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資産運用でありがちな失敗とは?特徴と失敗しないためのポイント

目次

資産運用に興味はあるけれど、「失敗するのが怖い」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。投資はリスクを伴うものなので、そう思うのも無理はありません。

実際に金融庁が2024年7月に発表した「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」によると、投資を検討している人の約3分の1が「損することに不安を感じる」と回答し、これが投資を始めない理由の一つとされています。

資産運用を成功させるためには、まず堅実な計画を立て、長期的な視点をもつことが重要です。また、リスクを正確に理解し、それを最小限に抑える方法も学んでおきましょう。

本記事では、資産運用の初心者が陥りがちな失敗例や、それを未然に防ぐための具体的な方法を紹介します。自信を持って資産運用を始めたい方は、ぜひ参考にしてください。

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資産運用におけるよくある失敗とは?

資料を見ながら考える女性ここでは、資産運用をする際に陥りがちな失敗例をいくつかご紹介します。同じような状況に遭遇した際に、冷静に判断できるよう、事前に理解しておきましょう。

勧められた商品を安易に購入した

金融機関の窓口や、投資経験のある友人・知人から勧められた金融商品を、深く考えずに購入してしまうケースは少なくありません。しかし、これはリスクが高い行為と言えます。たとえ相手が善意で勧めてくれていたとしても、その商品があなたの資産運用の目的や、リスク許容度(どのくらいの損失までなら受け入れられるのかを表す度合い)に合っているとは限らないためです。

たとえば本来、低リスクの投資で資産を守ることを重視している人が、暗号資産のような値動きの激しいハイリスク・ハイリターンの商品を勧められて購入した場合、自分の許容範囲を超える損失を招く可能性があります。

口コミや他人の意見を参考にすること自体は問題ありませんが、そのまま鵜呑みにせず、自分自身で商品の詳細やメリット、デメリットをよく理解したうえで、金融商品を購入することが大切です。

一つの金融商品を集中して購入した

特定の金融商品だけに運用資金の大半を投資してしまうのも、よくある失敗パターンの一つです。

一つの金融商品に集中投資すると、確かに短期間で大きな利益を得られる可能性もありますが、その分損失が大きくなる可能性もあります。たとえば、1社の株だけに投資している場合、投資した企業が業績不振に陥ると大きな損失につながることもあるでしょう。その企業が上場廃止になれば、投資した資金がゼロになることもあり得ます。

このようなリスクを避けるためには、投資先を分散させることが重要です。たとえば、1社ではなく複数の企業の株を購入したり、株式以外にも異なる値動きをする債券やその他の資産にも投資したりすることで、リスクを抑えながら安定した運用を目指すことができます。

短期的な相場変動に振り回された

毎日のように経済ニュースをチェックして、値動きに一喜一憂しながら、短期的な売買を繰り返してしまうのも、投資初心者にありがちな失敗です。

短期的な値動きを予測することは、プロの投資家でも容易ではありません。感情に流されて売買を繰り返すと、手数料がかさむだけでなく、タイミングを誤ってしまい、結果的に損失を拡大させてしまう可能性もあります。

相場の一時的な動きに惑わされて焦って売却した直後に価格が上昇したり、逆に買った直後に価格が急落したりすると、思うような利益を得られないばかりか、損失が徐々に膨らんでいき、後悔することも珍しくありません。

資産運用を成功させるためには、目先の利益にとらわれず、長期的な視点を持つことが重要です。短期的な相場変動に惑わされず、じっくりと腰を据えて資産運用に取り組みましょう。

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資産運用で失敗しやすい人の特徴ポートフォリオ資料とカラフルな積み木


ここでは、資産運用で失敗しやすい人の特徴を解説します。以下の特徴が当てはまる人は、実際に金融商品の取引をする前に、資産運用に関する基本的な知識を身に付けましょう。

リターンとリスクの関係が理解できていない

リターンとリスクの関係が理解できていない人は、資産運用で失敗しやすいと言えます。資産運用におけるリターンとは、投資によって得られる収益のことで、リスクはリターンの振れ幅(不確実性)のことです。リスクとリターンは切っても切れない関係にあり、高いリターンを狙うほどリスクも高まる傾向にあります。

この関係を理解せずに投資を始めると、想定外の損失をこうむる可能性が高くなるでしょう。たとえば元本を減らしたくないのに、株式投資を行うようなケースが当てはまります。また「リスクなしで儲かる」といった甘い言葉に乗せられ、詐欺的な投資商品に手を出してしまうこともあるかもしれません。

これらの事態を避けるためにも、リターンとリスクの関係を理解し、自己の投資方針に合った商品選びを行いましょう。

資産運用の目的を決めずに投資する

目的を決めずに「ただなんとなくお金をふやしたい」という理由で資産運用を始めると、失敗してしまうことが多くなるでしょう。「いつまでにどのくらいお金をふやしたいのか」という具体的な目標がないと、運用方針が定まらず、投資する商品を選ぶ際にも迷いが出やすくなります。

たとえば、短期的な値動きに翻弄されて頻繁に売買を繰り返したり、話題の商品に次々と乗り換えたりすることで、結果的に資産がふえにくい状況を生み出してしまうかもしれません。

反対に、資産運用の目的が明確であれば、適切な運用方法を選択しやすくなり、資産を効率よくふやせる可能性が高まります。たとえば教育資金を準備するために預貯金のようなリスクが低く、堅実な運用方法を選択する、老後資金を準備するために、株式投資などで積極的な運用をするなど、目的に応じた戦略を立てることが重要です。

生活費を投資資金に充てている

生活費を投資資金に充てている人も、資産運用で失敗しやすい傾向にあります。

投資にはリスクが伴うため、生活費を投資に充てて損失を出すと、生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。経済的にも精神的にも苦しくなり、資産運用を途中でやめざるを得ない状況に追い込まれてしまうかもしれません。

また、生活資金に余裕がない状態で投資を始めると、日々の生活費を賄うために投資資金を取り崩すことになりやすく、複利効果を得にくくなります。複利効果とは、投資で得た収益を再投資することで元本がふえ、利益がさらに利益を生む効果のことを指しますが、取り崩して元本が減るとこの効果は薄れてしまいます。

資産運用をする場合は、まず3〜6カ月分程度の生活費や緊急時の備えを確保し、余った資金を投資に回しましょう。余剰資金で投資すれば、損失が出ても家計を圧迫する可能性が小さくなり、精神的な安定を保ちながら運用を続けられます。

短期でリターンを得たいと考えている

短期間で大きなリターンを得たいと考えている人も、資産運用で失敗しやすいでしょう。

短期間で大きなリターンを目指すには、「安いときに買い、高いときに売る」ことが必要になりますが、そのタイミングを見極めるのは難しいものです。また、値動きを見続けなければならず、精神的な負担も大きくなるでしょう。その結果、初心者の場合は運任せの取引になりがちで、損失を抱える可能性が高くなります。

また、短期的な利益を追求するために、FXのようにハイリスク・ハイリターンになりがちな商品に手を出すと、一瞬で大きな損失を出して投資資金を失い、資産運用を続けられなくなってしまう場合もあるでしょう。

こうした状況を避けるためにも、十分な投資の経験を積むまでは短期的なリターンには期待しすぎず、腰を据えて長期的に資産をふやす戦略をとったほうが賢明です。

資産運用で失敗しないためのポイント指差しをするスーツ姿の女性


資産運用での失敗を避けるためには、長期的な目線で計画的に取り組むことや、リスクとうまく付き合う方法を考えることなどが大切です。以下で詳しく見ていきましょう。

自身の投資のルールを決める

資産運用で成功するためには、あらかじめ自身の投資ルールを明確に決めておくことが重要です。ルールを決めておかないと、日々の値動きに影響を受けて、感情的な判断をしてしまいやすくなります。

資産運用の目標と照らし合わせながら、投資する金額や運用期間、利益や損失を確定させるタイミングなどをあらかじめ計画しておきましょう。これらのルールを守りながら運用することで、予想外の損失を出すことを防げる可能性が高まります。

長期投資、積立投資、分散投資をする

資産運用で失敗を防ぐためには、資産運用の王道と言われる「長期・積立・分散」を意識して運用をすることが大切です。

長期投資とは、数年〜数十年のスパンで金融商品を保有する投資方法です。多くの金融商品は、長期的には価格が上昇する傾向があるため、短期的な価格変動に一喜一憂せず長期的な運用をすることで、安定した利益を狙いやすくなります。

積立投資は、一定額を定期的にコツコツ積み立てていく投資手法です。投資するタイミングを分散できるので、価格が高い時に全額を投資してしまい、その後値下がりして大きな損失を出す「高値掴み」を避けやすくなります。感情に左右されず投資のタイミング、金額を定めるのは、長期投資とも相性が良い方法です。

分散投資は、投資先を複数に分けることでリスクを分散させる方法です。投資する金融商品の種類や地域などを分散させておけば、一つの商品が下落しても、ほかの商品の値上がり分でカバーできる可能性があります。

金融についての知識をつける

資産運用を成功させるためには、自分自身で金融商品に関する知識を身に付けることが不可欠です。インターネットや書籍を通じて多くの情報が手に入る時代になっていますが、正しい情報を見極め、自分に必要な知識を吸収することで、自分の家計やライフプランに合った金融商品を選びやすくなり、売買のタイミングも適切に判断できるようになります。

金融知識に自信がない場合は、FP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などのお金の専門家に相談するのも一つの方法です。お金のプロからアドバイスを受けることで、初心者でも安心して資産運用に取り組むことができ、失敗を避けやすくなるでしょう。

失敗例を学ぶことが資産運用を成功させるための第一歩

初心者がやみくもに資産運用を始めると、想定外の損失をこうむる可能性が高くなります。そのため、まずは資産運用の失敗例を通じて、どのような落とし穴があるのかを知り、基本的な知識からしっかりと身に付けていきましょう。

自分一人で資産運用を始めるのが不安な方や、お金のプロから資産運用の知識を学びたい方は、ソナミラの無料相談をご活用ください。ソナミラでは店舗だけではなく、オンラインでの相談も可能なため、お気軽にお問い合わせください。

将来へ向けた資産形成の相談ならソナミラへ

  • 著者
    荒木 和音さん

    保険代理店にて、個人を対象とした家計相談やライフプランニング、企業向けのリスクコンサルティングを経験。現在は金融分野専門ライターとして活動中。大手金融機関や大手金融メディアでの豊富な執筆実績をもつ。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号