投資信託に向いている人と向いていない人の特徴は?基礎知識について
低金利、物価高の状況下で、余剰資金を預貯金として金融機関に預けるだけの状況に不安を感じ、多くの方が資産形成のために投資信託を始めています。
投資信託は投資初心者の方でも比較的、始めやすいものの、リスクや運用面についてしっかり理解しておかなければいけません。
この記事では、投資信託の基礎知識や向いている人、向いていない人について解説します。投資信託とNISAの関係も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
投資信託の基礎知識
投資信託とはどのような金融商品なのか、国が推奨するNISAとの関係を含めて解説します。
投資信託とは
投資信託は、投資家から資金を集め、運用の専門家が投資家に代わり投資・運用する金融商品です。ファンドマネージャーと呼ばれるプロに運用を任せることで、投資家は、投資金額に応じたリターンを受け取ります。
投資対象には、国内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT、リート)などさまざまな金融商品があります。特性が異なる複数の投資対象を組み合わせることで、投資の分散効果が得られます。
投資信託はあくまで投資商品であるため、預貯金のような元本保証はありません。運用成果次第で、当初投資した金額よりも少ない資金しか戻らない状態になってしまう「元本割れ」のリスクもあります。
投資商品を選ぶポイントとして、安全性と収益性、そして流動性(換金しやすさ)があります。一般的に、投資信託の安全性は「株式より高く、債券より低い」、収益性は「株式より低く、債券より高い」といわれています。
また近年、投資信託など金融商品を対象とした税制優遇制度であるNISAが話題になることが増えました。次の章では、投資信託とNISAの関係について解説します。
投資信託とNISAの関係は?
NISAは、投資信託のような金融商品ではなく、投資を促進するための制度の名称です。安定的な資産形成の支援を目的に、2014年1月から導入された制度で正式名称は「少額投資非課税制度」といいます。
通常、株式や投資信託などの投資で得られた売却益や配当金に対しては、所得税や住民税が課税されます。一方、NISAは、銀行や証券会社などに開設したNISA口座を通じて投資することで、得られた利益が非課税となる制度です。
投資信託に投資するときは、NISA制度を利用してNISA口座から投資できますし、NISAを活用せずに金融機関などの一般口座、特定口座を利用して投資することも可能です。
NISAを利用せず運用する場合、原則として運用益に対して20.315%が課税されるのに対し、NISA口座を通して取引すると非課税となります。非課税保有期間も無期限です。
NISAは2024年に制度が変更され、つみたて投資枠と成長投資枠が設けられました。それぞれに投資対象や投資金額に制限がありますが、2つの枠を併用することも可能です。
2つの枠の投資対象を整理します。
つみたて投資枠は、長期の積立分散投資を目的としています。そのため、投資対象の銘柄も金融庁が長期・分散投資に適していると定めた商品に制限されます。
一方で、成長投資枠は、投資信託のほか上場株式などにも投資でき、つみたて投資枠より対象商品が多くなっています。
また、年間に投資できる額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、合計で最大360万円までとなっています。さらに、生涯を通じての非課税保有限度額は、1,800万円(総枠)(うち成長投資枠は1,200万円)までです。
【出典】
金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
投資信託が向いている人の特徴
では、数多くの金融商品があるなかで、投資信託に向いているのはどういった人なのでしょうか。
資産運用の初心者の方
投資信託は、資産運用の初心者の方をはじめ幅広い層に向いていると言えます。株式や債券などへの投資を個人で始める場合、投資対象とする個別株の情報や、投資手法に関する知識が必要です。そのため、初心者が始めるとしても、一定の時間をかけて投資方法に関する情報収集、研究が求められます。
一方、投資信託であれば、投資家に代わり、運用のプロが国内外のさまざまな商品に投資、運用してくれるため、知識や経験が十分といえない初心者でもスタートしやすいことが魅力と言えます。
少額から資産運用を始めたい方
少額から資産運用を始めたい人にも投資信託は向いています。
たとえば株式の場合は銘柄にもよりますが、基本的には最低売買単位が100株で、十数万円の資金を元手に始めるケースが多くなります。
一方、投資信託の場合は毎月1万円ほどで積立購入が可能です。なかには、100円から購入できる証券会社もあります。
最初は少額で始め、運用実績や利回り、複利効果などを実際に確認しながら少しずつ投資金額を増やしていきたいという人に投資信託はおすすめです。
資産を分散したい方
資産を分散したい人にも投資信託は向いています。
投資には、各銘柄の値動きが読めない「不確実性」などのリスクがあります。大きな損失を出さないためにも、複数の金融商品に分散投資することは大事な考え方です。
投資信託は、株式や債券、不動産など投資する資産を分散させ、国内外のさまざまな地域の銘柄に分散させて投資することが可能です。投資対象の価格は日々変動しますが、定期的に投資することで、投資するタイミングも分散させることができます。
また、すでに株式や債券、預貯金などで資産を保有している人にとっても、安全性や収益性が異なる投資信託に投資することで資産を分散できます。
投資信託が向いていない人の特徴
一方で、投資信託に向いていない人もいます。
リスクに対して不安がある方
リスクに対する不安が大きい方は、投資信託に向いていないかもしれません。
投資信託は長期的に分散投資することでリスクを抑えやすいメリットがありますが、投資元本の保証はありません。運用成果次第で、元本割れする可能性があるのがデメリットと言えます。
元本割れだけは避けたいと思う方に、投資信託は向いていません。今の日本の金利状況では、高い利息収入は期待できませんが、普通預金や定期預金など元本が保証される商品はあります。また、投資信託と比べて一般的にリスクが小さい債券投資などにお金を使うほうがよいかもしれません。
【出典】
預金保険機構「保護される預金等の範囲」
https://www.dic.go.jp/yokinsha/page_000109.html
投資資金に余裕がない方
投資資金に余裕がない方も、投資信託を買うには向いていないと言えます。
例えば、子どもの教育資金や老後資金のための預貯金を使って投資することはおすすめできません。毎月の生活費を削って投資資金を捻出することも避けたほうがよいでしょう。
投資信託は、基本的に一定期間、積み立てしながら分散投資するための資金が必要です。元本割れし、損失が発生するリスクもあるため、必要な貯蓄や生活費から運用資金を確保することはリスクが伴います。
投資信託を購入するための余裕資金が貯まってから始める方がよいでしょう。
短期間で利益を得たい方
短期的に利益を得たい方も投資信託には向いていません。
投資信託は、基本的に複数の対象に投資することで分散効果を得ながら、長期間積み立てることが前提の商品です。
株式投資のように1日に何度も売買を繰り返すデイトレードはできませんし、日々の基準価額※の変動幅も大きくないため短期売買には向いていません。
※基準価額とは、投資信託を売買するときの基準となる値段であり、運用会社が1日1回算出します。
そのため、半年や1年後にまとまった資金を準備したいといった目的で始めても、期待する利益は得にくく、値下がりした場合、損失を取り戻すまでの時間が短いと結果的に損をする可能性もあります。
投資信託は一定期間、長期的な目標金額を定め、積立投資していく人に向いていると言えます。
投資信託に向いている人は、長期の分散投資でお金をふやしたい人
投資信託は、投資先の選定や運用をプロに任せられ、少額から始められることから投資初心者の方にもおすすめできる金融商品です。あわせてNISAの非課税制度を活用することで、税金の負担を減らしながらさらに高い投資効果を得ることも可能です。
また、すでに株式や債券などに投資している方も、投資信託と組み合わせることで資産の分散を図ることができます。
ただし、長期的な積立分散投資によってリスクを抑えながら運用できるとしても、元本割れのリスクはあることが注意点です。また、銘柄によって信託報酬などの手数料は異なります。ですから、コストや運用実績を参考にしながら投資先や投資金額などを慎重に判断することが重要です。
ソナミラでは、投資信託やNISAの活用のほか、保険など、お金について全般的に相談できます。無駄な保険料を削減して、投資信託の購入資金に充てたいといったようなご相談も可能です。
オンラインも含めて1回60分~120分程度の無料相談を承っております。お気軽にご相談ください。
ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第 1010号