先進医療の費用や治療種類をランキング!保険で備える必要性を検証!

「もし自分が大きな病気にかかってしまったら…」そんなことを考えるのは、まだまだ先の事だと思っていませんか?
20代から40代のうちは、健康に自信がある人も多いでしょう。しかし、若くても大病を患うことはあります。そして、現代の医療現場では、がんや難病の治療に「先進医療」が必要になるケースもあります。先進医療にかかる費用は高額になり、自己負担が発生する場合も少なくありません。
そこでこの記事では、特に若い世代が知っておきたい先進医療の実態を解説します。治療の種類や費用をランキング形式でご紹介しながら、医療保険やその特約を活用した備え方についてもわかりやすく説明します。「まだ大丈夫!」と思っている今だからこそ、将来の安心を確保するための第一歩を踏み出してみませんか?
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先進医療とは?基本情報と概要を学ぶ
患者にとって先進医療は、治療の可能性を広げる重要な治療方法です。まずは先進医療の概要についてみていきましょう。
先進医療とは
「先進医療」とは、厚生労働省が認定した最新の医療技術を用いた治療のことを指します。この治療は、現在のところ公的医療保険の対象外であり、かかった治療費はほとんどの場合全額自己負担となります。
しかし、効果や安全性が十分に確認されれば、将来的に保険適用が検討される可能性があります。そのため、先進医療は「医療の進歩を支える重要な治療」と位置づけられているのです。
たとえば、がん治療で注目されている「重粒子線治療」や「陽子線治療」は先進医療に含まれています。これらは、従来の放射線治療では難しい部分への治療効果が期待されていて、多くの患者が関心を寄せています。また、特定の疾患に対する最先端の手術法や、新しい医療機器を用いた治療も先進医療に該当します。
先進医療を受けるには、治療内容や費用について医師から十分な説明を受け、納得したうえで同意書に署名する必要があります。また、先進医療は特定の医療機関でのみ実施されているので、希望する場合は事前にどの病院で受けられるかを確認することが重要です。
主な治療種類と対象疾患
現在実施中の先進医療は、毎年専門家により効果が検証されて、有効性が認められれば公的保険制度の適用となります。逆に有効性が確認できなければ先進医療から削除されることもあります。
医療の世界は日進月歩です。新たに先進医療として承認される技術もあるため、先進医療として登録されている技術は随時、変動していることになります。なお、現在(令和6年11月1日)、厚生労働省が認定している先進医療は76種類となっています。ここでは、代表的なものをいくつかご紹介します。
- 重粒子線治療
がん細胞をピンポイントで破壊する治療法で、体への負担が少ないのが特徴です。治療費は数百万円に上ることもあります。 - 陽子線治療
重粒子線治療と同様にがん治療で使用される治療法で、副作用が少なく、高齢者にも適用可能な場合が多いことが特徴です。 - 血管内治療
重粒子線治療と同様にがん治療で使用される治療法で、副作用が少なく、高齢者にも適用可能な場合が多いことが特徴です。
先進医療の費用等ランキング
先進医療を受けた場合、治療費が原則全額自己負担になることは先に述べた通りです。では、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
厚生労働省・先進医療会議における「令和5年度実績報告」(2022年7月1日から2023年6月30日の間の実績)から、「年間実施件数の多い先進医療」「1件あたりの自己負担金が高額な先進医療」「平均入院期間の長さ」順にランキング形式でみていきましょう。
年間実施件数の多い先進医療ランキング
第1位:タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養
第2位:子宮内膜刺激術
第3位:強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術
第4位:ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術
第5位:子宮内細菌叢検査1
第6位:子宮内膜受容能検査1
第7位:子宮内細菌叢検査2
第8位:二段階胚移植術
第9位:子宮内膜擦過術
第10位:子宮内膜受容能検査2
年間実施件数の多い先進医療ランキングの第1位は「タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養」です。適応症は卵管性不妊や男性不妊などの不妊症で、通常の不妊治療では効果がない場合に利用されます。
1件あたりの自己負担金が高額な先進医療ランキング
第1位:周術期デュルバルマブ静脈内投与療法
第2位:自己軟骨細胞シートによる軟骨再生治療
第3位:重粒子線治療 非小細胞肺がん
第4位:重粒子線治療
第5位:イマチニブ経口投与及びペムブロリズマブ静脈内投与の併⽤療法
第6位:陽子線治療
第7位:自己骨髄由来培養間葉系細胞移植による完全自家血管新生療法
第8位:シスプラチン静脈内投与及び強度変調陽子線治療の併用療法
第9位:陽子線治療 根治切除が可能な肝細胞がん
第10位:ネシツムマブ静脈内投与療法
1件当たりの自己負担金が高額な先進医療ランキングの第1位は「周術期デュルバルマブ静脈内投与療法」です。肺尖部胸壁浸潤がんの手術に利用される治療です。
平均入院期間の長い先進医療ランキング
第1位:TRPV2阻害薬経口投与療法
第2位:多項目迅速ウイルスPCR法によるウイルス感染症の早期診断
第3位:抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査
第4位:シクロホスファミド静脈内投与及び自家末梢血幹細胞移植術の併用療法
第5位:シスプラチン静脈内投与及び強度変調陽子線治療の併用療法
第6位:自家膵島移植術
第7位:全身性エリテマトーデスに対する初回副腎皮質ホルモン治療におけるクロピドグレル硫酸塩、
ピタバスタチンカルシウム及びトコフェロール酢酸エステル併用投与の大腿骨頭壊死発症抑制療法
第8位:自己軟骨細胞シートによる軟骨再生治療
第9位:遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤静脈内投与療法
第10位:血中TARC濃度の迅速測定
平均入院期間の長い先進医療ランキングの第1位は「TRPV2阻害薬経口投与療法」です。筋ジストロフィー患者における心不全を適応症として利用される治療です。
医療保険で備える!先進医療特約の重要性
最も多く実施されている先進医療(タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養)の場合、1件あたりの自己負担金額は3万9,745円となっています。一方で、1件当たりの自己負担金が最も高額な先進医療(周術期デュルバルマブ静脈内投与療法)の場合は、930万9,778円となっています。
同じ先進医療でも、治療内容によって自己負担額には大きな差があるのです。自己負担額が数万円であれば、そこまで心配せずに治療を受けられるかもしれませんが、自己負担額が数百万円かかるとなると大変不安になるのではないでしょうか。場合によっては、その治療を諦めるという選択をとらざるをえないこともあるでしょう。
そこでこのような不安を少しでも和らげることができるのが、民間の医療保険に付加する「先進医療特約」です。この先進医療特約を活用すると、厚生労働省が定めた先進医療を、厚生労働省へ届け出た病院で受けた場合、その技術料相当額の給付金を受け取ることができます。
ただし多くの場合、受け取れる上限額が通算で500万円~2,000万円となっているので、上限額を確認してから加入するようにしましょう。
また、対象となる先進医療は、厚生労働省によって適宜変更されます。そして治療時に先進医療に該当していないと給付金を受け取ることができません。
民間の医療保険に付加できる「先進医療特約」の保険料は、被保険者の年齢や健康状態によって異なりますが、一般的には月額100円から200円程度です。 比較的保険料が安いため、気になる方は検討をしてみましょう。
先進医療特約は検討の余地あり!
今回は先進医療の定義や概要について解説しました。
先進医療にかかる自己負担額をランキングしてみると、1件当たりの自己負担額が最も高額な先進医療で約931万円という結果でした。また、金額は小さくても入院日数が長引けば、それだけ入院費用がかかるため、入院日数が100日を超える治療においては、やはり自己負担額は大きくなると考えられます。さらに、通常の治療費や、日常生活費がかかり、仕事を休職した場合は収入減となってしまいます。
重い病気に罹患してしまった場合、自己負担額が増えても、効果の高い治療であれば受けてみたいという人も多いのではないでしょうか。
このような場面で、受けたい治療を、費用を気にせずに選択できる様にしておくには、先進医療特約は検討する価値があるものです。
ソナミラでは様々な保険商品を取り扱っています。そして、その保障内容や特約の必要性について十分な理解のもとにご提案しています。どのような保障が必要なのかについて悩んだ際は、ぜひソナミラのコンシェルジュにお尋ねください。FP相談はオンラインでも対面でも、何度でも無料で行っています。無料のFP相談予約をぜひご活用ください。
▼参考
先進医療の概要
出典:厚生労働省「先進医療の概要について」
先進医療の各技術の概要
出典:厚生労働省「先進医療の各技術の概要」