【2023年】海外旅行の需要は回復?社会情勢や感染症不安で今後はどうなる
政府の感染症対策の緩和から、旅行や帰省など遠出を計画している方もいるのではないでしょうか。そんな状況下、気になるのが海外旅行の動向です。今回は海外旅行の現状について解説しつつ、需要の変化や今後の見通しなども解説していきます。
2021年までの海外旅行の需要は大幅に落ち込んだ
観光庁によると2020年の出国日本人(出国した日本人)の数は317.4万人、2021年は51.2万人となっており、2019年の2,008万人と比較すると大幅に減少しているのがわかります。
しかし新型コロナ感染症による制限の緩和などに伴い、2022年には277.1万人と徐々に海外旅行の需要が戻りつつあります。今後も海外への就航便の増加や、水際対策の緩和によって海外旅行者の数はさらにふえていくことが推測できるでしょう。
日本における出国制限の現状は?
海外旅行を検討している方が気になるのは、現在の出国制限の有無ではないでしょうか。
2023年4月28日、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の方針が以下の通り発表されました。4月29日以降、順次適用となります。
1.新型コロナウイルス感染症が「新型インフルエンザ等感染症」と認められなくなる旨公表されたことを踏まえ、4月29日午前0時以降、水際措置を以下のとおり変更します。 (1)全ての入国者に対して、「出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書」及び「ワクチンの接種証明書(3回)」のいずれも提出を求めません。 (2)中国(香港・マカオを除く)からの直行旅客便での入国者に対して臨時的な措置として現在実施している「サンプル検査」等を、他の国・地域からの入国者と同様の有症状者への入国時検査に変更します。 2.ただし、新型コロナウイルス感染症の有症状の入国者に対して現在実施している入国時検査及び新型コロナウイルス感染症陽性判明時における施設等での療養を5月8日午前0時まで継続し、5月8日午前0時に感染症ゲノムサーベイランスを開始します。 3.外務省の感染症危険情報については、外務省海外安全ホームページを御確認ください。 |
出典:今後の水際措置について(2023年4月29日以降順次適用)(外務省 海外安全ホームページ)
海外旅行の今後の見通しについて
JTBの「2023年の旅行動向見通し」によると、海外旅行者の総旅行人数・消費額については下記のように予測されています。
2022年推測値 | 2023年予測 | |
---|---|---|
総旅行人数(延べ人数) | 290万人 | 840万人 |
平均消費額 | 28万9,700円 | 29万4,900円 |
旅行総消費額 | 8,400億円 | 2兆4,800円 |
また、海外旅行者数・消費額がともに大きくふえていることから、日本における海外旅行の市場はさらに活性化すると言えるでしょう。
海外旅行の懸念点は円安や新型コロナウイルス感染症など
これからの海外旅行にあたって下記の3つが、多くの旅行者の海外旅行における懸念点と言えるのではないでしょうか。
- 円安・燃油高
- 新型コロナウイルス感染症
- 海外情勢
次で詳しく見ていきましょう。
円安・燃油高
円安や燃油高など、海外旅行を検討している方にとって辛い状況が続いていました。しかし、昨年2022年12月下旬から徐々に円高・ドル安が進んでいます。みずほ銀行の今後の予測では、2023年中旬にかけて、アメリカの景気悪化によってさらに円高・ドル安が進むと想定されています。
また燃油高に関しては、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)といった大手航空会社が、6~7月の燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)をさらに値下げすると発表しています。そのため航空券もさらに安価となり、海外旅行をしやすくなると考えられるでしょう。
新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症の流行に関しても、以前と比較すると落ち着き、感染症対策は緩和されつつあります。しかし世界各国の対策はさまざまで、不安を抱える人もいるでしょう。
外務省の海外安全情報のページから新型コロナウイルス感染症の流行情報を確認したり、WHOのホームページで世界各国のワクチン接種状況をチェックしてみましょう。
海外情勢
移りゆく海外情勢に不安を感じる方も多いでしょう。ウクライナ・ロシア間で続く戦争や、アメリカの2024年大統領選挙に向けた政界論争、また中国の第3次習近平政権の始動など、
戦時中の国はもちろん、海外旅行先の国や街の治安などに関する最新情報を事前にチェックしておくことが重要です。
海外旅行の需要は回復傾向!最新情報を入手して旅行の計画を
海外旅行の需要は2022年から徐々に回復傾向にあります。新型コロナウイルス感染症や円安、燃油高なども落ち着き、さらに海外旅行をする日本人は増加していくと考えられます。
しかし、状況は日々変化しています。外務省やWHOなどの情報機関から、正確な最新情報を把握して旅行の計画を立てることが大切です。
▼参考資料
- 令和4年版観光白書について(観光庁)
- 出国日本人数の推移(日本政府観光局/JNTO)
- 国際的な人の往来再開に向けた措置について(外務省)
- 2023年(1月~12月)の旅行動向見通し(株式会社JTB)