周りの参加者の合意を取ってプロジェクトをゴールに近づけることができるのは人間なのです。
つまり、AIを駆使する人が多くの仕事を獲得する時代になると思われます。
AI技術はこれからも人々の生活に浸透していくことは間違いありません。キャリアアップしたい人は給与水準の高いIT職を目指してみてはいかがでしょうか。
キャリアアップに必要なこと
キャリアアップのゴールは「世の中で求められるスキルを身につけた貴重な人材」となることでした。つまり、今現在人気の仕事でも将来的には廃れていく業種もあり得るということです。
そのような先を見通す力を普段から高めていく必要があります。つまり、キャリアアップのための感受性を高めておくということです。それには次の2点を磨いておくことが大事です。
- 世の中のニーズをみつけだす先見性
- 企業に使い倒されないための強いマインド
世の中のニーズをみつけだす先見性
キャリアアップできる仕事だと思って仕事に就いたものの、実はその仕事は人が余っており、将来性も乏しかった。実際に仕事をしてみるとそんなことがあるかもしれません。このような事態は、できる限り避けたいものです。
仕事をイメージで捉えず、仕事に就く前から、その業界で仕事をしている人と交流を深め、専門誌等を使って興味深く観察しておきましょう。
キャリアアップしたいと思う希望の仕事が定まったら、業種・職種ともに将来性があるかをチェックし、その仕事に就くための努力を始めましょう。
企業に使い倒されないための強いマインド
今の会社で上の役職を手に入れることで、それが武器になるようであれば、馬車馬のように働くことも大切です。
それだけの価値がある企業、素晴らしい理念であるならば、心底向き合って仕事をしていくことは、十分なキャリア形成になるでしょう。
一方で、今の仕事が最終ゴールでないと感じたならば、会社をキャリアアップのためのツールと考え、自分のキャリアの糧にしていく気概を持ちましょう。
この考え方は既に欧米では一般的な考え方で、求職者は自分のキャリアポートフォリオをWEB上にアップし、企業側が自社のプロジェクトにマッチした人を探し当てる形に移行しています。
その一つの例がLinkedInの普及です。Fortune500にランキングされている企業の中で、LinkedInの利用率は92%であり、最も利用されているビジネスプラットフォームとなっています。
ちなみにFortune500とは、米国フォーチュン誌が年に1回発行するリストの1つで、全米上位500社がその総収入に基づきランキングされています。
まだ、正社員神話の根強い日本では、ここまで変化していくとは考えにくい状況ですが、リスキリングやリカレントといった言葉が広がる中で、自分のキャリアポートフォリオをしっかりと設定していく必要があります。
キャリアアップのためのアクションプラン
キャリアアップをするために実際の行動を起こすには、明確な目標を設定するとともに細かな行動計画を立てるのが良いでしょう。
その2つのポイントを網羅し、キャリアアップが実現できるようにさらに目標を具体化してみると行動を起こしやすくなるはずです。
ポイント1:キャリアアップするための目標設定の仕方
キャリアの最終目標を立てず、成り行きに任せた行動ばかりとっていると、結局自分が何を目指しているのかが分からなくなってしまいます。
将来的に達成したい最終目標を決定し、段階的に達成したい目標を立てていきましょう。ただ、あまりに目標が高すぎると挫折を繰り返し、継続できなくなってしまいます。
最終目標、段階的目標、いずれを立てる際には3つのことを意識しましょう。
- 計測できる達成目標か:例えばTOEICのスコアのように点数化できるか
- 達成可能な目標か:努力して超えられる目標になっているか
- 達成期限が明確か:「45歳で□□資格を取得」といったように具体化しているか
目標はクリアさせるために存在します。一つずつ目標を超えていく楽しさを積み重ね、無理なくキャリアアップしていきましょう。
ポイント2:キャリアアップするための行動計画の立て方
最終目標、段階的目標を立てたら、目標をクリアするための行動計画を立てます。行動を起こす時期や内容を具体的に記してみましょう。
まずは、週単位や月単位、年単位で計画を立ててみてください。年単位のところはざっくりした内容で構いません。達成が難しい場合や順調過ぎた場合は、目標の立て方に問題があるのか、想定外の仕事が入ってきたかのどちらかです。冷静にスケジュールの引き直しをしましょう。
自分一人では難しい場合は、信頼できる友人にサポートしてもらうのも良いと思います。
まとめ
これまでは、キャリアアップと聞くと意識の高い人が取り組むイメージが強かったかもしれません。
しかし、これからは違います。時代が大きく変化する中で、生き残り戦略として誰もが取り組むべきものとなりつつあります。また、より自分らしく、活き活きと仕事をするためにキャリアップする。そんな時代も来ています。
転職という道を選ばなかったとしても、これからは多くの企業で副業が解禁となっていくでしょう。一企業からの収入に頼らず、労働収益をパラレル化していく生き方も出てくるはずです。その際、今の仕事とは違ったスキルを持っていれば、収益を安定させられるかもしれません。
このような時代が訪れたときに即実践できるよう、今から準備していきましょう。
ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第 1010号