「スマホ老眼」に要注意！20代30代で老眼になる人の特徴とは？
現代社会では、スマホやパソコンの普及により、目の疲れや視力低下に悩む人が増えています。特に、20代や30代の若い世代でも「スマホ老眼」と呼ばれる現象が問題視されています。
老眼は一般的に中高年に見られるものではありますが、近年ではデジタルデバイスの使用が多い若い世代にも影響を与えているのです。
そこでこの記事では、スマホ老眼の特徴や原因、そしてその予防策について詳しく解説していきます。目の健康を守るために、若い人でも、今から注意を払うことが重要です。
スマホ老眼とは？
スマホ老眼とは、主にスマホやタブレットなどのデジタルデバイスの過剰使用によって引き起こされる視力の低下や目の疲労を指します。
もともと老眼は加齢による自然な現象です。発症年齢には個人差がありますが、おおむね40代になってから発症するケースが大半だと言われます。しかし、スマホ老眼は比較的若い世代、特に20代や30代に多く見られることが特徴です。
この症状は、長時間近くの画面を見続けることで、目の調整機能が疲弊し、視力に影響を与えることで引き起こされます。一般的には次のような症状が出てくるとされています。これらの症状に思い当たる節がある場合は、スマホ老眼を発症している可能性があります。
症状1. 視力の低下
近くの文字や画像がぼやけて見えることが多く、特にスマホ画面を見るときに症状が顕著になります。
症状2. 目の疲れ（疲れ目）
長時間、画面を凝視することにより、目の筋肉が疲労し、違和感や重さを感じることがあります。
症状3. 頭痛
目の疲れから頭痛を訴える人も多く、特に目を酷使した後に発症することが多いとされています。
症状4. 目の乾燥感
スマホ使用中にまばたきの回数が減少し、目が乾燥することがあります。
症状5. 焦点の調整機能の低下
近くと遠くの物に焦点を合わせるのが難しくなり、視界がぼやけることがあります。
症状6. 光に対する敏感さ
明るい画面や直射日光に対して目が過敏になり、眩しさを感じることがあります。
20代・30代におけるスマホ老眼の実態 
20代や30代で老眼のような症状が引き起こされるスマホ老眼。近年ではスマホ内斜視という症状もあり、スマホによる影響は広がるばかりです。特に20代、30代で影響が出るのは、どのような背景があるのでしょうか？
若者の情報ソースはテレビからスマホに変わった？
令和6年6月総務省情報通信政策研究所「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、ネットの利用時間が長い世代は平日・休日ともに10代～30代です。40代はネット利用とテレビ利用が拮抗し、50代や60代はテレビ利用が多くなります。
ネットはパソコンからも利用できますが、一般的に、スマホから利用するケースが多いことは知られています。そのため、若い世代ほど、スマホ画面を長時間凝視する時間が多いことになります。このような環境で、昼夜問わず近距離で小さい画面を見ることがスマホ老眼につながっています。
スマホ内斜視も急増？
さらに、スマホ内斜視も増えているとの報告があります。
日本弱視者学会が行っている「若年者の後天性内斜視とデジタルデバイスの関連に関する多施設共同研究」では、内斜視の発症についての調査が行われています。若い人たちに内斜視の発症が増加しているという報告が出ており、原因として、スマホなどのデジタルデバイスを過剰に使っている可能性が指摘されています。
「斜視」とは、通常、両目とも同じ場所を向くはずの視線が、右と左で異なる場所を向いてしまう病気のことです。
以前は子どもが罹患する可能性の高い病気でしたが、近年「スマホ内斜視」と呼ばれるような、スマホやタブレットの過度な使用により発症する大人が増えているのです。
スマホ老眼の原因
スマホ老眼は、スマホの画面を近い距離で長く見続けることが原因です。目の筋肉を調節する力が弱まり、“もの”が見えにくくなってしまうという症状が発生します。
人の目には、水晶体とよばれるレンズのような組織があり、光を屈折させて“もの”を認識する役割があります。通常、この水晶体は薄いレンズのような形をしています。しかし近くの“もの”を見る際は毛様体筋という筋肉で引っ張ってレンズを厚くし、光の屈折でピント調整しています。スマホ画面を長時間凝視すると、毛様体筋が水晶体を引っ張り続けることになり、凝り固まった状態になるのです。
凝り固まった状態では、毛様体筋がうまく動かずに、ピント調整機能が損なわれてしまいます。そのため毛様体筋の調整ができず、スマホ画面から顔を上げて遠くを見てもピントが合わなくなったり、また今度はスマホの画面がぼやけて見えにくくなったりします。
スマホ老眼かどうかをチェックする方法
スマホを頻繁に利用する人で、次のような症状がある場合はスマホ老眼の可能性が考えられます。一度専門医に相談してみると安心でしょう。
● スマホの小さな文字が見えづらい
● スマホ画面を見た後に、顔を上げて遠くを見ると景色がぼやけて見えにくくなる
● 目の疲労感や違和感がある
● 夕方になると物の見え方が悪くなる
スマホ老眼の対策と予防法
スマホ老眼の怖いところは、少し見えづらいだけだと思って放置すると、ピントが合わない状態で目を酷使することになり、眼精疲労や首の痛みなどの症状につながることです。
スマホ利用中にできるだけ休憩を取ったり、意識的に「まばたき」を増やしたりすることである程度予防していくことができるので、日ごろの心がけが大事です。
しかし、動画や記事を読むことに没頭すると、これらを意識することが難しくなってしまいます。そこで、スマホの設定を変えることで予防できる対策を実践することがお勧めです。いくつかご紹介していきます。
対策1. スマホの文字サイズを大きくする
上述した通り、スマホ画面が常に目の近くにあると、ピントを近くに合わせようとして毛様体筋が水晶体を引っ張った状態が続きます。スマホ老眼を予防するには、この毛様体筋が緊張状態になるのを避けることが大切です。
また、小さな画面を20センチ程度の近さで見続けると、両目は内側に寄った状態にもなり、斜視の原因を作るとも考えられています。スマホと目の距離が30cm以内になっている人はスマホを目から遠ざける努力だけでなく、文字サイズを少し大きめに調整してみましょう。
対策2. スマホ画面を明るくし過ぎない
スマホを見る際、明るすぎる画面は眼に過度な負担をかけます。特に暗い場所で明るすぎるスマホ画面を見ると、目に負担をかけることになります。そのため、屋内・屋外問わず明るさに応じた画面の照度を調節できる自動調節機能を設定しておきましょう。
対策3. ダークモードを利用する
ダークモード（暗い背景に明るい文字）は、明るい画面で黒い文字を見ることと比較すると目に優しいとされています。
特に暗い場所で利用する場合では、ダークモードを利用することで目の負担を減らすことができます。スマホの設定でダークモードを選択し、目を保護しましょう。
対策4. ブルーライトをカットするフィルムやコーティングを活用する
スマホから発せられるブルーライトは、さまざまな悪影響を及ぼすとされています。ブルーライトは、自然光に似た波長を持っており、脳を覚醒させる作用があるため、夜間に浴びると眠気を誘うメラトニンの分泌が抑制され、入眠が遅れやすくなります。その結果、寝る前に長時間スマホを利用してしまうことに繋がります。
「寝る前にスマホを使わない！」と考えることは簡単ですが、実際はSNSで受信したメッセージには返信をしてしまいますし、そのときに目に飛び込んだニュースがあればついつい閲覧してしまったりもします。
そこで、ブルーライトカットするフィルムや、コーティングを行うことで少しでもブルーライトから目を守る努力をしていきましょう。
スマホ老眼を防止するために
20代や30代でも、老眼と同じような症状となってしまうスマホ老眼に警鐘が鳴らされています。このような原因を作っているのは、ネット社会による環境変化が一番大きく、今後もこの傾向は変わらずに続いていくことでしょう。
自分の目を守るためには、自覚と意識が大切です。自覚ができれば、意識してスマホの利用時間を制限するなどの自制ができます。
一方で自制だけに頼るのは難しい時代でもあります。ですから、スマホの設定などを変更することで、自動的に目を守る仕組みを考えていきましょう。
また、これまでになかった疾患が若い世代に起こっていることを考えると、今後これらに関連した病気に悩まされることも増えてくるかもしれません。
そこで目の健康を守るために、医療保険も併せて検討することをお勧めします。スマホ老眼を予防しつつ、万一の目の病気に備えるために、ぜひこの機会に保険プランを見直してみてはいかがでしょうか。
ソナミラでは、コンシェルジュが皆さまのご要望を伺って最適な保険商品をご提案しています。医療保険にも様々な種類があるので一度相談してみることをお勧めします。
相談だけであれば何度でも無料ですので、ぜひ活用してみてください。
▼参考
若者の情報ソース
出典：総務省情報通信政策研究所「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査（令和6年6月）」
スマホ内斜視
出典：日本弱視者学会「若年者の後天性内斜視とデジタルデバイスの関連に関する多施設共同研究」
