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NISAのつみたて投資枠でよくある失敗とは?原因と対処法

目次

NISAのつみたて投資枠は、少額から資産形成を始められるという点で「初心者向け」と言われることも少なくありません。しかし、初心者向けといっても100%安全な投資方法というわけではなく、やり方を間違えると失敗するケースもあります。

NISAのつみたて投資枠で運用する際は「長期投資」や「分散投資」を意識することが大切です。

 

本記事では、NISAで投資初心者が陥りやすい失敗例を確認しながら、リスクを抑える方法や、つみたて投資枠の活用方法まで詳しく解説します。

NISAのつみたて投資枠でよくある失敗と原因

NISAと書かれた積み木とグラフ


NISAでは、従来の制度よりも非課税投資枠の拡充や非課税期間の撤廃で、自由度高く運用できるようになりました。一方で、自分で銘柄選びや売買のタイミングを判断しなければならないため、初心者にとっては難しく感じられる場面もあります。

毎月の積立額を多くしすぎてしまう

NISAのつみたて投資枠では年120万円まで、月あたりに換算すると10万円まで投資できるようになっています。
貯蓄を習慣化するために、毎月の収入のうち一定割合を先に貯蓄に回す「先取り貯蓄」をすることは大切です。しかし、積立金額を多くしすぎると家計が苦しくなり、途中解約(投資信託の売却)や積立金額の変更を余儀なくされてしまいます。

NISAで保有している商品を途中売却するとき、購入時よりも基準価額が下がっていると、損失が発生する可能性があります。

もちろん、NISAでは一生涯投資できるので、一旦多めの資金で始め、家計に負担が生じていると感じたときに金額を減らすことも可能です。しかし、積み立てる金額を途中で増減させるとドル・コスト平均法の効果を十分に得られなくなります。

ドル・コスト平均法とは、価格の変動する商品を、一定金額で定期的に購入する方法のことです。価格が高いときには少なく、価格が低いときには多い口数を購入できるため、結果的に平均購入単価が平準化されるというメリットがあります。

しかし、途中で金額を変更すると「安いときに多く買えない」「高いときに買い過ぎてしまう」といったことが起こり、ドル・コスト平均法によるリスク低減の効果を得られなくなる可能性があります。

【出典】
金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
金融庁「NISA 早わかりガイドブック」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/guidebook_202307.pdf#page=4

商品選びを誤った

NISAのつみたて投資枠では、金融庁が厳選した「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」が投資対象となっているため、多くの選択肢から個人で投資商品を選ぶ場合と比べて、大きな失敗を避けられる可能性があります。
しかし、商品ごとにリスク、リターンには大きな違いがあるため、投資目的に合わない商品を選んでしまうと、良い結果が得られないこともあります。

たとえば、高いリターンを求めているのにもかかわらず、一般的にローリスク・ローリターンとされる債券を多く含むバランスファンドに投資した場合、期待するリターンは得にくくなるでしょう。反対に、安定的な運用を目指しているのに、海外株式100%の比較的ハイリスクなファンドを選ぶと、想定外のリスクを負ってしまう可能性があります。

また、投資信託の運用中には「信託報酬」と呼ばれる、投資信託を運用・管理するための運用コストがかかります。
つみたて投資枠の対象銘柄は、信託報酬が低めに設定されている傾向があるものの、効率的な運用を目指すのであればより信託報酬の低い商品を探すことをおすすめします。

【出典】
金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
金融庁「つみたて投資枠対象商品の分類(2024年4月25日時点)」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/products/20240425/28.pdf

すぐに売却してしまった

保有中の商品の基準価額が大きく値下がりした際に、焦って売却するのはよくある失敗例の一つです。
NISAで保有している商品はいつでも自由に売却できます。そのため、損失が膨らまないように売却する(損切り)ことや、一定の利益を得られた段階で売却する(利益確定)ことも可能です。

しかし、目先の値動きばかり気にして、損失が出るたびに売却をしていると、損失ばかりが積み重なり資金がふえにくくなってしまうこともあります。また、短期間で売ってしまうと、本来、長期運用していれば得られるはずだった利益を失うことにもつながりかねません。

基本的に相場価格は上下を繰り返しているため、一時的に下落しても長期的に見れば回復する可能性も十分あります。目先の値動きに惑わされず、長期的な投資を心がけることが大切です。

NISAのつみたて投資枠で失敗のリスクを抑えるためには?

PCと通帳を眺めて悩む男性


NISAのつみたて投資枠の投資対象は、元本保証のない投資信託やETFなどの金融商品で、必ず利益を得られるという保証はありません。しかし、長期的な目線で運用することや、分散投資を心がけることで、大きな損失を出すことを避けられる可能性があります。

長期的な視点を持つ

NISAでの失敗リスクを抑えるためには、日々の価格変動に振り回されず、長期的な視点で投資することが重要です。

株式や債券などの金融商品は、長期的に見れば投資収益率(リターン)のばらつきが小さくなる傾向にあります。金融庁のシミュレーションによると、1989年以降、毎月同じ金額を国内外の株式と債券に積み立て投資した場合、保有期間が5年で元本割れするケースが確認されましたが、保有期間が20年の場合は収益が安定し、元本割れしたケースはありませんでした。

さらに、長期間にわたって投資を続けると、複利効果も大きくなります。複利効果とは、投資から得た収益が再投資され、元本だけでなくその収益がさらに収益を生み出す効果です。
NISAは生涯非課税で保有できます。可能な限り運用期間を長く確保することは、リスクを抑えるために重要なポイントです。

【出典】
金融庁「NISA 早わかりガイドブック」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/guidebook_202307.pdf#page=3

分散投資を心がける

NISAでリスクをコントロールするためには、分散投資が大切です。分散投資は、複数の資産や地域に投資することで、価格変動リスクを軽減する手法を指します。この方法では、一部の資産が値下がりしても、他の資産の値上がりで補うことが可能になるため、より安定したリターンが期待できます。

年間120万円までの年間非課税枠の範囲内で、日本株中心の投資信託だけでなく、米国株ファンドなど世界中の金融商品に分散投資するバランス型ファンドも利用できます。これにより、投資のリスクを抑えられるでしょう。

【出典】
金融庁「NISA 早わかりガイドブック」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/guidebook_202307.pdf#page=5

余剰資金で無理なく投資をする

NISAのつみたて投資枠で失敗しないためには、生活に影響が出ない範囲で、毎月の投資額を設定することが重要です。

投資金額をふやしすぎて家計の負担が大きくなってしまうと、生活資金を投資に回すことになってしまい、価格が下落した際に耐えられず、売却せざるを得なくなってしまうこともあります。万が一なくなっても困らない、余裕資金の範囲で投資に取り組むことが大切です。

運用目的や投資計画を決めておく

NISAで運用をスタートする前に、資産運用の目標金額などを明確に設定しておくことが大切です。「いつまでに」「何のために」お金を貯めるのかが明確になっていれば、投資すべきファンドや毎月の積立額を決定しやすくなります。また、目標があることで、予定外のタイミングで慌てて資金を引き出すことも少なくなるでしょう。

ざっくりとした目標でも問題ありませんが、NISAのつみたて投資枠は長期投資を前提としているため、「5年以内に資産を倍にしたい」といった短期的な目標の実現は難しい場合があります。

NISAのつみたて投資枠を有効活用するポイント

積み重ねられたカラフルな積み木


NISAのつみたて投資枠を有効活用するためには、金融機関選びが重要です。金融機関や銘柄の選び方がわからない場合や、売買のタイミングなどを相談したい場合は、お金や資産運用のプロに相談してみましょう。

自分の投資したい商品のある金融機関を選ぶ

つみたて投資枠の取扱銘柄は、金融機関(証券会社や銀行など)によって大きく異なります。NISAの口座の開設は全ての金融機関を通して1人1つと決まっているので、自分の投資したい銘柄がある金融機関を選びましょう。

もしまだ決まっていない場合は、取扱銘柄数の豊富な金融機関を選ぶと、あとで「投資したい銘柄がない」という事態を避けやすくなります。有名なネット証券は、取扱銘柄数が豊富な傾向にあります。
なお、つみたて投資枠の場合、どの金融機関を選んでも購入手数料は無料です。

不安なときや困ったときはプロに相談する

NISAのつみたて投資枠を活用するにあたって、金融機関や商品選び、売買のタイミングなどに迷った場合は資産運用の専門家に相談してみましょう。IFA(資産運用アドバイザー)等に相談すれば、専門知識を生かして、相談者のニーズや家計の状況に合わせて的確なアドバイスを受けられます。

ソナミラでは、資産運用や保険に詳しいコンシェルジュに無料で相談できます。店舗での相談だけではなく、オンラインでの相談にも対応しているため、空き時間で気軽に話を聞きたい場合にもぴったりです。

NISAのつみたて投資枠で失敗しないためには計画的な運用が大切

NISAのつみたて投資枠は、売買のタイミングや銘柄選び、投資上限額などの面で、投資家の裁量が大きい制度です。うまく活用できれば、資産形成に大きく寄与しますが、短期的な価格変動に一喜一憂したり、手数料の高い商品に投資したりすると、思うような成果を得られないこともあります。

運用中のリスクをなるべく抑えるためには、中長期的な資産運用の目標を決めた上で、家計に無理のない金額で積み立てを始めることが大切です。その際は、投資する銘柄もなるべく分散させるとよいでしょう。

資産運用の目標の決め方や、銘柄の選び方に悩む場合は、お金のプロに相談することをおすすめします。
ソナミラでは、IFA登録であるコンシェルジュに無料で相談できます。オンライン相談と店舗での相談、どちらにも対応していますので、NISAをはじめとして、資産運用に関する悩みがある方は、無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。

  • 著者
    荒木 和音さん

    保険代理店にて、個人を対象とした家計相談やライフプランニング、企業向けのリスクコンサルティングを経験。現在は金融分野専門ライターとして活動中。大手金融機関や大手金融メディアでの豊富な執筆実績をもつ。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号