節約はストレス?上手な目標の立て方と解消方法を紹介
インフレが進み、物の値段がどんどん上がっていく現在において、多くの人はその対処法として「節約」を心がけているのではないでしょうか。しかし、節約によって貯まるのは本当にお金でしょうか?実際には、お金はあまり貯まらず、貯まるのはストレスだったりしませんか?
そこで今回は、節約で貯まるのはお金かストレスか、について考えてみたいと思います。
節約とは
「節約」という言葉を日常生活において頻繁に使う人も多いと思いますが、どんな意味で使っていますか?好きな物や食べたい物を我慢して、お金を貯めることでしょうか?我慢した結果、味気ない生活を送ることでしょうか?
それではまず、「節約」とは本来どういう意味なのか、節約とはどのように行うものなのか、について考えてみましょう。
節約の定義と基本的な考え方
「節約」とは、広辞苑によると「無駄を省いて費用を切り詰めること」と記載されています。つまり、好きなものを我慢することではなく、無駄を省いて無駄な支出を減らすことなのです。これに対して、無駄に使うことを「浪費」といいます。よく「節約家」「浪費家」という言葉を聞くと思いますが、この二つは対極の関係にあるということです。
節約術や節約の方法について
「節約術」とインターネットで検索すると、節約術〇〇選!といった記事が山のように出てきます。よくある節約術としては、下記が挙げられます。
・日々の収支を把握する
日々の収支を把握することで、無駄な出費を見える化し、無駄を抑えることができます。
・買い物リストを作成してから買い物に行く
スーパーにフラッと行ってしまうと、ついつい余分な物も買ってしまいがちです。スーパーに行く前に買い物リストを作成し、そのリストに載っているものだけを購入すれば、無駄な出費を抑えることができます。
・固定費を見直す
光熱費はもちろん、スマホのキャリアを見直すことで、固定費の無駄を抑えることができます。
・セールに惑わされない
人は「セール」という言葉や「値下げ」という言葉に、ついついつられて買い物をしてしまいがちです。しかし安くなっているからといって、それが本当に必要なものなのか、一度考えてから購入することで無駄な出費を抑えることができます。
節約のメリットとストレスへの影響
節約は何の為にするのでしょうか?もちろん節約することで「お金」は貯まるでしょう。しかし、節約のメリットはお金を貯めることだけではありません。例えば、次の様なメリットがあります。
・心に余裕が生まれる
無駄な支出を抑え収入の範囲内で生活できる様になると、日々のお金の心配をしなくてよくなります。その結果、自分の将来のこと、恋愛のこと、家族のことなど、お金以外のことを考える余裕が出てきて、心に余裕が生まれます。
・お金の使い方が上手になる
無駄遣いをしないので、本当に必要なものだけ購入するという術を身に付けることができます。
・人生の選択肢をふやすことができる
節約することで、浮いたお金を貯金に回したり、運用に回したりすることができ、節約した以上にお金をふやせる可能性が高まります。お金をふやすことで、やりたいことを我慢せずにできる様になり、人生の選択肢をふやすことができます。
節約はストレスが溜まると思われがちですが、上記の様に、心にも人生にも良い影響を及ぼすのです。
節約による貯金の効果や将来への安心感
節約をすることで、お金が貯まります。その貯まったお金を運用にまわすことで、よりお金をふやせるかもしれません。お金がふえれば、本当にやりたい事を見つけた時、何かチャレンジしたくなった時に、お金の心配をすることなくすぐに挑戦することができます。
人生100年時代といわれる現在において、いつなんどき何が起こるか分かりません。その為のお金の準備が出来ているというのは、将来へ向けての安心感につながるのではないでしょうか。
節約がストレスを引き起こす理由とその影響
一方で、節約=ストレスと考える人も少なくありません。そんな人は、次のような過度な節約をしていませんか?
・光熱費の極端な節約
暑い日や寒い日に我慢してエアコンをつけなかったり、家族が少しでも水道水を流しっぱなしにしていたら、すぐに口うるさく「節水!」と言ったりする。
・食費の極端な節約
食費を切り詰める為に安い食材ばかりを購入したり、安いからと言って好きではない物ばかりを食べる。
・家計簿を細かくつける
節約の第一歩は家計簿をつけることから、という記事をよく目にする為、全ての収支に対して1円単位で細かい家計簿をつける。
このようなことを実践している場合は、自分にも家族にも節約によるストレスがかかっているかもしれません。ストレスがたまることで、イライラしたり、家族の仲が悪くなったりしてしまうこともあるでしょう。将来お金の心配をしなくていい様に、そして心に余裕を持たせる為に節約をしてお金を貯めるのに、その過程で過度なストレスがかかってしまったら本末転倒です。
エアコンをつけるのを我慢するのではなく、人がいない部屋のエアコンを切ったり、食べたい物を我慢するのではなく、食品を買いすぎて捨てることを防いだり、家計簿は家計の流れがなんとなく把握できればいいので、100円単位でつけてみたりと、自分や家族に過度なストレスがかからない範囲で節約を行うことが大切です。
心理的な側面や生活の制約
節約をしようとすると、あれはしてはダメ、これは買ってはダメ、あれはしなくちゃいけない、などと生活に制約をかけてしまいがちです。そうすると、心理的に過度な負担を感じ、節約自体がとん挫してしまうでしょう。無理をした節約は、長続きせず、どこかでリバウンドが起きてしまうかもしれません。
節約のポイントは、自分や家族に過度なストレスをかけず、長続きさせることです。その為には、日常生活において細かな制約をかけるのではなく、1か月単位、半年単位、1年単位など、長期間で帳尻を合わせるぐらい、おおらかな気持ちで行うことが大切です。
節約の実践事例と具体的な方法
それではここから、節約の具体的な方法をいくつかご紹介します。
食費や光熱費、日常生活での節約法
・自炊をする
いうまでもありませんが、外食をするよりも自炊をした方が食費を抑えることが出来ます。外食は塩分や脂分が多いこともあり、自炊をして栄養素に気をつけた食生活を送ることで、健康的な生活を送ることもでき一石二鳥です。おそらく長期的に見れば、医療費の節約にもつながっていくはずです。
・極力コンビニは利用しない
コンビニとスーパーでは、同じ商品でも価格が異なるものが多くあります。節約とは無駄な出費を抑えること。同じ商品を買うのであれば、コンビニではなくスーパーで購入することで、出費を抑えることができます。
・スマホのキャリアや料金プランを見直す
最近は格安SIMも一般的になってきました。キャリアによっては、家族割などを活用することで、かなりお得な料金プランを選択できることもあります。まだスマホのキャリアや料金プランを見直していない場合は、すぐにでも実施しましょう。
税金や保険料、貯蓄に関する節約法
・クレジットカードを活用する
税金や保険料をクレジットカードで支払えることも多くなってきました。クレジットカードで支払うことで、ポイントが貯まることもあります。同じ金額を支払うのであれば、現金ではなくポイントが貯まるクレジットカードを活用してポイントを貯めましょう。
※ 税金をクレジットカードで支払う場合、手数料がかかることがあります。
・キャッシュレス決済を活用する
キャッシュレス決済を活用することで、ポイントが貯まります。貯めたポイントで買い物をしたり、ポイント運用をすることもできます。クレジットカードだと使いすぎるのが怖いという人も、キャッシュレス決済の中には、事前チャージ制のものもあるので、決められた金額の範囲内で使用することもできます。同じ金額を現金で支払うのであれば、キャッシュレス決済を活用して貯めたポイントを有効活用しましょう。
・生命保険を見直す
社会人になった時になんとなく生命保険に加入したという人や、結婚して子どもが生まれ、生命保険に加入した時からはライフプランが変化した、という人は多いでしょう。生命保険は一度加入したらそれで終わりではありません。定期的に保障の内容を見直してみましょう。毎月の保険料が安くなることもあるかもしれません。
ライフスタイルの見直し法
・家計簿をつける
節約の第一歩は、家計の収支の流れを把握することです。収支の流れを見える化することで、無駄な出費を確認することができます。1円単位の細かな家計簿をつける必要はありません。流れが見える化できればいいので、ざっくりでもかまいません。まずは家計簿をつけることから始めてみましょう。
・フリーマーケットアプリ(以下、「フリマアプリ」)を活用する
不用品は捨てるのではなく、フリマアプリで販売してみましょう。自分にとっては不要な物も、他の人にとってはお金を出しても買いたいものかもしれません。全ての不用品が売れるわけではありませんが、一度フリマアプリに出品してみましょう。資源の有効活用にもつながります。
・最新のエコ家電に買い替える
エアコンや冷蔵庫などの家電は、年を追うごとに省エネ度がアップしていきます。買い替えに大きな費用は必要ですが、かかる光熱費と、買い替えの費用を比べてみて、買い替えた方がお得であれば買い替えを検討してみましょう。
節約の効果とストレス解消の達成方法
節約には大なり小なりストレスがかかるものです。しかし、かかるストレスを小さく抑えることは可能です。そこで、ストレスを小さく抑える方法をみていきましょう。
節約を通じて貯金をふやすための具体的な目標設定方法
節約をして無駄な出費を抑え、浮いたお金を貯蓄に回す、単純にそれができたら理想的ではあります。しかし、やはり人間の心は弱いもので、具体的な目標がないとついつい無駄な出費をしてしまいがちです。そこで節約をするには、具体的な目標を設定することが効果的です。
目標は具体的であればあるほどいいでしょう。
例えばこんな感じです。
- 1年後に家族でハワイへ旅行する
- 2年後に結婚する
- 5年後に起業する
- 10年後に地方へ移住する
ポイントは、時期と内容を具体的にしておくことです。「将来起業する」とか、「いつか地方へ移住する」という目標では、時期が明確でないために、今節約しなくてもまた今度節約すればいいや、という様に自分に逃げ道を残してしまいます。
節約を継続するための心構えやモチベーションの保ち方
具体的な目標を設定することで、自分や家族に対して、何の為に節約をするのかという理由付けが出来、モチベーションを維持することができます。これを少し我慢すれば、我慢したストレス以上のものが手に入る、という考え方は節約を継続していくうえでとても重要です。
また、一昔前までは節約というと少し貧乏くさいイメージがありましたが、今は「ミニマリスト」という言葉があり、洗練されたライフスタイルとして確立しています。ミニマリストのブログなどを確認することで、節約ではなく、モノを持たない自由さや洗練されたライフスタイルというようにポジティブなイメージを常に持つようにしましょう。
楽しく節約を継続するには?
決めた目標に向かって、ただ単に節約に励むというのもいいですが、出来れば楽しく節約に取り組みたいですよね。楽しく節約を行う方法として、ゲーム感覚で節約を行う方法もあります。ちょっとした工夫で楽しく節約する方法も検討してみましょう。
まとめ
「節約」と聞くと、テレビの特集で見る様な極端に我慢した生活を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし「節約」の本来の意味は、無駄を省いて無駄な出費を抑えることです。節約をする為に、自分や家族に過度なストレスを与えてしまっては、意味がありません。
節約の目的は何でしょうか?将来の為?来年家族で旅行する為?推し活に使う為?
目的を達成した時の喜びと節約によるストレスを天秤にかけ、節約によって得られるものと、節約によってかかるストレスがアンバランスにならない様にすることが大切です。
ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第 1010号