子なし夫婦は生命保険に加入したほうが良い?状況別の必要性
「子どもがいないなら、生命保険は後回しでもいいのでは?」と思う夫婦は多いことでしょう。しかし、実際には老後の生活や、万が一のときにパートナーをどう支えるかという、子なし夫婦ならではのリスクに備えるために生命保険は重要な役割を果たします。
本記事では、子どもがいない夫婦にとっての生命保険の必要性や、どのような保険に加入すべきかを分かりやすく解説します。生命保険の加入を検討している人はぜひ参考にしてください。
子なし夫婦に生命保険は必要?
夫婦に子どもがいない場合、生命保険の必要性は夫婦の働き方によって異なります。どちらか一方が中心となって家計を支えているケースでは、万が一に備えて生命保険に加入しておく必要性は高いでしょう。
共働きの場合
共働きの夫婦においては、どちらもフルタイムで働いている場合と、どちらか一方がパートやアルバイトで働いている場合で、生命保険の必要性は異なります。それぞれのケースに応じた適切な保険の選び方を考えることが重要です。
夫婦ともにフルタイムの場合
夫婦が共にフルタイムで働いているのであれば、生命保険に入る必要性はそれほど高くありません。というのも、片方の収入だけでも生活が成り立つケースが多いからです。
たとえば、夫婦の月収がそれぞれ30万円で、夫婦合わせた生活費が30万円の場合、どちらか一方に万が一のことがあっても、残ったほうの収入で生活を維持できる可能性は高いと考えられます。この場合、医療保障や最低限の葬儀費用をカバーする程度の死亡保障を備えておけば、十分と言えるでしょう。
ただし、両方の収入ありきで生活が成り立っていて、夫婦のどちらかが働けなくなってしまうと、生活が苦しくなってしまうリスクがあります。その場合は、夫婦ともに遺族の生活費をカバーできるだけの死亡保障に加入し、どちらかに万が一のことがあった場合に備えておいたほうが良いでしょう。
夫婦どちらかがパートやアルバイトの場合
共働きでも、どちらかがパートやアルバイトで働いている場合は、家計の中心を担う人が生命保険に加入しておいたほうが良いでしょう。この場合、主な収入源が途絶えると、家計が立ち行かなくなる可能性があるからです。
たとえば夫が月収20万円、妻が月収10万円で、夫婦合わせた生活費が20万円の家庭では、夫が働けなくなった場合に経済的に大きなダメージを受けるでしょう。したがって、家計を支える人が万が一の事態に備え、遺族が生活を続けられるようにするための生命保険に加入しておく必要があります。
また、夫婦両方に収入があることを前提に生活が成り立っている場合は、夫婦それぞれが生命保険に加入しておいたほうが良いでしょう。
片働きの場合
夫婦のうち、どちらか一方のみが働いている場合、働いている側が生命保険に優先的に加入したほうがよいでしょう。働き手に万が一のことが起こると、収入が途絶えてしまい、生活が困難になるリスクが高いからです。
しかし、専業主婦(夫)だからといって、生命保険に加入しなくてよいというわけではありません。専業主婦(夫)が担っていた家事を補うために、配偶者が働き方を変えなければならなくなり、その結果収入が減少する可能性があるからです。
子なし夫婦が加入するべき生命保険は?
子どもがいない夫婦が優先的に加入すべき生命保険について、詳しく解説します。
医療保険
医療保険は病気やケガの治療費をカバーする保険です。入院給付金や手術給付金などが支払われるため、治療費はもちろん収入の減少をカバーすることもできます。
子どもがいない夫婦で貯蓄が少なければ、医療費が家計を圧迫し、生活が苦しくなる可能性があります。年齢を重ねるとがんや生活習慣病の発症リスクが高くなり、希望する保険に加入できなくなるケースもあるので、なるべく若いうちに加入を検討しておきましょう。
介護保険
40歳以上の人は、市区町村などが運営する「公的介護保険」への加入が義務付けられています。公的介護保険は、要介護認定を受けた場合に、その度合いに応じて必要なサービスを受けられるもので、所得に応じて1〜3割の自己負担が必要です。子どものいない夫婦は、病気やケガで介護が必要になっても子どもに頼ることはできないので、介護サービスを利用する機会が多くなることが考えられます。その結果、経済的な負担が重くなる可能性があります。その際に役立つのが民間の介護保険です。
民間の介護保険では、保険会社が定める要介護状態になった際に、一時金や年金として給付金を受け取ることができます。給付金は現金で受け取れるので、公的介護保険の自己負担分を補うだけでなく、65歳未満で介護が必要となり、働けなくなった場合の収入減少や、住宅改修費用などに備えることも可能です。
死亡保険
子どものいない夫婦は、葬儀代や残された配偶者の生活を守るために死亡保険に加入しておくとよいでしょう。死亡保険には一生涯保障される「終身保険」と、一定期間のみ保障される「定期保険」の2種類があります。
葬儀代に備える場合は、いつ万が一のことがあっても死亡保険金を受け取れる終身保険を選んだほうがよいでしょう。一方、残された配偶者の生活保障を目的とする場合は、保険期間を限定できる定期保険が適しています。たとえば「配偶者が年金を受け取り始める65歳まで」といったように期間を設定することで、割安な保険料で必要な保障を得ることが可能です。
子なし夫婦2人の保険料の平均は?
子どものいない夫婦はどのくらいの生命保険に加入しているのでしょうか。生命保険文化センターの調査によると、夫婦のみの世帯では年齢によって払込保険料の平均額に差が見られます。
40歳未満の「夫婦のみ世帯」の場合、年間払込保険料の平均は21.0万円で、月額に換算すると約1.8万円です。この金額は、全世帯の年間払込保険料の平均である37.1万円を大きく下回っています。
一方、40歳から59歳の「夫婦のみ世帯」では、年間払込保険料の平均が37.4万円で、月に約3.1万円を負担しています。
年齢を重ねるとともに病気やケガ、死亡のリスクは高まっていくため、年代に応じて保険の必要性を考えることが重要です。
【出典】
公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」資料P220
夫婦の生命保険の加入に関するよくある質問
夫婦で生命保険の加入を検討する際によくある質問をまとめました。疑問や不安がある場合は、ここで解消しておきましょう。
夫が生命保険に加入していないリスクは?
夫が家計の中心を担っている世帯において、夫が生命保険に加入していない状態で夫が亡くなると、家計の主な収入源が失われ、生活が立ち行かなくなるリスクがあります。また、病気やケガで働けなくなったときも同様で、収入が減少し高額な治療費が家計を圧迫するリスクがあります。
会社員であれば、配偶者が遺族厚生年金や傷病手当金を受け取れる場合もあるので、なんとか家計をやりくりできるかもしれません。しかし、自営業者の場合はこれらの公的な保障がないため、何も準備をしていなければ生活に困窮する可能性があります。
共働きの場合は生命保険に加入しなくても良い?
共働きの場合、夫婦それぞれの収入や家計の状況によって、生命保険の必要性は変わります。どちらか一方の収入だけでも生活が成り立ち、さらに貯蓄にもゆとりがある場合、手厚い生命保険を契約する必要性は低いかもしれません。
しかし、夫婦どちらかの収入が減少した際に生活が苦しくなる場合は、万が一のリスクに備えて生命保険に加入しておいたほうが安心でしょう。
専業主婦(夫)は生命保険に加入したほうが良い?
専業主婦(夫)は収入がないため、生命保険に加入する必要は低いように感じるかもしれません。しかし、専業主婦(夫)に万が一のことがあった場合、残された配偶者が一人で家事や生活を維持しなければならず、精神的・肉体的な負担が大きくなります。
その結果、これまで通りの働き方ができず収入が減ってしまったり、家事代行サービスを利用するための費用がかかったりするかもしれません。また、病気やケガで入院した場合には治療費がかさみ、家計が圧迫される可能性もあります。
貯蓄が少ない世帯では、予期せぬ事態に備えるためにも、専業主婦(夫)も最低限の生命保険に加入しておいたほうが良いでしょう。
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将来を守るために子なしの夫婦も生命保険を検討してみよう
子どもがいない夫婦にとって、生命保険が必要かどうかは、夫婦それぞれの働き方や収入、そして貯蓄の状況によって変わってきます。もしどちらか一方に万が一のことがあったときに、残されたパートナーが経済的に困ってしまうかもしれないと感じるなら、生命保険を活用して将来に備えるべきです。将来を具体的にイメージしながら、必要な保険をじっくりと検討してみましょう。
自分たちに本当に生命保険が必要なのか、どの保険がいいのか悩んでしまったときには、保険のプロに相談することをおすすめします。ソナミラでは、さまざまな保険会社の商品を取り扱っており、店舗やオンラインで無料の保険相談ができます。保険のことだけではなく、ちょっとしたお金の悩みも相談できますので、将来の備えについて考えている方は、お気軽にご相談ください。
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