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配当利回りとは?わかりやすく初心者向けに用語を解説します!

目次

2024年から、いよいよ新NISAがスタートしました。

新NISAをきっかけに投資を始めた方も多いでしょう。しかし、投資の世界でよく耳にする「配当利回り」という言葉をご存じでしょうか。

配当利回りを知っているかどうかで、新NISA(成長投資枠)での株の銘柄の選択方法が変わります。

この記事では、「配当利回り」について、わかりやすく、初心者向けに解説していきます。

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配当利回りの基本

配当利回りとは?

配当とは、企業の利益の一部を株主に還元するものです。
そして配当利回りとは、現在の株価に対して一株あたりの年間配当金の割合を示します。この指標は、投資した株からどの程度の配当が得られるかを示すもので、銘柄選択時の判断材料として用いられる指標です。
それでは、配当利回りの計算方法や活用法についてわかりやすく解説していきましょう。

配当利回りの計算方法

配当利回りは以下の式で計算されます。
配当利回り(%)=(一株当たりの年間配当金/現在の株価)×100

【配当利回りの計算例】
現在株価:2,000円
年間配当金:一株あたり50円
配当利回り=(50円/2,000円)×100=2.5%となります。

配当利回りの計算方法

このように、株価に対して配当金で1年間にどれぐらいの収益が得られるのかというのを表したのが、配当利回りです。
配当金の額の大きさだけで、収益を比較することはできません。
配当利回りにより、異なる銘柄間での配当収益の比較を行うことができるのです。

配当利回りを活用するメリット

それでは、配当利回りを活用することで得られるメリットをご紹介します。

インカムゲインの確保

配当利回りは、インカムゲインを重視する投資戦略において重要な指標です。
インカムゲインとは、金融商品を保有することによって継続的に得られる利益のことで、簡単に言うと、購入した後は自動的に利益が入ってくるもののことをいいます。
インカムゲインの例としては、株式の配当金、債券の利息、不動産投資信託(REIT)の分配金などがあります。

対して、金融商品の売買取引によって得られる利益をキャピタルゲインといいます。
インカムゲインはキャピタルゲインよりも価格変動の影響が少ない傾向にあり、インカムゲインを狙う投資戦略は、投資から定期的な収入を得ることが期待できます。

このように、配当利回りが高い株式は、定期的な収入をもたらすため、投資で安定した収入源を求める人にとって魅力的な金融商品となりえます。

再投資による複利効果

複利効果とは、運用で得た利益を再投資することにより利益が雪だるま式に膨らんでいくことです。
配当利回りの高い銘柄を選べば、低い銘柄よりも購入金額に対して多くの配当金を受け取ることができます。
受け取った配当金を再投資すれば、複利効果でどんどん利益が増えていくことが期待でき、長期的な資産形成につながるでしょう。

配当利回りを活用する上での注意点

投資をする上での配当利回りの重要性をお分かりいただけたでしょうか。
しかし、配当利回りだけを追求する投資戦略には注意が必要です。例えば、配当利回りが高すぎる銘柄に「お得だ!」と飛びつくのは危険です。
なぜなら、配当利回りが同業他社や業界平均と比べ異常に高い株式は、株価が低迷している可能性があるからです。

配当利回りは、現在の株価に対する配当金の割合で決まります。そのため、配当金が同じでも株価が安い銘柄ほど、配当利回りは高くなります。
配当利回りが高く、今後も高い成長性を期待できるような企業であれば、将来的な配当金の増額も見込まれ株価は上がるはずですよね。

しかし、業績悪化を見越した投資家による見切り売りで、株価が下がって配当利回りが高く算出されている銘柄もあります。
このような銘柄はさらに株価が下落してしまい、トータルの損失額は大きくなってしまうでしょう。

また、現在は配当利回りの高い企業でも、売上減少など業績悪化に伴い配当金の減額や無配当となる場合もあります。
投資判断を行う際には、配当利回りだけでなく、業績が悪化していないか、株価が下落していないかなどを総合的に考慮することが重要です。

配当性向が指し示すこととは?

配当性向とは

配当利回りとよく似た言葉で「配当性向」という指標もあります。
配当性向とは、企業が得た利益のうち、どれだけ配当金に回されているかを示した指標です。

配当性向の計算式は以下のとおりです。
配当性向(%)=(一株当たりの年間配当金/一株当たりの純利益)×100

それでは、次に配当性向が指し示すことを3つご紹介します。

株主還元の姿勢

配当性向が高いことは、利益の多くを配当金に充てているということです。そのため、配当性向が高い企業は、株主に対して積極的に利益を還元しようとする姿勢であると考えられます。

成長戦略

株主への還元が少ない企業は、単に配当を出す余裕がないケースだけではありません。
配当性向が低い企業は、企業経営のために利益を再投資することにより将来の成長を目指している可能性があります。成長企業の中には、あえて配当金を出さずに利益を事業投資に充てることで、成長し続けている企業も少なくないのです。

一方で、成熟した企業は投資の必要性が少ないため、配当性向が高い傾向にあります。

配当政策

配当政策とは、企業がどの程度株主へ配当を還元するかについて判断する意思決定のことです。
一定の配当性向を維持している企業は、一貫した配当政策を持っているとみなされます。配当政策の中で配当性向を「〇%」と決めている会社は、業績によって配当金の額が変わります。

具体的に言うと、業績が良く利益を大きく出した年は配当金が多く、業績が悪ければ配当金は少なくなります。
赤字の年の場合は、無配当になるリスクがあるため、銘柄を選ぶときは注意しましょう。

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配当利回りの高い銘柄の選び方

配当利回りの高い銘柄の選び方

初心者が配当利回りの高い銘柄を選ぶにはどうしたらよいのでしょうか。
それには、証券会社等が提供するスクリーニングツールを利用してみるとよいでしょう。
これらのツールでは、配当利回りに基づいて銘柄をソートする機能などがあり、初心者でも簡単に扱うことができます。

ただし、配当利回りの高い銘柄を絞り込む際には、単に配当利回りだけをチェックするのではなく、以下の5つのポイントもおさえてみてください。

配当の安定性や持続可能性の確認

一時的に高い配当利回りの銘柄を探すだけでなく、その配当が安定かつ継続的であることを確認します。
そのためには、配当が増額または安定しているかをポイントとして、対象銘柄の過去数年間の配当支払い履歴を確認しましょう。

財務健全性の分析

企業の財務基盤から高い配当を維持できるかどうかをチェックします。
財務諸表から現預金、利益、負債などのバランスを調べて、配当の支払い能力があるかを判断しましょう。

借金がなく、手元に現金や預金などの流動性の高い資金を潤沢に保有している企業なら、配当の支払いが容易だと判断できます。
また、流動性の高い資金を多く保ち、利益も伸びている企業は、増配の可能性も期待できるでしょう。

配当性向の再評価

企業が稼いだ利益のどれくらいを配当に充てているかの指標である配当性向を、改めて評価しましょう。
配当性向が高すぎる場合は、設備投資や研究開発への再投資の余地が少ないことを意味しているかもしれません。
そのため、配当性向が高すぎる企業は、今後の成長が期待できない可能性があります。

業界の平均配当利回りとの比較

同業他社や業界平均と配当利回りを比較しましょう。
チェックしている企業が業界平均よりも配当利回りが高い場合、その正当な理由を把握しておくと安心です。
業績悪化により株価が下がって配当利回りが高くなっているだけの場合もあるため、注意してください。

成長性と利回りのバランス

配当利回りの高い銘柄が、将来的にも成長できるかどうかを見極めましょう。
企業の成長性を判断する指標はいくつかありますが、「売上高成長率」が代表的です。
売上高成長率は、基準年度と当年度を比較してどれだけ売上高が伸びているかを表しています。

売上高成長率が低く、成長の見込みが少ない企業は、高い配当利回りを維持できない可能性があるため注意しましょう。

予想配当利回りと実際の配当利回りの違い

予想配当利回りと実質配当利回り

予想配当利回りと実際の配当利回りの違いは、配当利回りの計算に使用される配当金の数値が予想値か実績値かにあります。
ここでは、予想配当利回りと実際の配当利回りの違いについて解説します。

予想配当利回り

予想配当利回りは、将来的にどの程度の収益が見込めるかを評価するための一つの指標として使用されます。
予想配当利回りは、予想される配当を基に計算されます。
予想配当金は、企業の業績予測、経済環境、業界の動向などに基づいて決定されますが、あくまで予想です。
変動する可能性があり、期待できる配当が得られない場合もあるため注意しましょう。

実際の配当利回り

実際の配当利回りは、企業が過去にどの程度の配当を支払ったかを反映しており、その企業の配当支払いの安定性や持続可能性を評価する際に参考にされます。
実際の配当利回りは、実際に支払われた配当を基に計算され、投資家が受け取った実際のリターンを示します。

新NISAで配当利回りを意識した銘柄へ投資しよう

コインを積み上げて育てる手

新NISA(成長投資枠)で高配当や増配期待など配当利回りを意識した銘柄に投資すれば、税制優遇を受けながら安定した収入を得ることができます。
ここからは、新NISAで配当利回りを意識した銘柄へ投資する3つのメリットをお伝えします。

新NISAの税制優遇を有効に活用できる

通常は投資で得た利益に対して、20.315%の税金がかかります。
対して、新NISA制度は利益に対して課税されないという税制優遇が受けられます。

得られる配当収入に対しても税制優遇の恩恵を受けることができるため、配当利回りの高い銘柄に投資すれば実際に受け取れる配当が増えます。
そのため、効率的な資産形成を目指すことが可能になります。

長期投資に向いている

従来のNISA制度では非課税保有期間が決められていましたが、新NISAでは非課税保有期間が無期限になりました。
このことからも分かるとおり、新NISAは長期投資を奨励する制度です。
新NISAにおいて配当利回りを意識して銘柄を選定することは、長期的な視点で資産をふやしたい人にとって理想的なアプローチだと言えるでしょう。

再投資による複利効果が高い

新NISAの税制優遇を活用しながら配当を再投資すれば、複利効果により資産はふえていくでしょう。
新NISAでは税金の影響を受けないため、資産をより効率的にふやすことができます。

新NISAでの株式投資は配当利回りも確認

新NISAによる投資

新NISAで株式投資を始めようと考えている人も多いでしょう。
しかしながら、初めての株式投資では、どの情報が正しいのか不安なことも多いですよね。
そんな時は、配当利回りも確認しながら銘柄を選んでみてはいかがでしょうか。

不安なときは専門家に一度相談をしてみてください。
ソナミラでは、新NISAに関する相談を無料ですることができます。初心者にも丁寧に説明をしてくれるため、不安が軽減されますよ。

ソナミラについて | 保険・NISAの相談はソナミラへ

  • 監修者
    水野 崇さん

    水野総合FP事務所代表。個別相談、執筆・記事監修、講師、取材協力などマルチに活躍する独立系ファイナンシャルプランナー。学校法人専門学校非常勤講師。 【メディア掲載】毎日新聞|朝日新聞|中日新聞|東京新聞|朝日中高生新聞|物流産業新聞社|Yahoo!ニュース|女性自身|プレジデントオンライン|日本FP協会 他多数

  • ソナミラ編集部さん

    「健康で豊かなミライにソナえる」をコンセプトに、マネー・ライフデザインをテーマとしたコンテンツを発信しています。 あなたの可能性を広げるため、読んでためになったと思える記事の制作を心掛けています。

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ソナミラ株式会社 金融商品仲介業者  関東財務局長(金仲)第 1010号