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家計管理のコツは? FPが今すぐ“貯め体質”になる方法を解説

目次

家計管理とは、家庭の収入・支出状況を記録・管理することです。家計管理で無駄遣いを発見し削減できれば、その分だけライフイベントや緊急時に回せます。“貯め体質”になるコツや、家計管理効率化のポイントをプロが解説します。

家計管理を実施するメリット

家計管理を実施するメリット


家計管理を実施するメリットは次の通りです。

  • 収支状況が明確化され、収入に応じて、人生設計(ライフプラン)や浪費などの無駄遣いの削減が進めやすくなる
  • 金銭感覚や収支のバランス感覚が身につく
  • 夫婦でお金について話し合う機会が増えると、2人のコミュニケーションが増える

「10万円くらい買い物に使ったと思う」と曖昧にするより、「7月12日にテーブルと椅子を2万円で購入した」といつ・何に・いくら使ったかを記録したほうが、「2万円使ったから食費や日用品は3,000円切り詰めよう」と、問題点の把握と改善がしやすくなります。

将来的には社会保険料の増加や退職給付金の減少が見込まれています(ニッセイ基礎研究所の調査)。消費税が10%からさらに増える予想も囁かれるなか、家計管理によって支出の問題を解決するのは、今後の生活にとってもプラスになるはずです。

これであなたも貯め体質! 家計管理の4つのコツ

これであなたも貯め体質! 家計管理の4つのコツ


家計管理を成功させるには、家計簿に収支を記録するだけではなく、目標を設定したり分析・改善を繰り返したりすることが大切です。誰もが実践できる貯め体質になるための、家計管理4つのコツを解説します。

現時点での支出・貯蓄状況を把握する

現時点での家庭における支出や貯蓄状況を正確に把握し、問題点を洗い出し改善点を考えましょう。現状を把握する具体的なメリットは次の通りです。

  • 必要だった支出と不必要だった支出を客観的に比較検討できる
  • 収入・支出・資産・負債などの現在の資産バランスが明確になり、取り組むべき課題が見えてくる
  • 可処分所得(給与収入金額-社会保険料-所得税-住民税)を算出し、実際に使えるお金を割り出せる

家計簿をつけるときは、おおよその費目に振り分けて収支を記録すると、あとから見やすくなります。食費(食材費や外食費)・光熱費・保険料・日用品・家賃・娯楽費などの一般的な支出項目で分けつつ、実態に合わせてオリジナル項目を作るのもおすすめです。

1か月分といったまとまった記録ができたあとは、金融庁の家計管理シミュレーターや日本FP協会の家計ツール、無料の家計簿アプリなどを使ってシミュレーションし、今後のライフプラン作成や改善点確認などを行うやり方もありますので、参考とするのもよいでしょう。

貯蓄の目標を設定する

最終的にどれくらいの貯蓄額が必要なのか、具体的な目標額を設定します。目標額が決まれば、取るべき行動や家計管理の方向性も具体的に定まるからです。

次の表は、人生における大きなライフイベントにかかる費用の平均額をまとめたものです。参考値としてご覧ください。

ライフイベント

必要な費用

結婚から新婚旅行にかかる費用

469万2,000円(コロナ禍以前の2020年の数値)

マイホーム購入にかかる費用(新築)

・注文住宅:3,572万円
・建売住宅:3,605万円
・土地付き注文住宅:4,455万円
・マンション:4,528万円

小学校にかかる費用

・公立:32万1,281円
・私立:159万8,691円

中学校にかかる費用

・公立:48万8,397円
・私立:140万6,433円

高等学校(全日制)にかかる費用

・公立:45万7,380円
・私立:96万9,911円

大学にかかる費用(下宿)

・国立:835万4,000円
・私立文系:978万4,000円
・私立理系:1,113万6,000円

参考
ゼクシィ『相場から自己負担金、支払い時期まで分かる【「結婚式のお金」基礎知識】』
住宅金融支援機構『2021年度 フラット35利用者調査』
文部科学省『平成30年度子供の学習費調査』
公益社団法人 生命保険文化センター『ライフイベントから見る生活設計(エフピー教育出版試算)』

目標貯蓄金額と予算を決める

大まかな目標金額を定めたあとは、毎月・毎年どれくらい貯蓄するのかを決めましょう。「収入-貯金額=生活費」を基に、生活費がいくら必要か、現在の生活費からいくらまで貯蓄に回せるかなどを検討します。

貯蓄に回す金額として理想なのは、収入のうち20~30%と言われています。国税庁の民間給与実態統計調査(2021年度)における平均年収431万円に当てはめると、年間86万2,000円~129万3,000円です。

国税庁『令和3年分 民間給与実態統計調査』

出典 国税庁『令和3年分 民間給与実態統計調査』

貯蓄額の目標を決めたあとは、達成するために必要な生活費の予算を決定します。20~30%を意識しつつ、収入状況やご家庭のライフスタイルに応じて柔軟に決めていきましょう。

余裕がある場合は貯蓄だけでなく、学資保険や資産運用(投資信託など)へ収入を回すのも手段の一つです。

実際に家計を見直す

現在の収支状況や目標が決定したあとは、実際に家計を見直していきます。無駄な支出が見つかりやすい、注目すべきポイントをまとめました。

家計見直しで注目するポイント

概要

用途不明の支出

なぜ購入したのかが明確でないモノ・サービスへの支出を見直す

固定費

利用頻度が低いサブスク、通信費・保険料・家賃、節水・水道光熱費、車の維持費、住宅ローンなどに余計な支出がないか確認する

娯楽費

惰性で購入する単行本、飲み会やランチなどの外食費、スマートフォンアプリへの課金などを見直す

見直しの際は購入・支払いの際に購入するものの優先順位をつけておき、優先順位の低いものから改善を進めるのがおすすめです。

見直したあとは実際に生活してみて、うまくいったかどうかを定期的に検証しましょう。計画通り削減できなかったところはないか、過度な節約によってストレスがたまりすぎていないかなどをチェックし、改善が必要な部分は修正を加えます。

こうしたPDCA(計画・行動・分析・修正)を回していき、ご家庭に応じた理想の家計を目指していきます。

さらなる貯蓄上手へ! 家計管理を効率化するポイント

さらなる貯蓄上手へ! 家計管理を効率化するポイント

家計管理を続けるためのモチベーション維持や支出・貯蓄の質の向上などを意識すると、さらなる貯蓄上手を目指せます。家計管理を効率化するポイントをみていきましょう。

家計簿を飽きずに続ける

家計簿を飽きずに続けるためのコツは、「適度に手を抜くこと」です。家計簿が家計管理の手段ではなく目的になってしまうと、本来の目的が失われ、続けるのが嫌になってしまう可能性があります。

はじめの頃はノートやメモ帳を家計簿の代わりにしたり、レシートだけ貼り付けておいたりなどでも十分です。1円単位で細かく記載せず、1,000円単位からの大雑把な計算・記録でもよいでしょう。近年では、スマートフォン1つで家計簿がつけられる家計簿アプリも登場しています。

家計簿のつけ方にルールはありません。収支さえわかれば、ご家庭で取り組みやすいオリジナルのルールで進めましょう。「こだわりすぎず、とにかく続けること」が、家計管理において一番重要なポイントです。

支出の質を上げる

無駄な支出を減らすだけでなく、支出の質を上げることも家計管理における重要なポイントです。

たとえば同じ5,000円でも、「コンビニで買い込む」と「古い家電をエコ家電に買い替える」とでは、支出の質に大きな差が出ます。同じ支出でも質が高ければ生活の充実度も高まり、不満やストレスによる余計な出費も減らせるはずです。

質の高い支出の例として、次のものがあげられます。

  • 多少高くても品質のよいものを購入し、長期的に使用する
  • 便利家電や寝具などの生活の質を上げるもの・負担を軽減させるものを購入し、疲労やストレスを軽減する
  • 資格取得や勉強の費用などの自己投資し、スキルアップや副業スタートによる収入アップを狙う
  • 価格・性能が同じであっても、より共感や愛着を持てるものを購入して満足感を得る
  • 生活の余剰資金を株式投資や投資信託などの資産運用に回し、預貯金よりも比較的高い利回りが期待できる運用を行う

クレジットカードや電子マネーを活用する

クレジットカードや電子マネーで買いものをすれば、ポイントが付与されます。ポイントがたまるという意味では、現金で購入するよりもおトクです。近年では国民年金や公共料金、税金もクレジットカードなどでの支払いに対応している場合もあるので、その分のポイントも期待できます。

ネットショップでの買いものはポイ活アプリを経由することで、同じ買いものでもさらにポイントが付与されます。

クレジットカードや電子マネーの使用金額は明細票として残るので、家計簿をつけやすい点もメリットと言えるでしょう。

預貯金の取り扱いを見直す

普通預金で積み立てている場合、必要な金額以上に引き出して無駄遣いするケースがあります。

預貯金は収入が振り込まれたら先取りで引き出し、以後は緊急時以外に引き出さないといったルールを決めておきましょう。可能であれば、銀行口座は、貯蓄用口座と生活用口座を分けておくのも効果的です。

夫婦で家計を管理する

夫婦の場合は家計の管理状況を片方に任せっきりにせず、定期的に確認・話し合いを行いましょう。家計状況が共有できていないと、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。

一方の支出を把握していなかった結果、実はギャンブルや詐欺被害でお金がなくなっていたケースも存在します。

とくに共働きは収入が多い分、会社付き合いや外食の多さで支出も大きくなる傾向にあるので、注意しましょう。

100円ショップで手に入る便利な収納ケース

100円ショップで手に入る便利な収納ケース


100円ショップで手に入るアイテムは、家計管理に使える収納ケースとして活用することをおすすめします。

たとえばコインケースに余計な小銭や紙幣を入れれば、財布をスッキリさせつつ、手持ちのお金をわかりやすく整理し管理できます。レシートホルダーというアイテムなら、家計簿用のレシートや領収書を簡単に収納可能です。

さらに100円ショップで購入できるパスポートケースは、手持ちのお金を仕分けるのに便利です。パスポートケースは、家計管理での利用を想定したタイプも販売されています。

家計管理で一番大切なときにお金を使えるように!

家計管理で一番大切なときにお金を使えるように!


家計管理によって無駄な支出を減らすことで、一番大切なときにお金が使えます。結婚・子育て・マイホーム購入などのライフイベントや、レジャー・趣味などの自分の好きなことなど、本当に必要なときに向けて家計を見直しましょう。

家計管理は問題の洗い出し・改善を繰り返しつつも、適度にこだわらないことが成功と習慣を継続ためのコツです。最初から無理をせず、肩の力を抜いて取り組むことをおすすめします。

  • 監修者
    柳沢 俊宏さん

    徳島のワイゼットFPオフィス代表。税務署、国税局、財務省主税局で勤務後、独立。顧客利益優先の考えに基づき、相談・提案業務を生業とする独立系FP。

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号