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コロナ禍の結婚式実施、8割以上が「迷った」 人数、費用は回復傾向

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株式会社リクルートが運営する結婚情報誌『ゼクシィ』が2022年10月、「結婚トレンド調査2022」を公表しました。コロナ禍で、結婚式の実施を迷った人が8割以上に上りました。1年前の調査より減ったものの、迷う人は依然として多い状況です。ただ、招待客の平均人数は微増、挙式、披露宴・ウエディングパーティー総額平均は増加と、コロナ前の水準に向けて回復に向かう様子も見られる結果となりました。

調査は毎年行われ、『ゼクシィ』の読者及びネット会員が対象です。今回は2021年4月~2022年3月に挙式または披露宴・ウエディングパーティーを実施した人に尋ねました。沖縄県を除く全国の約4,000人が郵送調査に回答しました。

「コロナ影響による迷い」と「人数縮小」に関係

「コロナ影響による迷い」と「人数縮小」に関係


コロナ禍での挙式、披露宴・ウエディングパーティー実施について、どの程度迷ったかを尋ねたところ、「非常に迷った」「少し迷った」は計83.8%でした。前年より6.8ポイント減りましたが、実施を迷う人は引き続き多い状態です。

招待・参加人数を縮小して実施した人の89.4%が「迷った」と答え、縮小せずに実施した人よりも「迷った」割合は14.5ポイント高くなりました。この結果から、「人数縮小」と「コロナ影響による迷い」が関係していることがうかがえます。

また、結婚式の実施時期が緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の期間中だった人は、「予算・金額を縮小して実施した」「招待・参加人数を縮小して実施した」と答えた割合が、期間外に実施した割合を6ポイントほど上回りました。

調査したリクルートブライダル総研の担当研究員は「いまだコロナ禍で迷い、悩みながら結婚式を迎えていることがうかがえます」と分析しています。

招待客1人当たりの費用は年々増加「ゲスト一人ひとりを大切に」

招待客1人当たりの費用は年々増加「ゲスト一人ひとりを大切に」

挙式、披露宴・ウエディングパーティーにかかった費用の総額の平均は303.8万円で、コロナ禍で大きく落ち込んだ前年より11.5万円増え、回復傾向にあります。ただ、コロナ禍前の2019年(354.9万円)の水準には届きませんでした。

招待客1人当たりの料理費用(飲み物を除く)の平均は1万6,700円で、年々増加しています。1人当たりのギフト費用の平均は6,900円で、2年連続の増加。いずれも全国値推計を始めた2009年以来最高となりました。一方で、披露宴・ウエディングパーティーの招待客人数の平均は43.2人で、前年より0.4人増。2019年と比べると23.1人減っています。

担当研究員は「結婚式を当たり前に実施できない環境の中で『結婚式をやる意味』をこれまで以上に深く考えた上で実施を決断し、招待するゲストを決めているため、こういったゲストへの気持ちの高まりを背景に、ゲスト一人ひとりを大切にする志向を見せているのかもしれません」と見ています。

ふえるオンライン打ち合わせ 利便性を重視

増えるオンライン打ち合わせ 利便性を重視


決定した会場がオンライン打ち合わせに「対応していた」割合は56.4%で、前年の調査を12.3ポイント上回りました。また、対応している会場でオンライン打ち合わせを「利用した」割合は44.0%で、前年の調査から5.5ポイントふえました。利用した理由を尋ねると、前年トップだった「感染症などでも安全に利用できるから」は53.4%で、12.9ポイント減りました。今回最も多かったのは「実際に足を運ぶ時間をとられないから」の64.5%で、10.0ポイントふえました。コロナ対策で導入されたオンライン打ち合わせが、利便性の観点から定着しつつある様子がうかがえます。

挙式または披露宴・ウエディングパーティーを実施した人のうち98.2%が「人生の節目である結婚に際して結婚式を行って良かったと思う」と回答しています。また9割以上が「結婚式は列席者に感謝の気持ちを伝える場だ」「結婚式を通して、列席者から2人が応援されていると感じた」と答えました。コロナ禍で多くの人が迷いながら実施したとはいえ、結婚式はやはり周囲との絆を実感し、人生を肯定する場になっていると言えそうです。

(データはいずれも「ゼクシィ 結婚トレンド調査2022」調べ)

  • ソナミラ編集部さん

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