投資信託にかかる手数料とは?いつ引かれるの?費用の種類を解説!
投資信託は、投資家から集めたお金を一つにまとめて大きな資金とし、それを運用の専門家が株式や債券、不動産などの多様な資産に投資を行い、運用成果を投資家に分配する金融商品です。
通常個人では投資額が小さいため、幅広い銘柄に投資するのは不可能です。しかし、投資信託であれば、少額からでも幅広い資産に分散投資することができます。
例えば、証券会社によってはS&P500指数に連動したインデックス型の投資信託が100円から購入可能な場合があります。これは、初心者が分散投資する上では非常に有効な選択肢となります。このように投資信託は初心者や上級者を問わず、幅広く利用される便利な金融商品です。
一方で、購入時や保有時、売却時のタイミングで手数料がかかるというデメリットもあります。
この記事では、投資信託の手数料や差し引かれるタイミングについて解説します。投資信託の手数料の種類を把握し、より適切な資産運用ができるようになりましょう。
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投資信託にかかる手数料の種類
投資信託にかかる手数料にはいくつかの種類があります。
中には「手数料は数%程度だし、そこまで気にしなくても…」と考える人がいるかもしれません。しかし、500万円の運用を行う場合、手数料が1%かかるのであれば5万円にもなります。もし手数料が毎年かかるとするならば、10年で50万円もの負担です。この負担は運用成績全体にもかかわってきます。
どのような手数料を、どれだけ負担するのかを投資信託の交付目論見書や運用報告書で確認しておいた方が良いでしょう。
それでは、それぞれ手数料の概要を説明します。
購入時手数料(販売手数料)
投資信託の購入時にかかる手数料です。販売手数料とも呼ばれ、事務手続き等にかかる費用です。基準価額の数%を上限として、販売会社が定めた料率を乗じた額というのが一般的です。
販売会社によっては購入時手数料がかからない投資信託(ノーロード型)を取り扱っている場合があります。
信託報酬(運用管理費用)
投資信託の保有時に発生する運用管理費用です。投資家に代わって投資・運用を行う運用会社等に支払われる対価になります。
支払っている感覚を認識しづらい手数料ですが、投資信託を選ぶ上で最も重視すべき手数料といえます。運用のパフォーマンスを高めるために、信託報酬はなるべく抑えた投資信託を選定したいものです。
信託報酬の割合は年率で示されるケースがほとんどです。たとえば「信託報酬0.1%」の場合は、保有額に対し、年率0.1%を運用会社などに間接的に支払うこととなります。
実際の手数料は毎日計算され、信託財産から差し引かれます。仮に保有額が500万円であれば、1日に差し引かれる信託報酬は500万円×0.1%×1.1(消費税)÷365=約15円となります。
信託報酬は、インデックス型の投資信託で0.1%前後、アクティブ型の投資信託は1〜2%と幅があります。一般的に安定性重視のインデックス型(パッシブ型)に比べ、ハイリターンを望めるアクティブ型の方が高めに設定されています。
これはアクティブ型の投資信託の場合、銘柄選定をするためのファンド分析のために人的コストがかかるためです。
信託財産留保額
信託財産留保額は、投資信託を解約したタイミングで発生する費用です。信託財産留保額の相場は、解約時の基準価額に対し0.1~0.5%程度かかります。信託財産留保額がない投資信託もあります。
信託財産留保額が徴収される目的としては、投資信託の純資産総額の保護や他の投資家との手数料負担の公平化などがあげられます。
解約(換金注文)を申し出た投資家に、必要となる売却時費用を負担させ、信託財産に組み入れることで、投資家間の公平性を保ちます。信託財産留保額を徴収しなければ、売却時費用を信託財産から負担することになるため、純資産総額や投資信託を保有している他の投資家に負担が生じてしまうことになります。
売買委託手数料
売買委託手数料とは、投資信託が投資する株式などを売買する際に発生する費用のことです。発生の都度、間接的に徴収されます。運用の結果発生する費用ですので、事前にいくらかかるのか示すことはできません。
売買委託手数料は投資信託の運用報告書の中で1万口(元本10,000円)当たりの費用明細に記載されています。
監査報酬
投資信託は原則決算ごとに、監査法人などから監査を受ける必要があります。その監査に要する費用のことを監査報酬といいます。
手数料が差し引かれるタイミング
ここまで、投資信託の手数料について紹介をしましたが、それぞれの手数料が差し引かれるタイミングはどのようになっているのでしょうか?
投資信託の手数料が差し引かれるタイミングを表でまとめました。
手数料を抑える方法
投資信託の運用が好調であれば手数料をそこまで気にする方は少ないでしょう。投資信託は保有している間も手数料がかかり、手数料が高ければ当然ながら運用収益は減ってしまいます。
「数%だから大丈夫」と考えがちですが、運用成果は不確実であるのに対して、これらの手数料は確実にかかるものです。運用が好調なときだけでなく、低調な時期であっても投資信託を保有していればかかります。
そのため投資信託を選ぶ際は、運用成績だけでなく、手数料にも注目をしてみましょう。できるだけ手数料の安い投資信託を選ぶことが、効率の良い資産運用をおこなう秘訣でもあります。
投資信託の手数料を抑える方法を3つご紹介します。
ノーロード商品を選択する
投資信託の中には購入時手数料がかからないノーロード型ファンドがあります。購入のたびにかかる初期費用を抑えられるという利点があります。
信託報酬の安いインデックス型を選択する
投資信託は運用方法の違いにより、主に3つの種類に分けられます。
S&P500指数や東証株価指数(TOPIX)といった特定の株価指数(ベンチマーク)と同じ値動きを目指すインデックス型、ファンドマネージャーが独自に銘柄の選択や投資手法を選択するアクティブ型、複数の資産クラスへバランス良く投資するバランス型の3通りです。
インデックス型はアクティブ型に比べて安定性が高い投資手法のため、極端なハイリターンは見込みづらい一方、信託報酬を比較的安く抑えることができます。
指数に連動する投資商品であるため、銘柄入れ替えに伴う頻繁な売買などが発生せず、信託報酬(運用管理費用)を抑えやすいことがその理由です。信託報酬を抑えたい方はインデックス型を検討してみてはいかがでしょうか。
信託財産留保額のないファンドを選択する
投資信託を解約する際、信託財産留保額が投資信託の基準価額から差し引かれる場合がありますが、投資信託によっては信託財産留保額がかかりません。
信託財産留保額がかかるかどうかは、投資信託の交付目論見書や運用報告書から判断可能です。解約時のコストを減らしたい場合、事前にこれらの書類を参考に解約時の手数料を調べておきましょう。
コストを抑えるには新NISAを活用した投資が効果的
投資信託にかかるコストは手数料だけではありません。実は運用益が出た際の税金もコストになります。この運用益にかかる税金を抑えるためには、新NISA制度を活用すると良いでしょう。
一般口座や特定口座で投資信託を保有すると、運用益に対して20.315%の税金がかかります。投資信託を運用し、100万円の利益が出たとしても80万円弱しか手元に戻って来ません。
これに対し、新NISA制度を活用すれば、100万円の利益がそのまま戻って来ます。運用益に対する20.315%の課税は大きな負担です。手数料を抑えるとともに、税金に関しても有利な制度を利用することをお勧めします。
新NISA制度に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
いよいよ始まった新NISA。知っておきたい5つの注意点を解説!
金融のプロからアドバイスを受けて購入しましょう
投資信託の購入時・保有時・売却時の手数料は把握できたでしょうか。この記事では手数料を抑える方法として、ノーロード型ファンドやインデックス型を選ぶことのメリットにも触れました。
加えて、手数料だけでなく、運用益に対して税金がかからない新NISA制度を活用することで、運用効率を向上できることについてもお伝えしました。
このように、コストを抑えて効率良く運用するには、いろいろな視点で投資信託を見ていく必要があります。初心者には気が付かない点もあり、証券会社選びや金融商品選びに躊躇することもあるでしょう。
「少し難しそう…」と敬遠してしまいがちな投資信託ですが、金融のプロによる分かりやすい説明を聞いてみると、意外に簡単なものです。興味を持たれた方は、資産運用と今後の人生設計を金融のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
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