投資信託はやめたほうがいいと言われる理由|取り組むときのポイント
投資信託とは、複数の投資家から集めたお金を資産運用の専門家(ファンドマネージャー)がまとめて運用する金融商品です。「ファンド」と呼ばれることもあります。
少額から購入できるうえに手軽に分散投資ができることから、投資初心者の方でも購入しやすいのが特徴です。
しかし、投資信託には元本割れのリスクがあり「やめたほうがいい」と言われることもあります。いざ投資信託を購入するのであれば、情報収集をして投資信託のリスクや注意点を把握することが大切です。
こちらの記事では、投資信託はやめたほうがいいと言われる理由や、購入するときに意識すべきポイントなどを解説します。
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「投資信託はやめたほうがいい」と言われる理由とは?
投資初心者の方でも手軽に購入できる投資信託ですが、「やめたほうがいい」と言われるのはなぜでしょうか。
以下で、投資信託はやめたほうがいいと言われる理由やリスクについて解説します。
元本が保証されていない
投資信託は商品にもよりますが、株式や債券、不動産などに投資します。元本保証がないリスク資産に投資するため、投資信託は元本が保証されていません。
元本保証とは、「運用期間中に元本は減らない」と金融機関が投資家に保証することです。
元本保証の代表的な金融商品として、普通預金や定期預金があげられます。一方、投資信託は元本が保証されていないため、金融ショックや不況に見舞われたときに大きな損失が発生する可能性があります。
金融庁の分析によると、投資信託を購入しており、2023年3月末時点で運用損益がプラスとなっている顧客の割合は約7割でした。つまり、投資をしている人の約3割に損失が生じていることを意味します。
元本保証型の金融商品とは異なり、資産が目減りする可能性がある点がデメリットだと感じる方が「投資信託はやめたほうがいい」と意見していると考えられるでしょう。
【出典】
金融庁「投資信託の共通KPIに関する分析」
https://www.fsa.go.jp/news/r5/kokyakuhoni/202402/kpi_toushin_240228.pdf
短期間での利益が期待できない
多くの投資信託はリスクを分散させるために、さまざまな金融商品、国や地域に分散投資しています。長期的に安定したリターンが見込める一方で、投資信託の購入を通じて短期的にまとまった利益を得るのは現実的ではありません。
資産運用の世界では「ローリスク・ローリターン」「ハイリスク・ハイリターン」、つまりリスクの大きさに応じて、期待できる利益の大きさも変動するといわれます。短期的にまとまった利益を得るためには、特定の銘柄への集中投資や投機的な取引など、大きなリスクを負う必要があります。
短期的に大きな利益を狙っている投資家が、投資信託の期待リターンは物足りないことから、「やめたほうがいい」と考えるのかもしれません。
【出典】
日本証券業協会「リスクとリターン」
https://www.j-flec.go.jp/links/jikan/lesson3/
保有しているだけでコストが発生する
投資信託は、保有期間中に信託報酬という手数料を払い続ける必要があります。投資信託は資産運用のプロに運用を任せる金融商品なので、信託報酬はプロに運用を依頼する際の手数料と考えることができます。
信託報酬は運用している資産から日々差し引かれる形で支払うことから、保有しているだけでコストが発生しています。
また、投資信託によっては商品購入時や売却時に手数料が発生するケースがあります。どのような手数料が発生するかは購入前に目論見書を確認しましょう。
【出典】
一般社団法人投資信託協会「投資信託のコスト」
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/costtax/index.html
投資信託をやめたほうがいい人の特徴
投資信託は資産運用の専門家に投資判断を任せられる優れた金融商品ですが、人によって向き不向きがあります。
以下で、投資信託をやめたほうがいい人の特徴を解説します。
短期間でお金をふやしたい方
投資信託は投資対象を分散させています。そのため、短期間で一気にお金をふやすのは現実的ではありません。短期間で大きな利益を出したいという方にとって、投資信託は向かない可能性が高いでしょう。
投資信託は、長い期間をかけて利益を出す狙いの商品が多いことから、短期的に考えれば特定の銘柄に集中投資するのと比べて期待リターンが小さいのが一般的です。
つまり、投資信託は長期投資を検討している方に向いている投資商品です。運用期間が長いと複利効果(投資で得た利益を元本に組み込んで再投資し、運用益を膨らませていく仕組み)の効果で、資産をふやせる可能性があります。
【出典】
一般社団法人投資信託協会「そもそも投資信託とは」
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/
余剰貯金がない方
余剰貯金がない方は、投資信託の購入を控えたほうがよいでしょう。投資信託は分散投資させているとはいえ、元本割れのリスクが伴います。
余剰資金ではなく、さしあたって必要な生活資金を投資信託の購入に充て、損失が出てしまうと生活に悪影響が出る恐れがあります。やがて、投資信託の値上がりを待たずに投資信託を売却せざるを得ず、損失を出した状態で手を引く事態になりかねません。
さらに、短期間で売却すると長期投資による複利効果が得られず、将来得られるはずだった利益も失ってしまいます。
投資信託を購入する際には、生活に直接必要のない余剰貯金を充てることを意識しましょう。
価格変動が気になってしまう方
価格変動に対して過敏に反応してしまう方には、投資信託の購入が向かない可能性があります。損失額が少なかったとしても慌ててしまい、すぐに売却してしまうのであれば、投資信託を含むリスク資産への投資に向いていません。
売買だけでなく、金融商品を保有することも投資のうちです。早期に売却して投資信託を手放してしまうと、その後の値上がりや複利効果による資産の増加の恩恵を受けられません。
価格変動への不安からすぐに投資信託を売却すると、資産をふやすどころか減らしてしまう恐れがあります。価格変動に対する耐性がない方は、投資信託の購入を慎重に判断することが大切です。
投資信託を始めるときのポイント
投資信託は価格変動が伴うリスク資産である以上、購入時、運用中は慎重に投資判断を下す必要があります。
以下で、投資信託を始めるときに意識すべきポイントを解説します。
目的や目標金額を明確にする
投資信託の購入を通じて資産運用を行う際には、目的や目標金額を明確にしましょう。「いつまでに、いくら金額をふやしたいか」を、具体的な数字に落とし込むことをおすすめします。
目的や目標金額を明確にすることで、どの程度のリスクを取って運用すべきか方針を決められます。たとえば効率よく資産をふやしたい場合は株式に投資する投資信託、保守的に運用したい場合は債券など価格変動リスクの低い資産に投資する投資信託を選びましょう。
目的や目標金額に合った投資信託を選べば、失敗する可能性も減ります。必要以上にリスクを負わず、冷静かつ長期的に資産運用するうえで、目的や目標金額を明確にすることは大切なことです。
初心者の場合は手数料やリスクが低いファンドを選ぶ
資産運用初心者の方は、手数料やリスクが低いファンド(投資信託)を選びましょう。投資信託には「インデックスファンド」と「アクティブファンド」があり、それぞれ以下のような特徴があります。
● インデックスファンド:特定の指数に連動する運用結果を目指す(機械的に運用するため手数料が安い)
● アクティブファンド:特定の指数を上回る運用結果を目指す(プロが投資判断を下す場面が多いため手数料が高い)
インデックスファンドとアクティブファンドに優劣はありません。ただし、手数料は、得られる利益を削ってしまう要素です。初心者の方は手数料が安くリスクが低い投資信託を選ぶのが無難といえるでしょう。
インデックスファンドと比較すると、アクティブファンドは大きな利益が見込める反面、手数料が高い傾向にあります。また、大きな損失が出る可能性もあるため、投資に慣れるまでは控えるのが無難と言えるでしょう。
投資信託の運用実績を確認する
実際に投資信託を購入する前に、運用実績を確認しましょう。長期にわたって優れた運用実績を残している投資信託は、運用が上手な可能性が高いです。
これまでの運用実績は、投資信託を買う前に投資家が受け取る投資信託説明書(目論見書)で確認できます。
ただし、物事に絶対はなく、過去の運用実績が優れていても、将来も優れた運用結果を残せるとは限りません。過去の実績が将来のリターンを保証するものではない点に留意しましょう。
お金の専門家に相談する
投資信託の売買や運用に関して迷うことがあれば、お金の専門家に相談しましょう。
豊富な知識と経験に基づくアドバイスは、投資判断を下す際の参考になるでしょう。とくに投資初心者の方ほど、お金の専門家に相談することは投資で利益を得る大事なコツと言えます。
自分に合った投資信託を長期運用することで、目標としている運用益を得られる可能性が高まります。投資信託選びで迷う場面があれば、相談を検討しましょう。
投資信託の購入をやめたほうがいいとは限らない!自分に合った選択をしよう
投資信託は元本割れのリスクを伴う金融商品なので、元本割れを嫌う方から「やめたほうがいい」と言われることがあります。
しかし、投資信託は手軽に分散投資ができる優れた金融商品です。投資初心者の方でも購入しやすい魅力があり、やめたほうがいいとは限りません。
投資信託を購入する際には、資産運用を行う目的や目標金額を明確にしましょう。必要に応じてお金の専門家に相談すれば、自分にとって適切な投資信託を選択できるでしょう。
ソナミラでは、投資信託をはじめとしたお金の悩みについて相談できます。オンラインを含めて1回60分~120分程度の無料相談を承っております。ぜひお気軽にご相談ください。
ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第 1010号