2歳児の人見知り&場所見知り いつまで続く?どうしたらいい?
子育てをしていると、成長の過程でさまざまな心配が浮上してくるものです。2歳前後の人見知りや場所見知りもそんな悩みの一つではないでしょうか? 「1歳から始まった人見知りが続いているけど、大丈夫?」「1歳の時は人見知りをしなかったのに、2歳になって急に人見知りをするようになった」「この前初めて行った場所では楽しそうに遊んでいたのに、今日行った公園で大泣きしたのはなぜ?」など、お子さまの人見知りや場所見知りに右往左往している保護者の方は多いと思います。2歳児は、プレ幼稚園や習いごとへの参加や3歳からの幼稚園通学について考え始める時期ですから、「この状態が続いたら…」と不安が膨らむこともあるでしょう。
そこで、今回は、2歳児が人見知りをする理由やその対応方法をご紹介。日頃行えることに加えて、実際に小学館の幼児教室『ドラキッズ』に通っている2歳のお子さまの人見知りへの接し方や、人見知りが激しい場合の対策についても紹介します。※記事内では、人見知り・場所見知りをまとめて人見知りと表記している箇所があります。
2歳児の人見知りの基礎情報
2歳になると、お話も上手になり、いろいろなことが理解できるようになって、お友だちとの時間もより一層充実してくるはず。それなのに、なぜ人見知りをするのでしょうか。
2歳児が人見知りをする時の様子や理由を知って、理解を深めていきましょう。
◆2歳児が人見知りをする時の様子
1歳児の人見知り・場所見知りについて解説した記事でも紹介していますが、「大泣きする」「動かず、固まる」「目をそらす」などが人見知りの典型的な行動です。
さらに2歳になると、お友だちと遊んだりする機会やプレ幼稚園、習いごとに参加することもあるかと思います。このようなシチュエーションで「友だちの輪に入れない」「行事に参加しない」お子さまも少なくありません。
保護者の方の背中にピタッとくっついて離れようとせず、遊びの輪に入らない状態に、「せっかく来たのに」「他の子は楽しんでいるのに」とイライラしたり、残念に思ってしまったりした経験を持つ保護者の方もいらっしゃるでしょう。
◆2歳児の人見知りの理由
・脳が発達している証拠
幼児期の人見知りや場所見知りは脳が発達している証拠とも言えます。2歳を過ぎると、認識力や記憶力がさらに育つため、例えば、安心できると思っていた場所に知らない人がいたりすると、今まで感じたことのないような違和感やストレスを抱えることに。それが、号泣や目をそらす、といった行動に出てくると考えられています。
・心を許せる相手か様子を見ている
慣れない人や知らない場所だから怖いと慎重に思う一方、「どんな人なんだろう?」「ここは安心して過ごせる場所かな?」と好奇心も旺盛になっています。お子さまが自分にとって、心を許せる人かどうか、安心できる場所であるかどうか、様子を見ているとも言われています。
・ママやパパと一緒にいたいという気持ちの強まり
また、この時期は新しい人や場所と出会う機会が増える一方、保護者の方と「一緒にいたい」、保護者の方を「独り占めしたい」と思う気持ちも強まる時期です。そのため、保護者の方にしがみついて離れない、他の人を寄せ付けない、といった行動として現れます。
人見知りへの対応方法
続いて、2歳児の人見知りに対して私たちができることを見ていきましょう。
◆過剰に反応しすぎない
子どもは保護者や周りの大人の気持ち・反応に敏感です。機嫌を直そうとかまい続けたり、目を覗き込んだりするのは逆効果。大人が人見知りを直そうとすればするほど、子どもはプレッシャーに感じてしまうことがあります。まずは保護者の方が平然と振る舞うようにしましょう。
◆人慣れ・場所慣れさせる
人見知りがひどいと、お出かけを憂鬱に感じてしまうかもしれませんが、「うちの子はゆっくり馴染んでいくタイプなんだな」と考えて、公園など家庭以外の場所で過ごすようにしましょう。
保護者の方が外出先で出会った人とコミュニケーションを取る様子や、その場で楽しそうに過ごすのを見ていると、お子さまも「ここは楽しいんだ」「この人は安心できる」と思うようになりますよ。
「同じお友だちとしか遊ばず、他の子が来ると嫌がる」などの悩みもあるかもしれませんが、他のお友だちとも遊べる日はそのうちやって来ます。「早く、大勢で」と考えず、「ゆっくり、ひとりと」関わることでコミュニケーション力を身に付けていくので見守りましょう。
◆マイペースを心がける
上記の心がけを取り入れても、お子さま自身の気持ちが「嫌だ」と拒否することもあるかもしれません。「ママと絵本を読んで過ごしたい」「おうちでひとりで遊びたい」などお子さま自身の希望がある場合や、2歳頃に始まる「イヤイヤ期」で、「外に行きたくない」「人と会いたくない」という気持ちになっている可能性もあります。
そんな時は、何よりもお子さまの気持ちを優先しましょう。「自分の気持ちをわかってくれている」と心が満たされると、人見知りをしても、いずれ外の世界に興味を持つようになります。お子さま自身のペースで人や場所に慣れていくと考えてください。
◆幼児教室に参加する
講師やスタッフが「人見知りのお子さまへの接し方」を心得ている幼児教室に参加するのもおすすめです。ここでは、幼児教室での人見知りのお子さまへの関わり方を紹介します。
・人見知りを自己主張の一つとして考える
講師の指導のもとで、同じ年の子ども同士で触れ合う小学館の幼児教室『ドラキッズ』の2歳児クラスには、これまでもたくさんのお子さまが参加してきました。教室では、お子さま一人ひとりの個性を捉えることを心がけており、人見知りについても自己主張のひとつと考えています。人見知りのお子さまのペースを大事にして、『教室・講師・友だち』に慣れるまで気長に待つことにしています。
・自信が持てるような声かけをする
もちろん、ただ待つだけではなく、お子さまに「自分のことをわかってくれる人」として安心してもらえるような声かけも。例えば、着ているお洋服や通学バッグのアクセサリーから好きなことを見つけ、「○○好きなの?」「先生も好きだよ!」と話しかけるなど、さりげなく心を開くきっかけを作るようにしています。また、頑張った時にはたくさん褒めて、お子さま自身が自信を持てるようにしています。
◆人見知りが激しい場合の対策
ママやパパ以外の人を嫌がるだけでなく、大泣きしたり、逃げ出したり、まったく笑わず固まってしまったり……。お子さまの激しい人見知りに悩まれている保護者の方は少なくありません。人見知りが激しいお子さまは、人一倍慎重であったり、他人に緊張感を覚えやすかったりする傾向があるようです。ここで重要なことは、お子さまの不快な感情を決して無視しないこと。無理に輪に入れようとするのではなく、まずは保護者の方も同じ空間に入り、相手と笑顔で接している様子を見せながら安心感を与えましょう。お子さまの警戒心をゆっくりと解いてあげるイメージで、少しずつお子さまを混ぜていくと、お子さまの気持ちもゆるんでいくでしょう。
幼稚園入園や習いごとも考え始める2歳での人見知り。保護者としては悩ましいものですが、自我が出てきた証拠です。「大泣きする」「目を見ない」「友だちの輪に入れない」などの行動を起こしても、「成長している過程」だと前向きに考えましょう。
人や場所に慣れるために外出するのも、人見知り・場所見知り克服方法のひとつですが、親子ともに頑張りすぎないようにしましょう。お子さま自身のペースがありますから、心配やプレッシャーをかけすぎず、お子さまの存在そのものを受け止めてあげることが大切です。そうすれば、少しずつ、他の人や新しい場所に気持ちを開くようになっていくことでしょう。