年代別におすすめの資産形成の方法|老後の資金が不安な方は必見!
近年、老後2,000万円問題が話題となり、「お金を貯めなくては」と考える様になった人は多いのではないでしょうか。
お金を貯める、すなわち資産形成の方法には「貯蓄」や「投資」がありますが、効率的にお金をふやしていきたいのであれば、「投資」をおすすめします。
資産形成はゆとりある老後生活を送るためには欠かせません。
また、年代によってライフプランが異なるので、それぞれの年代によって適した資産形成の方法があります。
本記事では、資産形成の目的や方法について年代別に解説します。
資産形成が必要な理由やリスク管理についても解説していますので、本記事を読めば資産形成についての理解が深まり、実行に移せるでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
資産形成とは?
資産形成とは、文字通り資産を形成していくことです。
つまり、お金を貯めたりふやしたりしていく行為全般を差し、預金や投資、労働、全てが資産形成に含まれます。
本記事ではその中でも投資に焦点を当て、積極的に資産をふやしていく方法について解説します。
それでは、「貯蓄」と「投資」はどのように違うのでしょうか。
貯蓄とは、「現金を手元に置いたり、銀行に預金したりして、一定額までの元本が保証された方法で資産を保有すること」です。
一方、投資とは、「利益を見込んでお金を出すこと」で、一定のリスクをはらんでいます。
(1)資産形成の重要性
前項で、資産形成は投資だけではなく預金や労働も含まれると説明しました。
そこで、「なるべく長く働こう」「とりあえず預金しよう」と考える人もいるでしょう。
その考えは間違いではありませんが、積極的に資産をふやしたいのであれば、投資をして効率的に資産形成していく必要があります。
そもそも、なぜ投資をする必要があるのでしょうか。
その理由の一つ目は、日本の銀行は金利が低く、日本銀行のデータによると普通預金の平均年利率は2022年3月時点で0.001%という低金利だからです。
例えば100万円を預けても、1年後の利息は税引き前でわずか10円です。ここから税金が引かれるため、手取り額はもっと少なくなります。
定期預金やネット銀行での普通預金はもう少し金利が上がりますが、それでももらえる利息は大きな金額にはならないでしょう。
そのため、預金で資産をふやすことは難しいと言えます。
理由の二つ目は、経済的に安定した老後生活を送るためには、年金だけでは不安と言えるからです。
家計調査報告(家計収支編)2022年によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は236,696円に対して、可処分所得は214,426円で不足額は22,270円です。
65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)では、消費支出143,139円に対して、可処分所得は122,559円で不足額は20,580円です。
つまり、夫婦世帯でも単身世帯でも1か月に約2万円不足すると考えられます。
65歳から85歳まで老後生活が続くとすると、単純計算で20年間の不足額は
2万円×12ヶ月×20年=480万円 です。
25年間では600万円、30年間では720万円となり、長く生きれば生きるほどたくさんのお金が必要となるのです。
以上のことから、ゆとりある生活を送るためには、さらに資金が必要になると考えられ、充実した老後生活を送るためには投資が不可欠と言えるでしょう。
(2)年代別におすすめの資産形成方法を紹介する目的
本記事では資産形成の方法について年代別に紹介します。
年代別に紹介する理由は、年齢によって老後までの期間の長さが違い、それぞれの年代によってライフプランやライフイベントも異なるので、各年代によって適切な資産形成方法があるからです。
本記事では20〜50代以上まで、それぞれの年代で取り組むべき資産形成の目的と方法を具体的に紹介していきます。
資産形成の方法
最初に資産形成の目的と効果について解説します。
(1)資産形成の目的と選択肢を明確にする意義
資産形成の目的とは何でしょうか。
個々の状況や年代によって目的は異なりますが、一般的に大きく分けると以下の3つが挙げられます。
- ライフイベントにそなえるため
- 物価上昇に備えるため
- 老後の資金を確保するため
上記は主な資産形成の目的ですが、資産形成を行うにあたり、あなた自身で目的を設定することが大切です。なぜなら、人から与えられた目的では資産形成するモチベーションを保つことが難しいからです。
お金をふやすためにはポイントがありますが、何よりあなた自身が目的のためにコツコツとお金をふやしていこう、という意識が大切です。
資産形成する目的は「老後資金」と漠然と設定するよりも「老後は海外でゆとりある生活を送りたいから移住費用を含めて2,000万円貯める」など具体的に設定すると良いでしょう。
資産形成の目的を設定したら、方法を選択します。
現在、資産形成の方法に関する情報は世の中に溢れていて、数多くの選択肢があります。
例えば、以下の様な商品や方法があります。
【商品】
- 普通預金
- 定期預金
- 生命保険(外貨建て保険・変額保険)
- 株式投資
- 投資信託(REITを含む)
- 不動産投資
- 金投資
- FX
- 債券
など
【方法】
- iDeCo
- NISA
- つみたて
など
大切なお金を減らしてしまわないように、情報を正しく入手し、自分に合った投資方法を選択しましょう。
各年代の具体的な選択肢は次の項から解説していきますので参考にしてください。
(2)お得な税制の活用と運用による相乗効果
投資方法の中には「お得な税制の活用」と「運用」によってお金をふやせる、というものもあります。
お得な税制を活用しながら資産形成できる投資方法として、iDeCoやNISAがあります。
投資で得られた利益には通常20.315%の税金がかかりますが、iDeCoやNISAの制度を活用して得られた利益は、条件を満たすことで非課税になります。
また、iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称ですが、掛金が全額所得控除となるので、所得税や住民税が軽減されます。
この様に、お得な税制を活用しながら資産を運用することによって、より効率的に資産をふやしていくことができます。
(3)投資の基礎知識の習得方法
投資を始めようとした時、銀行や証券会社に相談しようと考える人もいるでしょう。
銀行や証券会社で投資を始めるとしても、まずは基礎知識を習得することをおすすめします。
なぜなら、勉強後は理解度も深まり、銀行や証券会社の営業マンからおすすめされた商品が、自分に適切な投資方法かどうか見極めることができるからです。
おすすめの基礎知識習得方法は以下のとおりです。
- 初心者向けの投資の本を読む
- セミナーや勉強会に参加する
- ネットで投資のブログや記事を読む
- 証券会社のサイトを見る
- 投資に詳しい人に話を聞く
- 投資アプリやYouTubeを活用する
上記の中から自分に合った勉強法を選択し、早速今日から始めてみてはいかがでしょうか。
20代の資産形成方法
それではここから、各年代別の資産形成方法をご紹介していきます。まずは20代です。
20代で資産形成はまだ早いのでは?と考える人も少なくないでしょう。
大半の人は「まず預金しよう」と考えますが、先述したとおり、今の日本では、預金だけでは資産をふやすことは難しいと言わざるを得ません。
老後の生活や、公的年金を受け取るのはまだまだ先のことだと考えがちですが、20代から資産形成を始めることで、老後生活のリスク軽減はもちろん、将来のマネープランに余裕を持たせることができるでしょう。
(1)20代の資産形成のポイントと選択肢
20代の資産形成のポイントは、下記のとおりです。
- 老後の年金生活にむけてそなえる必要がある
- 将来の様々なライフイベントにそなえる必要がある
- 老後まで時間がある為、時間を味方につけた長期投資を行える
- 投資に回せる資金が比較的少ない
なぜ、老後の年金生活にそなえる必要があるのでしょうか。
日本年金機構によると、令和5年度の国民年金(老齢基礎年金)は月額66,250円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は224,482円です。
一方、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出は236,696円です。
ゆとりある生活にはさらにお金が必要なことを考えると、20代のうちから資産形成して、老後資金を準備する必要があるでしょう。
また、20代は就職や転職、結婚や新婚旅行、住宅購入などさまざまなライフイベントが待っています。
そのために多くの費用がかかるので、資産形成を始める必要があるのです。
一般的に、目的が決まっているお金は資産運用に回すことはできません。
そのため、少額でも構わないので、余裕資金で投資を始めることをおすすめします。
20代におすすめの資産形成は以下のとおりです。
- 普通預金
- 定期預金
- 生命保険(外貨建て保険・変額保険)
- 投資信託
上記の中から自分に合ったものを選択しますが、次の項で20代におすすめの資産形成方法を解説します。
(2)複利効果を活かした資産形成の方法
20代の最大の強みは、時間を味方につけた投資が出来ることです。
20代では複利効果を利用して、時間をかけてお金をふやしていきましょう。
複利効果とは「投資の運用で得た利益を再投資することで、利益が利益をうみ、加速度的にお金がふえていく効果」です。
複利について詳しく解説していきます。
複利の対義語に単利がありますので、まず用語を押さえておきましょう。
- 単利:元本にのみ利息がつく
- 複利:元本+運用益の合計に利息がつく
ここでは分かりやすく、1万円を年利3%で計算してみます。
単利の場合
1万円→ 1年後は1万300円→2年後は1万600円
複利の場合
1万円→ 1年後は1万300円→2年後は1万300円に対して3%の利息がつくので1万609円
このように複利の方が単利よりお金がふえることが分かります。
1万円ではあまり複利効果が感じられないかないかもしれませんが、元本100万円に対して年利3%で運用した場合、30年後の結果は以下のとおりです。
- 単利:190万円
- 複利:242万7262万円
(金融庁のHP資産形成シミュレーターより試算)
単利と複利では50万円以上も差が出ることが分かります。
複利効果を活かした20代におすすめの資産形成方法はつみたてNISAです。
つみたてNISAとは、「少額投資非課税制度」の愛称で、少額からの長期・積立・分散投資を支援するために2018年に始まりました。2024年には新NISAとしてNISAの抜本的拡充・恒久化が図られた新しい制度が導入されます。
つみたてNISAの最大のメリットは、投資から得られる分配金や運用益が最長20年間非課税になることですが、新NISAでは非課税保有期間が無期限化されます。
また、つみたてNISAの運用先は、金融庁が選定した投資信託から選ぶという点も、20代にとって安心と言えるでしょう。
30代の資産形成方法
30代は20代に比べて収入もふえ、投資に回せる金額も多くなる時期です。
会社では重要な仕事を任されたり、家庭では子どもが生まれたりして、より責任のある立場となります。将来に向けた資産形成を、考え始める人もふえるでしょう。
余裕資金がふえ、定年までの時間がある30代は資産形成に適している時期です。
この項では、30代の資産形成の目的とおすすめの資産形成方法について解説していきます。
(1)30代の資産形成のポイントと選択肢
30代の資産形成のポイントは、下記のとおりです。
- 老後の年金生活に向けてそなえる必要がある
- 将来の様々なライフイベントにそなえる必要がある
- 老後まで時間がある為、時間を味方につけた長期投資を行える
- 20代よりも収入がふえるため、投資に回せる金額がふえる
- 責任ある立場となり、将来に向けた資産形成を考え始める人がふえる
国税庁の令和3年民間給与実態統計調査によると、30代前半の平均年収は約400万円、30代後半の平均年収は約437万円です。
また、同調査によると、20代前半の平均年収は約260万円、20代後半の平均年収は約362万円です。
20代よりも30代の方が出費はふえる傾向にはありますが、それでも収入がふえればその分、投資に回せる金額もふえます。
また、30代は結婚、出産、住宅購入、車購入、子どもの学校入学など、様々なライフイベントが待っているでしょう。
人生で大切なイベントが目白押しで、その分支出も多くなります。
より多くの費用が準備できれば、人生の選択肢も広がるでしょう。
また、大きなライフイベントが終わった後も、住宅ローンの返済、子どもの教育費、親の介護費用、老後資金など多くの費用が必要となります。
これらの費用を給与だけで賄うのではなく、資産形成によってお金をふやすことで、お金に対する不安が少なくなるでしょう。
30代におすすめの資産形成は以下のとおりです。
- 普通預金
- 定期預金
- 生命保険(外貨建て保険・変額保険)
- 投資信託
- 株式投資
- 不動産投資
20代と同様、時間を味方につけられるつみたてNISAは大変おすすめです。
さらに、20代より資金に余裕がある30代は不動産投資や株式投資が選択肢に入ってきます。
不動産投資と株式投資については次の項で詳しく解説します。
(2)不動産投資や株式投資のメリットとリスク
不動産投資とは、マンションや土地などの不動産を購入し、家賃収入や売買益で利益を得る投資方法で、毎月安定した家賃収入が得られるメリットがあります。
また不動産を、購入したときより高く売却できれば、売買益を得ることもできます。
しかし、不動産投資にはリスクも多く「空き室リスク」「家賃滞納リスク」「災害リスク」などに注意しなくてはいけません。
入居者がいない間も不動産ローンや固定資産税がかかるので、不動産投資は慎重に行う必要があります。
株式投資とは、株式会社が発行している株式を購入して、配当金や売却益などで利益を得る投資方法です。
株式投資の最大のメリットは、購入した株式の値上がりによる売却益が期待できることです。
また、配当金や株主優待が受けられる場合がありますが、全ての企業で実施しているわけではないため、事前によく調べてから購入しましょう。
一方、元本の保証はありませんので、購入したときより株価が下がった場合は損失が出てしまうリスクがあります。
また、企業が倒産するリスクもあり、その場合は投資資金が戻ってきません。
40代の資産形成方法
40代は住宅ローンの返済、教育費がピークをむかえたり、親の介護資金が必要になったりと、支出が多い時期で、資産形成まで考える余裕がない人もいるでしょう。
また、40代から資産形成を始めるのは遅い?と考える人もいるかもしれませんが、結論から言うと遅くはありません。
40代は収入もライフスタイルも安定していますので、資産計画が立てやすく資産形成にも適しています。
この項では、40代の資産形成の目的とおすすめの資産形成方法について解説していきます。
(1)40代向けの資産形成のポイントと選択肢
40代の資産形成のポイントは、以下のとおりです。
- 教育費がピークをむかえたり、親の介護資金が必要になったりと、支出が多くなる
- 結婚や出産などの大きなライフイベントが終わっていることが多い
- 20代、30代よりも収入がふえる
- 本格的に老後にそなえ始める人がふえる
40代は結婚や出産など大きなライフイベントが終わっていることが多く、住宅ローンや子どもの教育費用にお金がかかる時期です。
40代におすすめの資産形成は以下のとおりです。
- 普通預金
- 定期預金
- 生命保険(外貨建て保険・変額保険)
- 変額保険
- 投資信託
- 株式投資
- 不動産投資
20、30代と同様、老後まではまだ時間があるので、つみたてNISAがおすすめです。
また、40代はリスクが低い投資信託や、変額保険で確実に資産をふやすのが良いでしょう。
投資信託や変額保険の活用方法については次の項で解説します。
(2)投資信託や変額保険の活用方法
投資信託とは、投資家から集めたお金を元手として、運用のプロであるファンドマネージャーが運用し、利益を投資家に還元するという投資商品です。
価額が上がったり下がったりする投資信託は、ドルコスト平均法を活用して購入することをおすすめします。
ドルコスト平均法とは、時間をかけて同じ金融商品を定期的に一定額ずつ購入していく方法で、株式や投資信託等を購入する際に用いられる投資手法の一つです。
一定数ではなく、一定額ずつ購入するため、価格が高いときには購入数が少なくなり、価格が安いときには購入数が多くなります。
定期的に購入することにより、一括購入よりも取得単価が下がることがあり、運用成果が出しやすく、リスクを減らせる可能性があります。
変額保険とは契約者が支払った保険料をもとに保険会社が運用を行い、運用実績によって死亡保険金や解約返戻金が増減する保険です。
変額保険は、運用実績によって保険金の受取額が増減しますが、死亡保険金には保険を契約するときに決められた最低保証額があります。万一のときには、死亡保険金が最低保証されているので、死亡保障を合わせて持つという意味では安心です。
変額保険は投資信託の特徴が強い保険商品です。
保険料は毎月決まった金額を支払うものが多く、自然に投資のタイミングを分散することになります。
また、変額保険に加入して支払った保険料は生命保険料控除の対象となります。
生命保険料控除を利用すると、支払った年間保険料に応じて一定金額が所得から控除されますので、所得税の軽減につながります。
50代以上の資産形成方法
50代では、早い人は住宅ローンを完済していたり、子どもが独立したりして生活資金に余裕ができている人もいるでしょう。
大きな支出がなくなるので、老後に向けて資産形成できる最後の大きなチャンスとも言えます。
60代になると収入が年金だけになる人も多く、無理な投資はおすすめできません。
ポイントを絞って年金や預金を上手に活用していきましょう。
この項では、50代以上の資産形成の目的とおすすめの資産形成方法について解説していきます。
(1)50代以上向けの資産形成のポイントと選択肢
50代以上の資産形成のポイントは、以下とおりです。
- 住宅ローンを完済していたり、子どもが独立していて、生活資金に余裕ができている場合がある
- 50代では老後に向けてできるだけ資産をふやす
- 60代では貯蓄の取り崩しをなるべく少なくして長生きにそなえる
50代以降のライフイベントは子どもの結婚、定年退職、住宅のリフォーム、お葬式などが挙げられます。
50代におすすめの資産形成は以下のとおりです。
- 普通預金
- 定期預金
- 生命保険(外貨建て保険・変額保険)
- 変額保険
- 株式投資
- 投資信託
50代は資産形成できる最後のチャンスですので、まずはつみたてNISAをおすすめします。
また、50歳でつみたてNISAを始めるのは遅い?とよく質問がありますが、50歳で20年間投資を続けても70歳です。
生活費に充てることも、孫の教育費援助に使うこともできますので、50歳でつみたてNISAを始めるのは遅くありません。
60代以降は預金の取り崩しを少なくするためにも、無理のない範囲で投資するのが良いでしょう。
年金や預金の運用方法と注意点については次の項で解説します。
(2)年金や預金の運用方法と注意点
日々の生活費に余裕がある人は、年金の繰り下げ受給をおすすめします。
2000年の法律改正で、老齢厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられました。
支給開始年齢の引き上げによって、老齢厚生年金の繰上げ受給もしくは繰下げ受給が可能です。
- 繰上げを行った場合:受給開始を1か月早めるにつき年金額が0.4%〜0.5%減額
- 繰下げを行った場合:受給開始を1か月遅らせるにつき年金額が0.7%増加
繰り下げの最大のメリットは、生涯にわたり増額した年金を受け取ることができ、長生きすればするほどお得と言える点です。
また、預金の取り崩しを少なくするためにも、年金や預金にも働いてもらうのが良いでしょう。
具体的には分散投資を意識し、リスクの少ない投資信託や債券がおすすめです。
退職金を全て株式やリスクの高い投資信託などの、値動きのある投資商品につぎ込むなど、リスクが高い投資は避けるようにしましょう。
リスクとリターンの関係
投資するにあたって、再度整理しておきたいことがあります。それがリスクとリターンの関係性です。リスクとリターンは切っても切れない関係です。
この項ではリスクとリターンについて解説します。
(1)投資におけるリスクとリターンのバランス
金融商品におけるリターンの意味は「運用の結果によって得られる利益」です。
一方で、リスクとはどのような意味なのでしょうか。
一般的にリスクと聞くと「危険なこと・危険度」という言葉が頭に浮かびますが、金融商品におけるリスクとは「危険」とは少し異なり「リターンの不確実性・リターンの変動幅」を表します。
リスクとリターンは表裏一体と言われています。
つまり、投資の収益結果が不確実であったり、変動幅が大きかったりする金融商品は「リスクが大きい」ということになり、逆の場合は「リスクが小さい」ということになります。
間違いやすいですが、「リスクが大きい=損をする可能性が高い金融商品や投資方法」という意味ではありません。
リスクが大きいというのは「大きな収益を得られる可能性は高いが、一方、大きく損失が出てしまう可能性も高い」という意味です。
リスクとリターンのバランスを良くするためには、分散投資がおすすめです。
リスク管理のために、分散投資がおすすめである理由は次の項で詳しく解説します。
(2)リスク管理とポートフォリオの分散
投資するときに、どのような金融商品をどれくらいの配分で保有するかを決めることを「ポートフォリオを組む」と言います。
投資のリスク管理の基本はポートフォリオの分散です。
「卵を1つのカゴに盛るな」という格言があります。
これは、卵を1つのカゴに盛ると、カゴを落としてしまったら全て割れてしまうけれど、卵を複数のカゴに分けていれば、たとえカゴを1つ落としてしまっても他のカゴの卵は割れないという意味です。
投資のポートフォリオを考えるときは、この考え方を元に検討するとよいでしょう。
もし投資先がひとつの場合、損失が出たら資産が大きく目減りしてしまいますが、投資先が複数あれば、たとえ値下がりする商品があっても他の商品でカバーできます。
ポートフォリオを作成するときは、投資の種類、期間、時期、地域、通貨などが偏らないように分散することで、リスク管理をしましょう。
(3)長期的な視野でのリスク管理の重要性
投資するときは、分散投資だけではなく、基本的に長期投資を意識することでリスク管理につながります。金融商品は、短期間でみると世界情勢などの要因により、価格が上がったり下がったりします。場合によっては、一時的に大きく下がり損失を被ることもあるでしょう。
しかし、ほとんどの金融商品は長期間保有することで、この様な価格変動リスクを軽減することが出来ると言われています。
また、長く保有することにより、複利効果も期待できます。
運用で得た利子や分配金などの利益を元本に加えて再投資することで、利益が利益を生み、結果として資産がふえていきます。
つまり、長期投資は短期投資に比べてリスク軽減効果があり、時間によって複利効果を最大限に活用できるので、収益も安定しやすいと言えるでしょう。
結論とまとめ
(1)のまとめ
20代向けの資産形成方法
20代は少額からでも構いませんので、複利効果が活かせる積立投資が良いでしょう。
まずはつみたてNISA・新NISAに毎月一定額を積み立てることを検討してみましょう。複利効果による資産形成が期待でき、投資の勉強にもなります。
30代向けの資産形成方法
30代は20代よりも投資に回せる金額がふえるので、つみたてNISAを続けながら不動産投資や株式投資に挑戦してみるのもよいでしょう。
iDeCoを活用して30代から老後資金を貯めるのもよいですが、iDeCoは60歳になるまで資金が引き出せませんので、その点は注意してください。
40代向けの資産形成方法
40代は住宅ローンや教育費など支出が多くなる時期です。
一方、収入も高くなる時期ですので、無理のない範囲で投資に回す金額をふやし、老後資金を準備するとよいでしょう。
つみたてNISAを行いながら、投資信託や変額保険を活用することをおすすめします。
変額保険は老後資金を蓄えながら、いざという時にはまとまった保険金を受け取れるので、自分だけではなく家族を守ることもできます。
50代以上向けの資産形成方法
50代以降はリスクのある投資を無理に行うことは避けましょう。
可能なら年金の繰り下げ受給を行い、受け取れる年金額を増額することをおすすめします。
余裕があれば投資信託を購入して、預金の取り崩しの減少を緩やかにしつつ、相続対策にそなえましょう。
(2)資産形成のスタイルや目標の選び方
資産形成の方法や目標は自分に合ったものを選択しましょう。
そのためには「何のために投資するのか」「どこに投資するか」「いつからいつまで投資するのか」「投資金額はどれくらいか」を明確にし、無理のない範囲で投資することが大切です。
基本的にはリスクを減らすため、分散投資・長期投資を意識して投資のポートフォリオを作成することをおすすめします。
(3)相談場所の選び方(ソナミラオンライン相談)
資産形成で迷いが生じたら、お金のプロに相談することをおすすめします。
ソナミラのコンシェルジュは、あなたの理想のライフプランを実現するため、保険、家計、資産運用などの幅広いお金の悩みについて相談できるお金のプロフェッショナルです。
オンライン相談も可能ですので、忙しい人でも好きな時間に好きな場所で相談できます。
あなたの理想の暮らしのため、お金の悩みを解決するために、ソナミラのコンシェルジュに相談してみてはいかがでしょうか。
ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第 1010号