地方移住により支給される移住支援金と起業支援金とは?使うときの注意点もチェック
東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)から移住したり、地域の課題解決のために起業したりすると、「移住支援金」や「起業支援金」が支給される地域があることをご存じでしょうか?「地方に引っ越してゆとりのある生活がしたい」「地域をよりよくするために自分の経験を活かして起業したい」と本気で考えている方にとっては、スムーズに移住生活を始めるためにも、支援金のことはぜひ押さえておきたい情報と言えます。そこで今回は、地方移住によって支給される移住支援金、起業支援金について詳しく解説します。
地方移住により受給できる移住支援金と起業支援金
まずは、移住支援金と起業支援金の概要について見ていきましょう。
国は2019年より都市部からの地方移住を推進している
国は東京圏からの移住者を支援するための「地方創生移住支援事業」、地方で起業した人を支援するための「地方創生起業支援事業」を2019年にスタートさせました。地方創生移住支援事業によって支給されるのが「移住支援金」、地方創生起業支援事業によって支給されるのが「起業支援金」です。
移住支援金、起業支援金のどちらも、2024年までの6年間を期限として地方自治体との協力によって実施。地方自治体が主体となって実施している支援事業を国が支えるという仕組みです。
移住支援金、起業支援金の内容と対象者は?
・移住支援金
支援事業を行っている自治体に移住した場合、1世帯につき100万円支給され、18歳未満の世帯員がいる場合は一人につき最大100万円が加算されます。単身者の場合、支給額は60万円以内で都道府県が設定する金額となります。対象となるのは、東京23区に在住または通勤する人で、東京圏外に移住をする人です。
なお、支給対象となる移住先には東京圏内にある「条件不利地域」が含まれます。条件不利地域とは東京圏内にある郊外地域のことです(例:東京都の檜原村、奥多摩町、大島町など)
・起業支援金
対象となる地域で、新たにその地域の課題解決のために起業などをする場合に、必要な経費の2分の1相当、最大200万円までの助成を受けることができます。対象となるのは、次のア~ウの条件をすべて満たす人です。
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また、事業承継(現経営者の親族への引継ぎ)もしくは第二創業(経営者の入れ替わり時などに行われる新事業・新分野への進出)により起業する場合は、以下の条件を満たす必要があります。
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移住支援金、起業支援金はどうやって受け取る?
・移住支援金
対象となる地域に移住し、移住先の企業に就業、テレワークにより移住前の業務を継続、地域で社会的起業などを実施したのちに、移住先の自治体に申請を行います。自治体による審査が行われ、認められれば支給されます。
・起業支援金
自治体が公募を行うので、所定の期限内に執行団体に申請。審査を経て交付が決定されます。その後、法人設立・開業届を出します。事業の実績報告を経て、支援金が受給されます。
地方移住して移住支援金、企業支援金制度を使う際の注意点
では、移住支援金、企業支援金を利用する場合の注意点はあるのでしょうか。次で、2つのポイントについて解説します。
自治体独自で支給している移住支援金の有無・内容もチェック
国の移住支援金制度に加えて、自治体が独自に移住者を支援する制度を設けていることがあります。たとえば、群馬県桐生市の「きりゅう暮らし応援事業補助金」、鳥取県の「移住定住推進交付金」などです。これら自治体独自の移住支援制度は全国一律ではなく、自治体ごとに内容が異なるので注意しましょう。事前に比較検討を行っておくと、移住先を決めるうえで役立ちます。
移住支援金、起業支援金の対象外の地域があることに注意
移住支援金の制度は、東京圏外のすべての自治体で行われているわけではありません。移住を考えている自治体が実施しているかは事前に確認しておきましょう。地方創生移住支援事業を実施している自治体は内閣府地方創生推進事務局が運営するホームページで確認できます。
なお、起業支援金の対象地域は、東京圏以外の道府県もしくは東京圏内の条件不利地域となっています。
地方に移住するなら移住支援金、起業支援金の活用を
移住支援金、起業支援金ともに、条件を満たせば支給が認められます。「地方で暮らしたい」「地方活性化のために起業したい」と考えている方は、情報を集めて検討してみてはいかがでしょうか。
▼参考資料
- 移住支援金(内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生)
- 起業支援金(内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生)
ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第 1010号